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Nissan IDS Concept Road to AD : 自動運転を実現させるための革新的なテクノロジー【日産自動車】

2015年10月28日

2013年8月、私たちは2020年までに複数の車種で自動運転を実用化することを宣言しました。その中で、社長兼CEOのカルロス・ゴーンは「私は2007年に、日産は2010年までにゼロ・エミッション車を量販すると約束しました。現在、『日産リーフ』はグローバルで最も販売台数の多いEV(電気自動車)となっています。そして今、私たちは画期的な新技術、自動運転を2020年までに投入することを確約します。そしてその計画は、実現に向けて順調に進んでいます」と述べました。

この2013年の宣言から、私たちが密かに取り組んできた自動運転車の開発が本格的に動き出しました。同年11月から神奈川県のサポートを受け、公道走行が可能な自動運転技術搭載車両を使い実証実験を開始。まずは高速道路での自動車線変更、低速車両の自動追い越し、自動合流や自動分岐などの実験を重ねてきました。さらに2014年からは、交差点を含む一般道路環境での実証実験を北米にて実施しています。2015年10月には、革新的な技術と専用のHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)を搭載した試作車両を新たに開発し、ハイウェイだけでなく一般道を含んだルートにおいて、ナビゲーションシステムで設定した目的地まで自動走行する実証実験を日本、海外で行い、市販化に向けたシステムの信頼性向上を図っていきます。

そして2015年10月、私たちが考えるフューチャーモビリティの自動運転コンセプト「ニッサン・インテリジェント・ドライビング」を具現化したコンセプトカーとして「ニッサンIDSコンセプト」を公開します。自動運転の快適さと、クルマを運転する楽しさを兼ね備えたこの革新的な車両に採用されている技術について説明します。

ゼロ・フェイタリティ の実現に向けた自動運転
日産はクルマの死亡事故ゼロを目指す“ゼロ・フェイタリティ”の実現に向け、自動運転の開発を行っています。今回発表した「ニッサンIDSコンセプト」には、既に実用化され、市販車両に搭載している「セーフティシールドコンセプト」の技術を、新たな次元へと進化させた技術を搭載しました。
車両に搭載されたセンサーにより、自分の周りの状況を常にモニタリング。リスクの芽をドライバーよりも早く察知し、危機を知らせ、間に合わないと判断した時はシステムが介入して事故を未然に防ぐ「全方位運転支援システム」。さらに「ニッサンIDSコンセプト」のAI(人工知能)が、現在の運転シーンを正しく把握した上で、先にある状況を予測。その予測に基づき、安全で正確な運転行動を取ります。「ニッサンIDSコンセプト」の自動運転は、「全方位運転支援システム」と最先端のAI技術が融合して実現したのです。

周囲の動きを予測し的確な操作をするAI
人間の運転行為は、「認知」、「判断」、「操作」に分解されます。現在のテクノロジーの進化は著しく、特定のタスクでは人間の数百倍の能力をもつ技術も登場しています。ただし、実際の運転行為では状況を正しく理解し、交通ルールに従って、自然な操作を行わなければなりません。これらはテクノロジーの分野ではまだチャレンジングな領域です。このチャレンジを成功へと導くために必要となるのが、革新的なクルマの知能化(=AI)技術です。この能力が人間よりも優れた状態にならなければ、人間が運転するより安全な自動運転は実現しません。
「ニッサンIDSコンセプト」は、各種センサーやカメラから得た情報を人間より優れたAIが総合的に処理することで、安全で快適な自動運転を実現しています。

交通事故の9割以上は人為的ミスから発生しています。人間をはるかに超える能力で「認知」、「判断」、「操作」を行う「ニッサンIDSコンセプト」のAIは、あらゆる状況を複合的に見て冷静に行動します。人間のように判断を迷ったり動きが止まったりすることがありません。



AIの持つ機能はドライバーにも向けられます。「ニッサンIDSコンセプト」は、ドライバーのニーズを判断するだけでなく、健康状態なども把握しています。たとえば、その日の体調や、気分に合わせてレストランの案内をするといった提案も行います。さらに、ドライバーの運転の癖や好みを学習し、自動運転時でもあたかもドライバーが運転しているかのような心地よい走りを提供します。
これらの卓越したAI機能により、ドライバーは「ニッサンIDSコンセプト」を信頼し、安心して運転を任せることができるようになります。
このように進化したAIは、機械のように感情のない対応ではなく、人間のような温もりのあるコミュニケーションを可能にするのです。



