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統合マイコン「RL78ファミリ」の車載用第一弾、「RL78/F12」を発売【ルネサス】
2011年9月6日
~キーレスエントリー等の車体制御用に、超低消費かつ高性能によりシステムの低消費電力化に貢献~
ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役社長:赤尾 泰、以下ルネサス)は、このたびキーレスエントリー、パワーウィンドウ、ミラーなどの車体制御分野向けに、システム低消費電力化と高機能化に貢献する16ビットマイコン「RL78/F12」32品種を製品化し、本日より順次サンプル出荷を開始します。
新製品は、業界で最小クラスの低消費電力、かつ高い処理性能をもつルネサス統合マイコン「RL78ファミリ」の車載向け「Fシリーズ」の第一弾製品です。「RL78ファミリ」は、8/16ビットのマイコン市場における当社既存の主力製品である「78K(78K0、78K0R)」と「R8C」の優れた技術を統合し、低消費電力かつ高性能な78K0RのCPUコアをベースにしたRL78 CPUコアと、豊富な周辺機能を搭載しています。このため、「RL78/F12」は、(1)当社従来製品比約1/10となる、スタンバイ電流0.7μA(注)を実現するなど、業界最小クラスの低消費電力によりシステム全体の低消費電力化を実現、(2)1.8Vの低電圧動作によりキーレスエントリー等の電池アプリケーションに効果的、(3)周囲温度150℃の高温動作対応によりセットの機電一体や高温環境化下での使用に貢献、(4)「機能安全」をサポートする豊富な診断機能搭載、などの特長を有しております。
量産は、2013年1月より開始し、2014年1月には合計で月産100万個を計画しております。サンプル価格は製品により異なりますが、例えば48ピンパッケージで、内蔵フラッシュメモリが64Kバイトの製品は500円/個となっております。
背景
近年、自動車の著しい多機能化・高性能化に伴い車体の電子化も進み、車内のいたるところに電子制御ユニットが搭載されるようになりました。このため、さらなる低消費電力化や部品点数および実装面積の削減を容易に実現できるマイコンが求められています。こうしたニーズに対応するため、当社では車体制御で実績ある低消費電力の「78K(78K0、78K0R)」と「R8C」のDNAを継承し、さらなる超低消費電力化を図るとともに、システム構築にかかるトータルコストの低減という8/16ビットの要求に応える「RL78ファミリ」の車載向け「Fシリーズ」を製品化したものです。
また、電子制御部品を機構部品と一体化する機電一体化の流れが進み、マイコンに対しても、エンジンルームやヘッドライト等の高温環境で動作する性能が求められるとともに、機能安全規格への取組みも重要となってきているため、「RL78/F12」では、高温動作や機能安全をサポートする診断機能を豊富に搭載しています。
製品について
新製品「RL78/F12」は、車輛内ネットワークとして標準となっているLIN(Local Interconnect Network)機能を搭載し、8KB(キロバイト)から64KBまでの容量の内蔵フラッシュメモリ、および端子数20ピンから64ピンまでのパッケージを有します。新製品「RL78/F12」の特長は以下のとおりです。
(1) 業界最小クラスの低消費電力で高い処理性能を実現し、システム全体の低消費電力化に貢献
通常動作時において、動作電流は70μA/MHz (32MHz動作、基本動作時)、スタンバイ電流は0.6μA(STOPモード、WWDT+LVD動作時、当社従来製品比約1/10)の業界最小クラスへ低減する一方、CPU性能は41.6DMIPS(32MHz動作時、当社従来製品比約1.6倍)を実現します。
なお、130nm(ナノメートル)プロセスの採用により、当社従来製品「78K0R/Fx3」と「R8C/3x」に対して約1/2に消費電力を低減するとともに、性能・機能を向上しています。
またCPUスタンバイ状態でA/D変換、シリアル通信を可能とし、必要な時だけCPUを起動する省電力モード(SNOOZEモード)を搭載することにより、システム電力の大幅な削減に貢献します。
(2) 電源電圧1.8Vの低電圧動作対応によりキーレスエントリー等のアプリケーションに効果的
当社従来製品「R8C/3x、78K0R/Fx3」は1.8Vでのデータフラッシュの書き込み/消去やA/Dコンバータ動作に未対応でしたが、「RL78/F12」は1.8Vでのデータフラッシュの書き込み/消去、A/Dコンバータ動作が可能になり、キーレスエントリー等の低い電圧で動作するアプリケーションに高い効果を発揮します。
(3) 周囲温度150℃での高温動作対応により、機電一体化やセットの高温での使用に貢献
従来当社製品は周辺温度(Ta)125℃までの対応でしたが、「RL78/F12」はTa=150℃までの動作対応を実現。エンジンルームやヘッドライト等の高温環境において、より高温での使用が可能となりました。
(4) 「機能安全」をサポートする豊富な診断機能
近年、自動車に搭載される電気・電子機器の増加に伴い、機能安全規格への取り組みが重要になっています。「RL78/F12」ではフラッシュ・メモリCRC演算機能によるフラッシュ・データの誤り検出、RAMパリティ・エラー検出、不正なメモリへのアクセス検出、CPU暴走によるRAMデータ/SFR誤書き換え保護機能、A/Dコンバータ・セルフテスト機能等を搭載することにより、製品の異常動作を検知し、更に回避することで、システムの安全性に貢献します。ハードウェア化された豊富な診断機能により、CPU負荷を軽減し、またソフトウェア処理と比較して機敏な診断を実現します。また、CPUコアの故障検出のためのセルフテスト・プログラムも提供する予定です。豊富な診断機能とコア診断ソフトにより、お客様の「機能安全」の実現を支援します。
当社は新製品を、一層の高機能化が予想されるローエンド車載分野の統合第一弾製品と位置づけ、今後もRL78ファミリの製品展開を行うとともに、積極的な販売活動を展開してまいります。
「RL78/F12」グループの開発環境は、ルネサスの新統合開発環境「CubeSuite+」と統合オンチップデバッギングエミュレータ E1及びフルスペックエミュレータIECUBEを提供いたします。また、フラッシュメモリプログラマやスタータ・キットも提供いたします。
新製品の仕様は、別紙をご参照下さい。
(注)STOPモード、WWDT+LVD動作時の数値。
*本リリース中の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。
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