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高い実用性を備えたスタンダードモデルの追加でラインナップを強化 カルニュー精密屈折計「KPR-300」を発売【島津製作所】
2015年10月20日
掲載されている内容はすべて発表日当時のものです。その後予告なしに変更されることがありますのであらかじめご了承ください。
島津製作所は、レンズやガラスといった透明サンプルの屈折率を±4×10-5の精度で測定できるカルニュー精密屈折計「KPR-300」を10月20日に発売します。(※)
本製品は、スタンダードモデルの機種で、当社独自の測定方式であるVブロック方式を採用しており、優れた精度と再現性で屈折率の測定を行うことができます。これまで当社の精密屈折計を導入していなかったお客様に、主にガラス、レンズの量産時の品質管理用途でお使いいただくことを目指して展開していきます。
※カルニュー精密屈折計「KPR-300」は、㈱島津製作所100%出資のグループ会社である㈱島津デバイス製造が開発・製造する製品です。また、「カルニュー」は、㈱島津デバイス製造が保有するブランド名です。
【開発の背景】
近年、レンズやミラーなどの光学素子や、その材料となる光学素材の高機能化・高性能化が進んでいます。また、これらの光学素子が搭載される分野も、カメラやスマートフォンを始め、車載カメラやヘッドアップディスプレイのような用途で需要が拡大しており、研究開発時だけでなく量産時においても屈折率測定の必要性が高まっています。当社は、研究開発を主な用途とする高精度・多機能な「KPR-3000」と手動で測定を行う「KPR-30」という2種の精密屈折計を扱っていましたが、使用現場の多様化にともない、品質管理などの用途に適した機種を追加して顧客ニーズに応えることが急務でした。
今回ラインナップに加えたカルニュー精密屈折計「KPR-300」は、再現性に優れた独自の測定方式であるVブロック方式を採用しており、日本光学硝子工業会が定める規格JOGIS 01-2003が要求する光学ガラスの屈折率測定精度である±4×10-5を満たしています。また、試料室のカバーを跳ね上げ式にしたことで、サンプルのセットや位置確認がしやすくなりました。3波長での屈折率自動測定や、アッベ数の自動算出も可能であり、屈折計として高い実用性を備えています。
本製品は、成形条件で屈折率や分散などが変化するガラスモールドレンズや、スマートフォンなどに使用される直径3mm・厚さ1mm程度の小径レンズを始めとする機能性ガラス、機能性樹脂の品質管理など、より製造現場向けの用途で拡販を図ります。
【新製品の特長】
1. Vブロック方式による高精度測定と3波長での自動測定
本製品は、当社独自の測定方式であるVブロック方式を採用しています。この方式は、測定の際に必要となるサンプルの研磨といった加工にかかる手間を抑えることができ、精度と再現性に優れた測定を実現します。また、±4×10-5という測定精度は、日本光学硝子工業会の規格を満たしており、d線(587.56nm)・C線(656.27nm)・F線(486.13nm)という色収差の補正に必須な3種の波長の屈折率を自動測定することができます。光学材料の品質管理を主な用途とする装置として、屈折率や波長分散特性の把握に不可欠な測定能力を備えています。
2. ハードとソフトを両面から見直したことによる操作性の向上
制御用のソフトウェアのデザインやレイアウトを見直し、操作性を向上させました。製造現場付近で頻繁に使用されるスタンダードモデル用のソフトウェアとして、様々なユーザの使用を意識したユーザーインターフェイスを採用しています。また、ハード面においては、跳ね上げ式の試料室カバーを採用したことで、サンプルのセットや位置の確認が容易になりました。
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