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ダカールラリー2012に新型レーシングトラックで本格参戦【日野自動車】

2011年10月18日

~総合上位入賞と排気量10リッター未満クラス3連覇を狙う~

日野自動車株式会社(以下、日野)は、2012年1月1日にアルゼンチンのマルデルプラタをスタートする「ダカールラリー2012」のトラック部門に、菅原義正氏率いるチームスガワラと共に、「日野チームスガワラ」として、「日野レンジャー」2台で参戦します。

2011年大会で20回連続完走※1を果たした日野は、2012年大会を新たな歴史の幕開けとすべく、2004年大会以来8年ぶりに新型レーシングトラックを投入します。参戦クラスを従来の市販車クラスから改造車クラスに移し、総合上位入賞を狙うとともに排気量10リッター未満クラスの3連覇を目指します。新型レーシングトラックには、耐久信頼性に定評のある市販車をベースに、チームスガワラが培ってきたラリー車作りのノウハウを盛り込みました。

ドライバーは、菅原義正・照仁。親子での参戦となります。史上最多の連続出場記録※2を更新し続ける父・義正氏は、古希70歳を迎えてもなお、世界一過酷と称されるレースに挑みます。義正氏の次男である照仁氏(39歳)は、自身の記録ともなる排気量10リッター未満クラスの3連覇を狙います。
レースを支えるメカニックは、全国の日野販売会社から公募選抜され、宮城日野、東京日野、愛知日野、広島日野から各1名の計4人が参戦します。

日野は、世界最高峰のレースに挑戦し続けることで、日本の活力が生む感動を世界中のお客様、モータースポーツファンと分かち合い、HINOブランドの醸成を図ります。

※1  2008年大会が政情不安により中止となったため、1991年大会以来の20回連続参戦。
※2  1983年から2011年までの28回。中止の2008年は除く。

参考

1. ダカールラリー2012大会とは・・・
ダカールラリーは、1979年より開催され2012年大会で34回目(2008年大会は中止)を数える伝統ある大会で、クロスカントリーラリーの最高峰とされています。2012年大会は、前回開催地のアルゼンチンとチリに、ペルーが加わりました。ルートは、1月1日(日)アルゼンチンのマルデルプラタをスタートした後、チリ国境沿いに北上し、フィアンバラからアンデス山脈を越えチリに入国。8日(日)には、落盤事故からの奇跡の救出劇があったコピアポで中間休息日を迎え、その後、今大会最大の難所である、世界一乾燥している砂漠といわれるアタカマ砂漠を越え、新たな舞台となるペルーに入ります。その後、地上絵で有名なナスカを通過し、砂丘・川渡り・山岳・土漠等バリエーション豊かな大地が続き、15日(日)にリマにゴール予定です。15日間にわたる競技期間の総走行距離は約10,000km。人とクルマの耐久力が問われるレースとなります。

2. 新型レーシングトラックについて・・・
新型レーシングトラックは、中型トラック「日野レンジャー」の4輪駆動車型をベースとし、排気量10リッター未満クラスのライバルを凌駕するパフォーマンスを発揮するとともに、大型車を含めたトラック部門で総合上位に入賞することを目標に開発しました。

開発テーマのひとつは、走破性能の向上です。このためフレームを全面的に見直し、組幅を広げて車体のねじれ剛性を高めました。また、重量物を重心近くに集めるために、市販車では運転席の下にあるエンジンを、後方に移動させて低い位置に搭載し、低重心なミッドシップレイアウトを採用。また、キャブは従来のフルキャブからショートキャブを選択し、重量を軽減。リアボディも根太構造(サブフレーム)を廃したうえで、従来のパネル張りから軽量な化学繊維製の幌にするなど、車両全体で前回比300kgに及ぶ軽量化を達成しています。これらの改良に合わせ、ブレーキの前後バランスを見直すなどブレーキ性能の向上も図りました。

もう一つのテーマは、冷却性能の向上です。アフリカから南米に舞台を移したダカールラリーは、パウダー状の砂や急な傾斜など、走行抵抗のより大きい路面を高い気温の中で走行するため、冷却性能の高さが求められます。新型レーシングトラックでは、冷却能力の高いアルミ製ラジエーターを採用。ラジエーターと冷却ファンの距離が、ミッドシップ化で離れたためその空間をシュラウドで連結。インタークーラーは、通常のラジエーター前面位置からリアボディ前端上部に移設。ラジエーターとインタークーラーの位置を別にし、効果的に走行風を直接集めることにより冷却性能を向上させました。これらの改良点はすでに、ラリーモンゴリア2011(8月8日~15日開催、モンゴル・ウランバートル発着)でのテスト走行で効果を確認しています。 新型レーシングトラックは、菅原照仁氏がステアリングを握ります。

菅原義正氏が駆る車両は、前大会で菅原照仁氏がクラス優勝した車両をベースに改良。以前、リアボディの外板をドライカーボンパネルに変更するなどして約200kg軽量化した車両を、キャブ周辺でさらに軽量化。そのほか、オイルクーラーをリアボディ前端上部へ移設し、冷却性能を向上し戦闘力を高めました。

3. 日野チームスガワラについて・・・
日野は、菅原義正率いるチームスガワラと参戦当初より活動。1991年に、日本のトラックメーカーとして初めてダカールラリーに参戦。1994年に、トラック部門総合2位に入賞し、翌1995年も連続2位となりました。その後も、総合優勝を目標に体制を強化し、1997年のトラック部門総合で大会史上初の総合1、2、3位を独占する快挙を成し遂げました。その後も、トラック部門総合2位に3回入賞するなど、同部門におけるトップクラスのチームとして活躍を続けており、1996~2002年の間に設定された、排気量10リッター未満クラスでは、7連覇を達成しました。その後の2年間と2006年は同クラスが廃止されましたが、2005年、2007年、2010年、2011年には優勝を果たしており、2連覇中です。


1) 戦歴 :
トラック部門総合優勝1回(1997年)、同部門2位5回(1994, 1995, 1998, 2001, 2005年)
同部門排気量別クラス優勝11回(クラス設立12回中)

2) 選手

日野チームスガワラ 公式ウェブサイト
http://www.hino-global.com/j/dakar/index.html
http://www.teamsugawara.jp/


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