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車載制御システム向け低消費電力16ビットマイコン「RL78/F15」を発売【ルネサス エレクトロニクス】
2015年10月26日
~本新製品の追加により、16ビットマイコンで業界最大級のラインアップが完成~
ルネサス エレクトロニクス㈱(代表取締役会長兼CEO:遠藤 隆雄、以下ルネサス)は、このたびBCM(Body Control Module)、車載エアコン、パワーシートなどの車載制御システム分野向けに、低消費電力16ビットマイコン「RL78/F15」を開発し、36品種のサンプル出荷を、本日より順次開始します。
「RL78/F15」は、業界で最小クラスの低消費電力、かつ高い処理性能をもつルネサスのマイコン「RL78ファミリ」の車載向け「RL78/F13、 RL78/F14」と完全互換となる高機能シリーズです。今回新たに144ピンのパッケージをラインアップし、48ピン以上のパッケージで最大512KB(キロバイト)のフラッシュメモリを搭載しました。これにより、当社従来製品「RL78/F13、RL78/F14」と合わせて、20ピンから144ピンまでの127品種のラインアップから、システムに応じて最適なマイコンを選択できます。「RL78/F15」は、「RL78/F13、RL78/F14」とソフトウェアの互換性を有するため、将来の機能拡張を見据えたマイコン選択が可能です。また仕様追加によるメモリ不足やピン数不足などへの対応も容易です。
近年、自動車の著しい多機能化・高性能化に伴い車体の電子化が進み、パワーウィンドウやエアバッグ、ランプ、ミラー、ドア、シートなど車内のいたるところに電子制御ユニット(Electronic Control Unit、以下ECU)が搭載されるようになりました。そのため、各電子制御ユニットのソフト開発負担が増大してきており、開発効率改善のため、ソフトウェアを複数のECUで共有する事の重要性が高まっています。
今回、「RL78/F15」の36品種を拡充することにより、「RL78ファミリ」の車載制御向けラインアップは16ビットマイコンで業界最大級となります。これにより、複数のECUで「RL78ファミリ」を使用できるため、ユーザはソフトウェア資産が共有可能となり、開発の効率アップを実現します。
量産は、2016年7月より開始し、2017年7月には合計で月産100万個を計画しております。サンプル価格は、48ピンパッケージ、内蔵フラッシュメモリ512Kバイト品で、700円/個(税別)となっております。
新製品「RL78/F15」の特長は以下のとおりです。
(1)ラインアップ拡充により、車載制御システムに応じて127品種から16ビットマイコンを選択可能
「RL78/F15」は、144ピンのパッケージを用意し、512KBまで搭載メモリを拡張。当社従来製品「RL78/F13、RL78/F14」と合わせて20ピンから144ピンまでのラインアップとなり、車載制御システム向け16ビットマイコンとして業界最大級の127品種となる製品群を提供。車載制御システムに応じて、最適なマイコンを選択可能。
(2)「RL78/F13、RL78/F14」と完全互換。ソフトウェア移植が容易であり開発期間や認定作業短縮に貢献
「RL78/F15」は、当社従来製品「RL78/F13、RL78/F14」と同一のCPUコアを採用。完全互換であり、ソフトウェアの移植が容易。そのため、ECUのアップグレードやシステム開発時の急な仕様追加、変更に伴うROM/RAM不足やピン数不足にも対応できる可能性が拡大。さらに既に量産実績のある同一製造プロセステクノロジを適用しているため、認定作業等の短縮も可能。
(3)CANを2チャネル搭載など、通信機能を強化。BCMをはじめとする車載制御システムに最適
CANを2チャネル搭載しているため、制御用と診断用の通信としてそれぞれ独立にCAN通信が可能。またハードウェアLINを最大で3チャネル搭載しているため、BCM(Body Control Module)のような通信の集中制御用途に最適。さらにIE BUSを搭載しているため、車載情報分野のカーオーディオ用途にも応用可能。
「RL78/F15」の開発環境は、ルネサスの新統合開発環境「CS+」と、統合オンチップデバッギングエミュレータ「E1」を提供します。
当社は新製品を、一層の高機能化が進むローエンド車載制御システム分野向けマイコン製品と位置づけ、今後も「RL78ファミリ」の製品展開を行うとともに、積極的な販売活動を展開してまいります。
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