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航空業界の主要ニーズを満たす画期的な材料ソリューションを発表【SABIC】

2011年10月20日

SABIC、中国国際通用航空大会2011で航空業界の主要ニーズを満たす
画期的な材料ソリューションを発表

SABICイノベーティブプラスチックス(以下SABIC)は2011年10月13日から16日まで中国陝西省西安にて開催された航空機関連展示会「中国国際通用航空大会2011」に出展し、航空業界のニーズを満たす高機能熱可塑性樹脂、シート、フォームおよびコンポジット製品および軽量化、法規制遵守、環境特性、飛行全般にわたる向上等、航空機メーカーが直面するソリューションの提供を焦点に紹介した。SABICはこれらの革新的な製品と先進材料技術の幅広いポートフォリオにより重量最大50%削減、厳格なFST(難燃、発煙、毒性)規制準拠、全体システムコストの低減、そして客室環境の安全性と快適さの強化等で世界の航空機OEM顧客を支援する。SABICは製品ラインアップの継続的拡張により航空業界への世界的サプライヤーとしてリーダーシップを強化し、多用途性に富んだ高機能樹脂の可能性を示していく。

SABICイノベーティブプラスチックス、中華圏担当本部長のピーター・チャンは、「元来ダイナミックな航空業界は、常在するコスト管理問題を含む複数の課題に対応する柔軟かつ最上位のソリューションを求めています。SABICの継続的な革新的材料技術への投資および常に航空業界顧客と緊密に協働していく姿勢により航空業界の持つ課題解決に貢献することが出来ます。また、今回中国でこれからの宇宙時代にも活用できる次世代航空機向け最新熱可塑性樹脂材料を紹介できることを誇りに思います。」とコメントした。

主な展示製品および主要用途

• Lexan* XHRシート : 新しい座席外装材、窓グレージング、窓枠装飾
• Ultem*フォーム : 頭上荷物入れ、ギャレー、壁板
• Ultem樹脂を成形したCrane & Co.社製熱可塑性複合航空宇宙用ボード(CAB) : 側壁、コックピット用パネル、天井パネル、ドア張り、仕切り板
• Ultem樹脂 : 座席用パッド、緩衝材、防火製品

SABICはこれらのソリューションにより主要プロバイダー顧客と共に変化を続ける業界基準の先を行くための支援を継続する。

航空機内装部品を軽量化へ導く

航空機は搭載荷重1kg増につき平均毎時0.03kgの燃料を必要とする。旅客機の年間飛行時間約57百万時間中1フライトにつき1kg削減すると燃料は年間約1,700トン、二酸化炭素(CO2)排出量は年間5,400トン削減可能になる1

SABICの航空機内装用高機能軽量材料は燃費および排出量削減に大きく貢献できる可能性を持つ。例えば座席フレーム材料を従来のポリ塩化ビニル(PVC)/アクリル製品からLexan F6000ポリカーボネート(PC)シートに代替すると190席旅客機の重量を約23%(53kg)削減が可能になる。
SABICの新しいLNP* Thermocomp* EC006PXQおよびEC008PXQスペシャルティーコンパウンド製品は、Ultemポリエーテルイミド(PEI)樹脂技術を基としそれぞれ30%および40%炭素繊維を充填したもので、卓越した剛性と流動性により高機能の薄肉形成部品製造を可能にし、構造部品用航空機用途用ダイキャストアルミニウムを代替することにより大幅な軽量化および強度を最大40%向上する。SABICでは先日2つのスペシャルティーコンパウンドを最適化設計し成形した機内食事用テーブルアームの機能実証調査を完了し、結果アルミ製部品と比較して部品重量を最大46%、製造コストを77%削減した。SABICは将来的な他の用途として、構造支柱、肘掛け、フットレスト、コーヒーメーカー筐体等ギャレーでの使用を想定している。

