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高強度コネクティングロッド用鋼がトヨタ「オーリス」の新型ターボエンジンに採用拡大【愛知製鋼】

2015年4月7日

高強度コネクティングロッド用鋼がトヨタ「オーリス」の新型ターボエンジンに採用拡大
~自動車の燃費改善に貢献~


愛知製鋼㈱(本社:愛知県東海市、社長:藤岡高広)は、高強度でありながら現用鋼と同レベルに削り易く、部品の大幅な軽量化と良好な生産性を実現し、自動車の燃費改善に貢献する高強度コネクティングロッド(以下、コンロッド)用鋼をトヨタ自動車㈱(以下、トヨタ)と共同で開発し、このたび、トヨタ新型ターボエンジンに採用された。

自動車の燃費規制は、世界各国で年々厳しくなっており、エンジンの高効率化が求められている。
エンジンの運動部品であるコンロッドは、軽量化により、部品自体の質量低減だけでなく、部品の慣性力、摩擦損失などの低減による、周辺部品への波及効果が期待できるため、軽量化ニーズが高い部品である。

コンロッドの軽量化には高強度化が必要であるが、従来、高強度化により削り難くなってしまうことが課題であった。
このたび、鋼材から鍛造まで一貫したプロセス開発により、鋼の組織の最適化とバナジウム(V)炭窒化物の析出制御による強化量の最大化を組み合わせることが可能となり、世界最高レベルの強度と現用鋼と同等の削り易さの両立を達成した。
この開発鋼の採用により、従来の同等排気量クラスのエンジンのコンロッドに比べ15%程度の軽量化を達成し、自動車の燃費改善に貢献した。

開発鋼は、4月6日から発売された“オーリス”(エンジン型式:8NR-FTS)に新たに採用。これまでもターボエンジン搭載の“LEXUS NX200t”(エンジン型式:8AR-FTS)のほか、自然吸気エンジンでも“LEXUS RC F”(エンジン型式:2UR-GSE)が採用している。

愛知製鋼は今後もCO2削減につながる軽量化技術の開発に取り組み、地球温暖化防止に貢献していきます。


【製品概要】
1. 特徴 : 世界トップレベルの高強度化と現用鋼と同等の削り易さを両立

2. 開発のポイント : ①フェライト組織分率の最適化
          ②バナジウム(V)炭窒化物の析出制御による強化量の
           最大化

3. 用途 : コネクティングロッド

4. 製造 : 愛知製鋼㈱知多工場

5. 特許 : 国内外に申請中

6. 販売目標 : 30億円/年


<参考資料>
用語の説明
フェライト組織 : 鋼の金属組織の一種であり、炭素量が少ない場合に多く見られる組織。
パーライト組織 : 鉄と炭素の化合物であるセメンタイトとフェライトの層状組織であり、硬質な組織。

図1. 開発鋼の金属組織


図2. 開発鋼の位置づけ








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