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ランクセス、バイオ原料を使用したエチレン・プロピレンゴム(EPDM)を世界で初めて製造【ランクセス】

2011年9月30日

ドイツの特殊化学品メーカーのランクセス(LANXESS)は、バイオ原料を使ったプレミアム合成ゴム製造への取り組みを強化しており、年末までにバイオエチレンを使用したエチレン・プロピレンゴム(EPDM)の商業生産開始を目指します。これはバイオ原料から製造される世界初のEPDMとなります。

通常、EPDMは石油系原料であるエチレンとプロピレンから製造されています。今回、ランクセスは、石油系原料の代替として、再生可能な原料であるサトウキビで製造されたエチレンを使用する予定です。このバイオエチレンは、ブラジル産のサトウキビからエタノールを脱水させることによって生成されます。ブラジルのブラスケム社(Braskem S.A.)が、トリウンフォにあるランクセスのEPDM工場にパイプラインを経由しバイオエチレンを供給します。

ランクセスのテクニカルラバープロダクツビジネスユニットの責任者を務めるギュンター・ヴァイマンスは次のように述べています。「化石燃料の代替品の探求は、持続可能な製造を通して二酸化炭素排出量の削減を目指すランクセスの取り組みを明確に示すものです。ランクセスのブラジル工場が、バイオEPDM製造の最先端を担うことを喜ばしく思います」

ブラスケム社の再生可能化学品事業部長であるマルセロ・ヌメス氏は次のように述べています。「ランクセスは、ブラスケム社が持つ再生可能化学品の顧客向け用途をさらに拡大してくれるでしょう。この合意は、今までにない重要な用途や市場にも、環境に優しいエチレンの恩恵をもたらします。ランクセスは、自動車産業で広範囲な経験と高い評価を得ている理想的なパートナーです」

トリウンフォ工場では現在、EPDMを年間40,000トン製造しています。そしてバイオエチレンを使用した数百トンの「ケルタン エコ(Keltan(R) Eco)」の初の製造が予定されています。ランクセスはヘレーン工場(オランダ)、マール工場(ドイツ)およびオレンジ工場(米国テキサス州)でEPDM を製造しています。将来、EPDMの全グレードは「ケルタン(Keltan)」の商標名で販売されます。

EPDM は、主に自動車業界で使用されていますが、プラスチックの改質用途や、ケーブルおよびワイヤー、建築、オイル添加剤などの用途でも使用されています。低比重、耐熱性、耐酸性、耐薬品性、耐候性、電気絶縁性などの卓越した特性を備えています。ランクセスは9月21日にドイツのデュッセルドルフで開催された「Rubber Day Germany」で、「ケルタン エコ」を初公開しました。

さらにランクセスは、主にタイヤ産業で使用される合成ゴムの、ブチルゴム製造のための代替資源についても研究を進めています。コロラドに拠点を置くGevo(ジーヴォ)社と協力し、ブチルゴムの主要原料であるイソブテンを、トウモロコシをはじめとした再生可能な資源から製造する開発を進めています。

昨年、ランクセスは、酸化鉄顔料を製造するポルト・フェリース拠点(ブラジル)において、新しい自家発電所の稼働を開始しました。電気と蒸気を供給する革新的かつ高効率なこのコ-ジェネレーション(熱電併給)設備は、エネルギー源にサトウキビから砂糖を製造する過程で排出される繊維状の残渣、バガスを使用します。この再生可能な環境に優しい原料により、発電所のCO2排出量はサトウキビが光合成で大気中から吸収するCO2と実質同じになるため、発電所で生産されるエネルギーはカーボンニュートラルになります。

これは、ドイツ・レバクーゼンで9月21日に発表されたリリースをもとに、ランクセス株式会社が発表したものです。この原文(英語)は、以下のURLにてご参照下さい。
http://www.press.lanxess.com

ランクセスについて

ランクセスは、世界30カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2010年の総売上は71億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 15,800人、世界中に46の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI World)」および「FTSE4Good」の構成銘柄です。
ランクセスについての詳細は同社URLにてご確認下さい。www.lanxess.co.jp


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