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車載用小型水晶振動子の商品化について【村田製作所】

2015年1月8日

要旨

㈱村田製作所は、2016サイズ(2.0×1.6mm)車載用水晶振動子*1(XRCGB-F-Aシリーズ) を商品化いたしました。当製品は、小型で高精度 (周波数許容偏差-/+30ppm、周波数温度安定性-/+35ppm) を実現した車載用小型水晶振動子です。

なお、当製品は2015年1月14日(水)~1月16日(金)に東京ビックサイトで開催される「国際カーエレクトロニクス技術展」にて展示いたします。

背景

当社は2009年、東京電波との共同開発品として水晶振動子の量産を開始し、2013年には自動車用水晶振動子XRCHA-F-Aシリーズ(2520サイズ)を16~24MHzの周波数範囲で商品化いたしました。

近年、自動車市場ではECUによる高度な制御が求められており、ECUの動作周波数の高周波化が進んでおります。そこで当社は、高周波へ対応可能な小型(2016サイズ)かつ高精度な車載用水晶振動子を開発・商品化し、自動車市場における高周波化のニーズに対応してまいります。

特長

既存の水晶振動子にはない世界初となる独自のパッケージ技術を用い、品質や量産性、コストパフォーマンスに優れています。さらに、水晶素子の設計を最適化することで自動車の一般的な動作温度 (-40~+125℃)における周波数温度安定性を最小で-/+35ppmにまで縮めることに成功し、Ethernet*2などの次世代車載LANや画像処理ECUにも対応可能としました。当製品は、車載電装部品の信頼性試験規格であるAEC-Q200*3に準拠し、RoHS/ELV指令にも対応しております。

用途

ADAS*4-ECU(カメラ、ミリ波、レーザーなど)
パワートレインECU(エンジンECU、AT、EPS、ESCなど)
ネットワーク(Ethernet、CAN、FlexRayなど)
Gateway ECU
画像処理ECU
他自動車用ECU全般

品番

XRCGB-F-Aシリーズ
例 : XRCGB24M000F3A00R0 (24MHz)
  XRCGB25M000F3A00R0 (25MHz)
  XRCGB27M000F3A00R0 (27MHz)
  XRCGB48M000F5A00R0 (48MHz)

電気的性能

代表周波数の電気的特性

外形寸法図

生産体制

2015年1月より富山村田製作所にて量産開始

用語説明

*1振動子
電子回路をつかさどるIC (マイコン) にクロック信号を送る部品。水晶の圧電特性を利用した振動子は「水晶振動子」と呼ばれ、精度が高い信号を送ることができる。
*2Ethernet
オフィスや家庭で一般的に用いられるLAN(Local Area Network)の規格。自動車用次世代LANとしても車両導入が進んでいる。
IEEE802.3で規定されている100BASE-TXやOPEN Alliance SIGが策定しているBroadR-Reach®などがある。
*3AEC-Q200
Automotive Electronics Councilが策定した、車載電装部品に求められる信頼性試験規格。
*4ADAS
Advanced Drive Assistance Systemの略。先進的運転支援システムとして、カメラやミリ波による車両周辺センシング技術と、エンジン、ブレーキ、ステアリング制御技術を組み合わせて安全性を高めたシステム。


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