インスツルメント・クラスタ向けにスケーラブルなマイコン「RH850/D1xシリーズ」を発売【ルネサスエレクトロニクス】

2015年2月20日

～ゲージ制御、グラフィックス表示、機能安全を1チップで実現しシステムコストも削減可能～

ルネサスエレクトロニクス㈱（代表取締役会長兼CEO：作田久男、以下ルネサス）は、このたび、インスツルメント・クラスタ向けに車載用32ビットマイコン「RH850/D1xシリーズ」7グループ22品種を開発し、本日よりサンプル出荷を開始いたします。

新製品は、今後普及が見込まれるカラー液晶搭載のインスツルメント・クラスタ向けに、「V850/Dシリーズ」のゲージ制御を継承しながら、グラフィックス性能を強化し、機能安全を1チップで実現することで、高品位なカラー液晶表示とシステムコスト削減を同時に実現可能な製品です。

新製品の量産は、2016年4月より開始し、2018年4月には月産400万個を計画しております。新製品のサンプル価格はRH850/D1M2Hが10,000円となっております。

近年、カラー液晶パネルの普及に伴い、グラフィックスを多用し、表現力・視認性が向上したカラー液晶搭載のインスツルメント・クラスタが多くの車輌へ搭載され、カラー液晶パネルの大きさにあわせてエントリクラスからミッドレンジクラスを含め、幅広い製品が展開されています。また、車輌の電気化・IT化に伴い、車輛情報、カメラやマルチメディア等の情報をドライバにわかり易く、見やすく伝達するニーズが高まっています。

ルネサスは、インスツルメント・クラスタ向けマイコンでワールドワイドシェアNo.1の経験と実績を活かし、エントリクラスからプレミアムクラスまで全てをカバーし、それぞれの車種の個性にあわせてゲージ、グラフィックス、ヘッドアップ・ディスプレイ等を使って、的確な情報を適切なタイミングでわかりやすくドライバへ提供できるシステムを提案します。

新製品のRH850/D1xシリーズでは、ボリュームゾーンであるエントリクラス・ミッドレンジクラスに向けてゲージ制御、グラフィックス表示と機能安全を1チップで実現し、システムコストを低減し、開発容易性を高めた高信頼度のカラー液晶搭載のインスツルメント・クラスタ・システムを提供いたします。

本製品の特長は以下の通りです。

（1）BOMコストの低減
大容量RAM（3.5MB）を搭載するとともに、RAM使用量を低減するルネサス独自の新開発したグラフィクス表示エンジンと組み合わせて使うことにより外部DRAM無しで高精細な液晶表示機能を実現しました。また、外部に高速DRAMを不要とすることにより、4層基板など安価な基板へ実装を可能にしました。

（2）開発コストの低減
ゲージ制御や車載通信といった基本機能と表示する液晶パネルのサイズの組み合わせにより7グループ22品種のラインナップを取り揃えました。ラインナップを通じソフトウエアの流用性を高めることでインスツルメント・クラスタ・システムのプラットフォーム化を容易に行うことができ、ソフトウエアの開発期間の短縮し、開発コストとメンテナンス・コストを低減することを可能にしました。

（3）開発の容易性
高機能グラフィックス描画エンジンを内蔵し、ミッドレンジで必要とされる大型・高精細（WVGA）の液晶パネルにグラフィクスを描画しまた、ヘッドアップ・ディスプレイへの表現力・視認性を向上させました。このグラフィクス描画エンジンはOpenVG1.1に準拠しており、標準APIをサポートしているHMI（Human Machine Interface）開発ツールを導入することにより開発期間の短縮を可能にしました。

（4）ヘッドアップ・ディスプレイへをサポート
フロントガラス等の局面にあわせて、画像の遅延なしに自動的に任意の形に画像を変形・補正する機能を搭載し、インスツルメント・クラスタにヘッドアップ・ディスプレイ機能の追加を可能にしました。

（5）機能安全
インスツルメント・クラスタ・システムの機能安全を実現するために、システムの誤動作を検出する機能、ワーニングやギア・ポジション等の重要な情報が正常に出力されていることを常に監視し、万が一異常が起こった場合にでも安全を確保できる表示機能を搭載しました。

新製品の主な仕様は別紙（114KB）をご参照ください。

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