ニュース

自動変速機向け遊星歯車機構用「世界最小ころ スラストニードル軸受」を開発【日本精工】

2015年10月15日

~摩擦損失の低減により燃費向上に貢献~

日本精工㈱(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 内山 俊弘、以下NSK)は、自動車の自動変速機として広く普及している多段変速機(以下ステップAT)に使用される遊星歯車(プラネタリ)機構※ 向けに「世界最小ころ スラストニードル軸受」を開発しました。

ステップAT用遊星歯車機構部には、ワッシャ(すべり軸受)が使われておりますが、この摩擦損失の低減が課題となっていました。NSKは、直径Ø1mm×長さ1.8mmの世界最小のころを開発し、ワッシャからスラストニードル軸受への置き換えを可能にしました。これにより摩擦損失を大幅に低減することが出来ました。

NSKは、本製品によりステップATの効率を高め、自動車の燃費向上に貢献し、2020年に年間18億円の売上を目指します。

※プラネタリ機構 : 複数の歯車の自転や公転を組み合わせて、エンジンから自動変速機に入力された力の効率を高める機構。


開発の背景

近年、グローバルに自動車の燃費向上が求められており、変速機の効率向上が進んでいます。 なかでもステップATは、多段化により変速機の効率を高められるため、広く普及しています。

ステップATの多段化に伴いプラネタリ機構が増加します。プラネタリ機構の構成部品であるワッシャ(すべり軸受)の個数が増加するため、この摩擦損失の低減が課題となっていました。

今回、NSKはワッシャ(すべり軸受)から同じサイズで置き換え可能なスラストニードル軸受を開発 しました。本製品は摩擦損失の低減を可能とし、更に高速回転環境下における耐久性を向上させました。

本開発品の特長

1. 摩擦損失の低減
ワッシャに比べて、摩擦損失を70~80%低減しました。

2. 周辺部品寸法の変更を最小限に抑える
直径Ø1mm(長さ1.8mm)の世界最小のころと板厚0.2mmのレースを組み合わせることで、ワッシャと同じサイズで置き換えが可能になります。

3. 高速回転環境下での耐久性向上
樹脂保持器内周側に潤滑穴を設け、 高速回転環境下での潤滑性を確保しています。 そのことにより、耐焼付き性が向上しました。


本製品の効果

本製品は、ステップATの高効率化に寄与し、自動車の燃費向上に貢献します。



プレスリリース記載の情報は報道発表日時点の情報です。
予告なしに変更され、ご覧になった時点と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。








日本精工株式会社ホームページはこちら

キーワードをクリックして関連ニュースを検索

#日本精工
#軸受
#2015年10月15日