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自動車工場等の環境負荷低減と生産性向上に寄与する水処理薬品「新クリスタックシリーズ」を開発【栗田工業】

2015年6月29日

自動車工場等の環境負荷低減と生産性向上に寄与する水処理薬品
「新クリスタックシリーズ」を開発
~自動車塗装ブース向け薬品のラインナップを拡充し、事業展開を強化~


栗田工業㈱(本社:東京都中野区 社長:中井 稔之)は、自動車産業のお客様の課題解決をさらに推進するため、自動車工場等の塗装ブースで使用される水処理薬品「クリスタックシリーズ」の新商品を開発し、国内や海外の自動車およびその部品工場向けに本格販売を開始します。

自動車を塗装する工程(塗装ブース)では、霧状にした塗料(塗料ミスト)を車体に噴き付けて塗装しています。余剰の塗料ミストは、空気を吸引して降下させ、カーテン状に流した水の膜に衝突させることで捕集し、外気への塗料の放出を防ぎます。そして、塗料を捕集した水は水処理薬品を添加して塗料を分離することで、循環水として再利用しています。
しかしながら、水処理薬品の効果が不十分な場合、水に捕集された塗料が原因で様々な問題が発生します。例えば油性塗料は粘着性を持つため、循環水の配管や水槽、ポンプなどの設備に付着し閉塞することで循環水量が低下し、空気中の塗料ミストを安定除去できなくなるため、塗装不良や生産ライン停止など重大なトラブルにつながります。また、水から分離した塗料の塊も粘着性が高く清掃作業や廃棄コストの増加をもたらします。一方、水性塗料は粘着性はありませんが水に溶けやすいため塗料が分離できずに循環水中に蓄積したり、 塗料の成分が空気をとりこみ水槽などで激しく発泡することで、生産ラインの停止や工場の総合排水処理への負荷増大などを引き起こす懸念があります。このようなことから、塗料と水の分離効果をさらに高める水処理薬品が必要となります。

当社では現在までに、自動車塗装ブース薬品「クリスタックシリーズ」をラインナップしてお客様の課題解決を行ってきました。近年、お客様は環境負荷低減や生産性向上への取り組みを強化され、それに伴い塗装ブースの構造や塗料の種類も変化する中で、水処理の技術にも進化が求められています。また、多様化するお客様のニーズに応じて水処理薬品も様々な機能を有することが不可欠となってきました。このような背景から当社では新たな技術開発に取り組み、このたび「新クリスタックシリーズ」として4つの新商品の開発に成功しました。
新シリーズは、当社従来商品と比べ油性塗料に対する不粘着効果や水性塗料に対する塗料捕集性能を大幅に高めることで、薬品使用量を抑えてコストメリットをご提供するとともに、より安定的な処理を実現できます。また、油性・水性どちらの塗料にも効果を発揮する商品や、小中規模塗装ブース向けの商品なども取り揃え、お客様の課題に幅広く対応することが可能になりました。さらに、「新クリスタックシリーズ」の商品を組み合わせることで、排水せずに循環水の水質を維持することができ、「排水できない」「排水したくない」といったお客様の要望にもお応えします。

成長が続く自動車産業において、環境負荷の低減と塗装の生産性向上のニーズは更に高まると予測されます。当社は、これまで培ってきた技術・ノウハウと豊富な商品ラインナップを活かし、塗装ブースから発生する塗料含有水の処理性能を向上させることで、お客様の生産ラインの安定操業に貢献していきます。
これにより当社は、3年後には新クリスタックシリーズの売上高12億円を目指してまいります。


新クリスタックシリーズ(このたび、開発した4商品)


*塗装ブース内での水処理








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