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2014年12月欧州市場新車販売台数分析「12ヵ月連続の対前年比プラス」【JATO Dynamics】
2015年1月29日
■ 12月の欧州新車販売台数は、前年同月比+5.0%の99万台を記録、12ヵ月連続プラス。暦年では+5.3%の約1300万台を
記録。
■ Volkswagenが2014年欧州最量販ブランドの地位を維持。2位のFordに約65万台もの差をつける。
■ 2014年最も販売台数を伸ばしたブランドは、RenaultとDacia。
1．国別販売台数（2014年暦年）
2014年通年の欧州新車販売台数は、前年比+5.3%の約1300万台となりました。12月の販売台数は前年同月比+5.0%の約100万台を記録しました。調査対象国29ヶ国の内、24ヶ国で前年比プラスを記録。最も大幅な伸び率を記録したのが、ポルトガル（+33.5%）、アイルランド（+29.7%）でした。また最も販売台数を伸ばしたのは、英国、スペインでした。その他の主要5ヶ国ではフランス（+0.3%）、ドイツ（+2.9%）、イタリア（+4.4%）が前年比増を記録。ただフランス市場の成長は+0.3%と微増にとどまり、12月には前年同月比-6.8%とマイナスとなっています。
2．ブランド別販売台数（2014年暦年）
販売ランキングのトップ10ブランド全てが、暦年で販売台数を増やしました。Volkswagenが160万台超えを記録し、若干シェアを低下させたものの、2位のFordに約65万台の差をつけ2014年も欧州最量販ブランドの地位をキープしました。 続いて3位にはOpen/Vauxhall、4位はPeugeot、5位にRenaultが其々ランクインしました。Renault は12月単月では2位につけており、また小型クロスオーバーCapturや4代目Clioの好調な販売が寄与し、通年では前年比約7.3万台のプラスと、欧州で最も販売台数を伸ばしたブランドとなりました。トップ10圏外ブランドでは、Daciaが前年比+24.6%の72,057台を記録し、姉妹ブランドであるRenaultに次いで、欧州で最も販売台数を増やしたブランドとなっています。その他、三菱が約10万台超えの前年比+24.4%を記録しました。好調な販売の牽引役となったのは、小型車のSpace Star/Mirage、SUVのASXとOutlanderでした。ASXは2014年比+33.5%の35,319台、Outlanderは+30.1%の33,735台のセールスを記録しています。Jeepは前年比+67.9%の4万台超え。新型やモデルチェンジした車種への需要が旺盛で、特にCherokee、Renegadeが好調でした。Teslaは約9,000台で、前年に比べ+121.2%と大きく販売を伸ばしました。欧州における販売拠点の拡充も進み、また電気自動車のModel Sがようやく市場に広く受け入れられるようになってきています。またMaseratiは前年比+267.7%でした。これはニューモデルGhibliや最新のQuattroporteが、同ブランド初のディーゼルエンジンを搭載したことも大きな誘因となって、新しい顧客を引き付け、大きな伸びを記録したことによります。MGも新型MG3がブランドの魅力を高め、+357.6%と高水準の伸びを記録しました。
3．モデル別台（2014年暦年）
モデル別では、Volkswagen Golfが前年比+11.1%を記録し、2014年欧州最量販モデルとなりました。同モデルは欧州ベストセラーの地位を2008年以降、7年連続で守り続けています。激戦となった2位争いは、Ford Fiestaが前年実績を+5.3%とし、他を上回り2位にランクイン。3位にはRenault Clio、4位はVolkswagen Polo、続いてOpel/Vauxhall Corsaがランクインしました。ただ12月単月で見ると、ClioとPoloが4位となったFiestaを抜いて、それぞれ2位、3位の座を占めています。
年間ランキングのトップ10モデル中、前年比マイナスを記録したモデルはFord Focus（-0.6%）、Peugeot 208（-9.5%）のみでした。特に208は、12月のランキングでトップ10入りを逃しています。一方、同じPeugeotの新型308は良好な販売を維持しており、12月単月では+76.2%と大幅な伸びを記録、この結果からはマーケットにおける新型車への選好を読み取ることができるとともに、この308の好調がPeugeotブランドのセールスを支えています。12月には、Renault の小型クロスオーバーCapturが9位にランクインしており、小型クロスオーバーが顧客の有力な選択肢の一つとなっていることを改めて示しております。小型クロスオーバーへのマーケットニーズは、Open/Vauxhall Mokka、Peugeot 2008といった同セグメントの他モデルも、一年を通して力強い成長を見せている事実からも証明されています。
従来の5ドアハッチバックに加え、3ドアハッチバック、ワゴンタイプをラインナップに加えたSeat Leonは前年比+57.4%を記録しました。DaciaのSUV、Dusterは+46.1%を記録、また同ブランドのLoganの セダンとワゴンは+92.2%と大きく販売を伸ばしました。また、一昨年に第2世代へとモデルチェンジしたCitroen のMPV、C4 PicassoとGrand C4 Picassoは始めて通年のセールスを新型で迎え、前年に比べ+36.3%と良好な成績を残しました。その他の新型モデルで、前年に旧型が記録したセールスを上回ったモデルとして、Nissan Note（+94.2%）、Mazda3（+89.2%）、BMW X5 （+122.4%）が挙げられ、それぞれ大幅な販売増を記録しました。
JATO Dynamics社のデータ部門バイスプレジデントであるブライアン・ウォルターズは次のように述べています。「Volkswagen Golfが2014年も欧州最量販モデルの座を守りました。しかも7年連続でその地位を維持している事実は賞賛に値します。しかし、Renault Capturのような小型クロスオーバーが市場シェアを拡大してきていることに象徴されるように、市場は常に、新たな参入者に対してオープンであり続けています。また、2014年を通してマーケットがプラス成長を続けたことは、欧州において引き続き、消費マインドの改善が継続していることを示しているといえるでしょう」。
JATO Dynamics 社について
JATOは1984年に設立され、世界で最もタイムリーで正確な最新の自動車仕様装備・価格・登録販売台数・ニュース及びインセンティブに関するデータを提供しています。JATOは世界45カ国以上にリサーチ拠点を持ち、独自の市場情報を提供しています。JATOの顧客は、世界中の自動車メーカーであり、短期的な市場変動に対応するための情報と、長期的な開発計画や顧客ニーズに対応するための情報を提供しています。JATOのデータは、消費者向け自動車ポータルサイトでも利用されており、消費者が購入しようとするモデルの競合車に対する優位、不利な点を表示することが出来ます。
JATO社Webサイト ： www.jato.com
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