気持ちのよいストレスフリーなドライビング
我々は自動運転が実現したとしても、クルマを運転する楽しみを多くの人に感じてもらいたいと考えています。「ニッサンIDSコンセプト」は「ニッサン・インテリジェント・ドライビング」の技術によって、ドライバーが安心して意のままにクルマを操れるドライビングフィールも提供します。

自動運転となるPDモード(パイロットドライブ)時は、インストルメントパネルにステアリングホイールはなく、ドライバーも含めたすべての搭乗者がリラックスできる空間を提供しますが、自ら運転したいとき、ドライバーがMDモード(マニュアルドライブ)を選択すると、インテリアがトランスフォームし、ドライバーの前にはステアリングホイールやヘッドアップディスプレイが現れ、集中してドライビングを楽しめる姿勢へ導きます。ステアリングホイールのトランスフォームを実現したのは、『スカイライン』で実用化したダイレクトアダプティブステアリング(DAS)の技術があったからです。ステアリングとタイヤの物理的な接続をなくし、電気信号でタイヤを動かす技術により、ステアリングホイールは位置やレイアウトの制限から解放され、自由にレイアウトを変えることが可能となりました。



私たちが描くフューチャーモビリティは、将来的に多くのクルマがEVになっていくと考えています。「日産リーフ」に代表されるEVは、走行中にCO2排出ガスを出さない環境にやさしいクルマであると同時に、レスポンスに優れるモーターを動力源としているため、ガソリン車にはないスムースでトルクフルな楽しい走りが可能となります。
「ニッサンIDSコンセプト」は日産がもつバッテリー技術を集結させた、コンパクトながら60kWhの容量を持つ最先端のバッテリーを搭載しています。さらに、エアロダイナミクスの追及、車体の軽量化なども相まって、一充電の航続距離向上を実現するとともに、走行中にも充電できる非接触充電技術を搭載することで、長距離移動時の利便性が向上しました。

交通システムとの融合
自動運転では、他のクルマや歩行者などとのコミュニケーションが円滑な走行に繋がることは言うまでもありません。特に歩行者や自転車は、クルマが自分に気付いているのかがわからないと、次の行動をとることが難しくなります。

ドライバーによるアイコンタクトの役割を果たすのが、エクステリアにある「インテンション・インジゲーター」と「メッセージディスプレイ」です。光と文字により、歩行者は「ニッサンIDSコンセプト」が自分を認識していることがわかるので、横断歩道などでも安心して「ニッサンIDSコンセプト」の前を渡ることができるのです。

「ニッサンIDSコンセプト」を公開するにあたり、日産の自動運転研究開発を指揮する飯島 徹也は次のように述べています。「第一弾として、2016年末までに、混雑した高速道路上で安全な自動運転を可能にする技術「パイロットドライブ1.0」を世界に先駆けて日本市場に投入します。2018年には、危険回避や車線変更を自動的に行う複数レーンでの自動運転技術を搭載したモデルを世に送り出します。そして2020年までには、交差点含む一般道での自動運転技術の導入を計画しています。。これらの自動運転技術により、若者から高齢者までが快適で胸を躍らせるモビリティ社会が到来することになるでしょう。」

「ニッサンIDSコンセプト」は、私たちが目指す202X年のフューチャーモビリティを示したコンセプトカーです。私たちは「ニッサンIDSコンセプト」を通して、モビリティ社会から不幸な事故をなくすゼロ・フェイタリティを実現すると同時に、持続できるクルマ社会の実現に向けゼロ・エミッション社会の実現を目指します。同時に、あらゆる人たちに移動する機会、ドライビングの楽しさを提供することをお約束します。
私たちが目指す高い安全性と環境性能、人とクルマのコミュニケーションを実現する、日産の自動運転技術を具現化したのが、この「ニッサンIDSコンセプト」なのです。








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