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次世代EV用「2モータオンボード駆動システム」を開発【NTN】

2015年10月21日

左右の車輪をそれぞれ専用のモータで個別に駆動することで、走行性能を向上

NTN㈱(以下、NTN)は、次世代EV(電気自動車)向け駆動システムとして、左右の車輪をそれぞれ専用のモータで駆動する「2モータオンボード駆動システム」を開発しました。

現在普及が進んでいるワンモータ式電気自動車では、一般にディファレンシャルギヤ(差動歯車装置)を介して1台のモータの動力を左右輪に配分するため、その左右の駆動力は常に等しく、氷結路などではスリップしやすくなります。

本駆動システムは2組のモータおよび減速機から成るモータ駆動装置とインバータで構成され、左右の車輪をそれぞれ専用のモータで駆動することで、トルクベクタリング*1を実現しました。車両の走行状態に応じて左右の駆動力を適正に制御することができ、旋回性能やスリップ路面の走破性などの走行性能が大きく向上します。さらに、本駆動システムは、従来のサスペンション構造を変更することなく車両に搭載できるため、既存ボディの流用による車両開発コストの削減が可能です。

本駆動システムは、NTNの高精度・長寿命転がり軸受技術を適用することで、減速機やモータ回転部の耐久性などに十分な信頼性を確保しました。また、当社が世界シェアNo.1を誇るハブベアリングと世界シェアNo.2のドライブシャフトを本システムと組み合わせモジュール化することで、小型・軽量化を図るとともにお客さまにとって最適な設計を一括提案し、性能とコストを両立させた次世代EVの駆動システムを提供します。

NTNは、本開発品を10月29日~11月8日に東京ビッグサイトで開催される「第44回東京モーターショー2015」に出展します。

*1)左右駆動輪に伝達する駆動力の配分を積極的にコントロールする制御や機構

特長

(1) 左右の車輪の駆動力を独立制御することで、車両の走行性能を向上
<制御ありの場合>
・スラローム走行時に、ヨーレート*2の応答遅れを約3/5に低減
・スリップ路面走行時に、走行軌跡の目標からの偏差を1/2以下に抑制
*2) 車両の重心点を通る垂直軸まわりの回転角速度
(2) ハブベアリングとドライブシャフトを含めた駆動系をモジュール商品で一括提供

用途

 

電気自動車、ハイブリッド自動車や燃料電池車など
(前輪駆動、後輪駆動、四輪駆動に適用可能)

お問い合わせ先

 

EVモジュール事業本部  事業推進部  TEL 0538-21-1722

写真

適用例

本駆動システム搭載車のトルクベクタリング

コーナーリング時に外側の駆動輪のトルクを大きく、内側の駆動輪へのトルクを小さく配分することで、曲がりやすくしたり(アンダーステアの抑制)、逆の制御により曲がりすぎ(オーバーステア)を抑制したりすることが可能。








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