SABICのPEI樹脂技術を最大限活用したUltemフォームは、従来のプラスチック製品比最大10~20倍軽い硬質連続気泡発泡コア製品で、防音性、低吸湿性、高熱特性、および熱硬化性樹脂や金属積層材との加工が必要な複合材料用途でのコア材料として使用可能、また、コンポジットシステムの一部としてフェノールプリプレグや金属等の装飾用フィルムまたは表層部に使用することができる。将来的な用途には輸送機関の床材、側壁や天井パネル等が想定され、またUltemフォームを機械加工、真空バッグ成形、圧縮成形、熱成形することによりシステムコスト削減を可能にする。

さらに、SABICの高技術製品Lexan XHR(超低放熱)6000シートは、従来のPVC/ポリメチルメタクリレート(PMMA)製品比最大12%減の優れた軽量化を実現、燃費削減に寄与する。航空機用座席およびインテリアの大手ソリューションプロバイダであるGeven S.p.A.社は、Giugiaroがデザインしたカリビアン航空の「Armonia」インテリアの新しい座席用にLexan XHRシートを採用、最大座席重量に9kgの制限がありこの課題を解決するためSABICの高機能材料を採用するに至った。

材料が可能にする最高のフライトコンプライアンス、デザインと耐久性

SABICのハイエンド熱可塑性樹脂製品は、競合製品を上回る優れた機能に加え長い耐用年数や規制遵守等、世界中の航空機設計者に将来を見据えた他の多くのメリットを提供、製造OEM顧客はSABIC製品採用により最大級の快適さと乗客へのアピール提供と共に高レベルの安全とコスト管理を確保できる。

Lexan F2000Aシートは透明で、その非常に優れたFST機能および衝撃強度は2mmおよび3mmで米国規制FAR 25.853およびエアバス基準ABD0031に準拠し、透明性が求められる窓、散光器やサイン等の用途に適し、またドイツ基準DIN/VDE 0472パート815適合の環境に配慮した難燃性を備えている。

Extem* UP熱可塑性ポリイミド(TPI)樹脂は、相対熱指数(RTI)240°CでUL 746B基準を満たす難燃性かつ超高耐熱材料で、所定の機械および電気特性を10年間以上保持可能である。またExtem UP樹脂は、200°C下で無充填ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)比最大5倍の曲げ強度と最大5倍の剛性を持ち、また熱膨張係数についても無充填PEEK比最大30%低い特性を持つ。

Crane & Co.社が開発製造したUltem CABシートは、熱硬化性アラミド繊維強化ハニカム複合材を代替する優れた製品で、短時間での熱成形が可能かつ幅広い数々の高機能特性を持つ。またリサイクルが可能、FAA規制に準拠した機能を維持しながらこの新開発の装飾フィルム層により製品寿命を伸ばすことができる。

SABICの航空機内装製品に関する詳細は、www.sabic-ip.comをご覧ください。
技術関連のお問い合わせに関しては、次のサイトからご連絡ください。
www.sabic-ip.com/prtechinquiry

* SABICイノベーティブプラスチックスIP BVの商標です。
1  Enviro.aeroは商業航空業界団体のAir Transport Action Group (ATAG)によって設立された情報ウエブサイト。ATAGはスイス・ジュネーブを本部とする航空輸送産業全分野を代表する唯一の国際協会団体で、グローバル社会における航空産業の持続可能な成長促進を目的とする。

写真:Geven S.p.A.、社製カリビアン航空の最新航空機「アルモニア」向け内装座席に
SABICイノベーティブプラスチックスのLexan* XHRシートを採用

航空機用座席およびインテリアの大手ソリューションプロバイダであるGeven S.p.A.社は、Giugiaroがデザインしたカリビアン航空の「Armonia」インテリアの新しい座席用にLexan XHRシートを採用、最大座席重量に9kgの制限がありこの課題を解決するためSABICの高機能材料を採用するに至った。Lexan XHRシートは厳格な耐火、低煙、放熱およびエアバス低毒性基準を満たし、また従来のポリ塩化ビニル/アクリル製品に比べ熱成形による優秀な加工性と軽量性の面で優れている。


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