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自動車エンジンベルト アイドラ・テンショナ用「高速高密封シール付き玉軸受」を開発【日本精工】

2015年7月1日

~ 耐高速性と密封性の両立により、信頼性を向上 ~

日本精工㈱(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 内山 俊弘、以下NSK)は、自動車エンジンベルト用アイドラ・テンショナプーリに使用される、耐高速性と密封性を両立した「高速高密封シール付き玉軸受」を開発しました。

本製品は、従来のシールを改良することにより、耐高速性と高密封性を両立しました。本製品は、使用環境の厳しい市場における自動車の信頼性向上に貢献します。

NSKは、本製品の売上として、2020年に10億円を目指します。
*アイドラ : 自動車エンジン用補機ベルトの巻き付け角、レイアウトを自在に調整する部品
*テンショナ : 自動車エンジン用補機ベルトのベルト張力を適切に保つための部品

開発の背景

近年、燃費向上のためエンジンの小型化がグローバルに進んでおります。このため、アイドラ・テンショナ用軸受には、プーリ小径化に伴う高速回転への対応が求められています。
一方で、新興国市場の自動車需要が増えております。この地域では、使用環境が厳しく、水やダストなどがエンジンに掛かることが多くなっています。アイドラ・テンショナプーリは、エンジンルーム前方に位置します。そのため、アイドラ・テンショナ用軸受には高密封性も求められています。
従来の高速シールは、高速回転で増大する遠心力の影響を抑制する形状になっています。しかし、剛性が高い形状の為、反力変動が大きく、シールリップ部にすきまが発生し易い状態となっており、密封性の向上が課題となります。
一方、従来の高密封シールは、シールリップを柔軟にすることで、追従性を高め、密封性を高めています。しかし、高速回転では、反力が大きく変動し、シールリップがダメージを受ける懸念があります。
そこで、シール形状を最適化することによって、耐高速性と高密封性を兼ね備えたアイドラ・テンショナ用軸受を開発しました。

本製品の特長

1. 耐高速性の実現 : 従来の高速シールと同等の耐高速性を確保
  シールリップの重心位置を最適化する形状を採用し、高速回転に伴い増大する遠心力のシールリップへの影響を抑えました。
  これにより、シールリップの挙動が安定し、耐高速性が実現しました。
2. 高密封性の実現 : 従来の高密封シールの 2 倍以上の密封性を達成
  シールリップを柔軟性の高い形状とすることで、反力変動を抑制しました。これにより、シールリップの接触状態が改善され、
  異物の侵入を抑制します。
  また、シールと軸受部品(内輪)との間にラビリンスを形成し、外部から異物の侵入を抑制します。
3. 製品の効果
  本開発シールは、使用環境の厳しい市場におけるアイドラ・テンショナ用軸受の信頼性を向上しました。




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