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持続的成長を支える「競争力のある工場」づくりを推進【トヨタ自動車】

2015年4月15日

-メキシコで新工場を建設、中国で生産ラインを新設-

トヨタ自動車㈱(トヨタ)は、メキシコで新工場を建設し、中国で生産ラインを新設することを決定した。今回、メキシコ新工場・中国新ライン共に、「シンプル&スリム」、「フレキシブル」をキーワードに、伸縮自在ライン、床置き可能な小型設備のほか、コンパクトな塗装ブースなど、革新的な生産技術を可能な限り盛り込むと同時に、より安全で環境に優しい工場づくりに取り組む。これらの投資は、単なる「量を求めた工場づくり」から「競争力のある新しい工場づくり」に発想を大きく転換するものである。

トヨタはこれまで、あえて工場の新設を凍結し、既存工場の能力を最大限有効活用する取り組みやモデル切り替え時の設備投資額の低減を進めるとともに、工場投資の画期的な低減策の策定などを推進してきた。その結果、既存工場の稼働率はグローバル全体で90%を超えるまでに向上したほか、工場の建屋や設備を中心とする初期投資部分については、2008年当時と比較して約40%低減できる目途がつきつつある。

トヨタは、今後の世界の自動車市場の安定的な成長を見込む中、既存工場の能力の使い切りが着実に進んでいること、新たな生産技術の革新に目途がつきつつあることを受け、これらの技術を実際のラインに導入することでさらなる技術革新に繋げることなどを目的に、本決定を行った。

トヨタ社長の豊田章男は、「今回の新工場や新ラインは、トヨタの知恵と工夫を結集したものになる。トヨタは単なる『量を求めた拡大』と決別し、『もっといいクルマづくり』やそれを支える人材育成を通じ、持続的成長を図っていく必要がある。今回の取り組みは、トヨタの真の競争力強化における重要な試金石となる」と述べた。


Ⅰ. メキシコでの新工場建設
今後中長期的に緩やかな成長が見込まれる北米市場の動向を踏まえ、北米全体の競争力の更なる強化のため、北米生産体制を再編する。その一環として2019年にメキシコで新工場を設立し、カローラを生産する。新工場ではグローバルのモデルケースたりうる、Toyota New Global Architecture(TNGA)を前提とした全く新しい工場づくりと仕事の変革にチャレンジする。

1) 北米生産体制再編
今後、高品質で魅力あるクルマを一層効率的に供給できるようにするため、ボディタイプや車両サイズごとに北米生産の体制を再編していく。その一環として、カローラの生産をカナダ工場から新工場に移管。コンパクトモデルは、新工場およびカローラを継続生産する米国ミシシッピ工場で生産する。
カナダ工場ではカローラ生産に代え、ミッドサイズモデルを2019年から生産することで、米国インディアナ・ケンタッキー両工場とあわせ、ミッドサイズモデルの生産に集中することを検討する。

2) TNGAを前提とした新しい工場づくり
新設工場としては初めて、統一設計による主要部品のモジュール化や共用化による車両モデル切り替え時の設備投資額の大幅な低減を目指すなど、TNGAによるメリットを最大化できる工場づくりを行う。そこでの「賢いクルマづくり」を他地域・工場にも展開する。


Ⅱ. 中国での能力増強
多くの自動車メーカーが参入し、世界最大市場となっている中国において、今後も着実に成長していくために、既存ラインの更なる競争力向上と今後の需要への対応が必要と判断。広汽トヨタ自動車有限会社(以下、GTMC)において、2017年末までに既存ラインの再構築と新ライン建設を行うことで、将来のTNGA導入を念頭においた競争力の高い工場づくりに取り組む。あわせて、既存の調達基盤の有効活用、GTMC内の研究開発センターでの原価低減推進など、生産・調達・開発が三位一体となった取り組みを行う。

1) 既存ラインの再構築
GTMCの既存の第1・第2ラインにおいて、ラインごとの生産車種をサイズに応じて再整理するとともに、TPS改善や更なる品質向上、自動化などのライン再構築により生産性向上を行う。

2) 新ラインの建設
既存ラインの再構築により生産性を向上、GTMCの現在の人員規模で、新たな第3ラインを立ち上げる。既存ラインでの生産性向上の取り組みの織り込みと、革新的な生産技術の導入により、競争力の高い工場づくりを行っていく。また、既存ラインの近接地という地の利を生かした既存設備の有効活用と、将来の能力拡大を視野に入れた、賢い工場づくりを行う。


<決定概要>

<ご参考 : 現在のメキシコ・中国生産事業概要>








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