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2014年11月欧州市場 新車販売台数分析 「欧州新車市場は通年での市場拡大に向けて成長軌道を維持」【JATO Dynamics】

2014年12月26日

■ 11月の欧州新車販売台数は前年同月比+1.3%の約99万台を記録。
■ イタリア、スペイン、英国のプラス成長がドイツ(-1.8%)、フランス(-2.7%)の減少によるマイナス分を緩和。
■ オランダは前年同月比-20.0%と大幅なマイナスを記録、調査対象国29ヶ国では本年7月以来初の2ケタ減。
■ Volkswagen、Ford、Renaultの3ブランドが3ヵ月連続で販売ランキングの上位を占める。
■ Peugeot 308が前年同月比+70.5%と最大の伸びを記録し販売ランキングトップ10入りを果たす。
■ Volkswagen Golf、Poloが引き続き欧州最量販モデルの地位をキープ。

1. 国別

11月の欧州新車販売は、スペインの前年同月比+22.0%という大幅なセールス増に牽引されるなど、成長を維持しました。スペインは前年同期比でも+19.7%を記録しており、同国マーケットの好況が持続しています。またイタリア、英国も其々前年同月比で+5.4%、+8.0%と力強く成長しています。前年同期比で見ますと、欧州主要5ヶ国全てがプラス成長を示しました。
欧州主要市場以外の中規模マーケット各国では、プラス成長とマイナス成長がまだら模様を描く構図となりました。前年同月比で比較すると、プラス成長したマーケットは、チェコ共和国が+11.3%、スウェーデンが+4.6%を記録。一方ノルウエー(-4.9%)、スイス(-6.8%)、ベルギー(-7.1%)、オーストリア(-7.4%)、オランダ(-20.0%)は其々マイナスとなりました。前年同期比で見ますとよりポジティブな像となり、調査対象国29ヶ国中12ヶ国で2ケタ増を記録し、5ヶ国のみがマイナスとなりました。

2. ブランド別

ブランド別では、トップ10ブランド全てにおいて前年同期比プラス成長を維持しました。その内8ブランドは前年同月比でもプラスを記録しました。Volkswagenが2位のFordにほぼ2倍の販売台数の差をつけ欧州最量販ブランドの地位をキープ、前年同月比で+1.2%とセールスを伸ばしました。Fordが2位、続いてRenaultがFordとの差を1,000台以下に縮めて3位にランクインしました。前年同期比ではRenault が+9.2%、Fordが+4.3%と、この一年を通してRenaultがFordとのギャップを顕著につめてきたことが見受けられます。
Skodaが引き続き好調を維持し9位にランクイン。前年同月比では微減の-1.4%とマイナスを記録しましたが、前年同期比では+14.2%と、トップ10ブランド中最大の伸びを示しました。またBMW、Mercedesも新モデルの販売が貢献し其々昨年11月の実績と比較して+8.2%、+7.3%となるなど、前年同月比では上位10社の中で最も販売を伸ばしたブランドとなっています。トップ10圏外ブランドではJeepが同社のRenegade、Cherokeeの際立ったセールスに牽引され、前年同月比で2倍以上の販売増を記録しました。またLexusも新型クロスオーバNXの力強い販売が貢献し、前年同月比+68.2%までセールスを伸ばしました。三菱もOutlander、ASX、Space Star/Mirageの好調な販売が寄与し、前年同期比+32.1%と顕著な伸びを維持しています。

3. モデル別

モデル別では、2ヵ月連続でVolkswagenの旗艦モデルであるGolf (前年同月比+3.2%)、Polo(同+12.4%)が欧州最量販モデルランキングの1位、2位の座をキープ。続いてRenault Clioが前年同月比 -2.5%とマイナスを記録したものの3位にランクイン。4位には前年同月比-19.0%の減少となったFord Fiestaがランクインしました。続いて良好な販売を維持しているOpel/Vauxhall Corsaが前年同月比+5.6%を記録し、5位にランクインしました。
その他のモデルではPeugeot 308が前年同月を大幅に上回る+70.7%を記録、前年同期比でも+60.2%となるなど販売が急増し、其々トップ10中最大の伸びを示しました。この結果は、同じPeugeotブランドである208のマーケットシェアをさほど侵食せずに達せられたもので、実際Peugeot 208は前年同月比-6.1%とマイナスとはなりましたが、ランキング10位に留まっています。
Skodaの旗艦モデルであるOctaviaは前年同月比こそ-9.9%とマイナスを記録しましたが、前年同期比では+23.4%と好調な販売を維持し、6位にランクインしました。NissanではQashqaiが前年同月比+18.8%と大きな伸びを記録し7位に入りました。またMercedes-Benz C-classは前年同月比+60.6%と力強い販売を記録しましたが、惜しくもトップ10入りはなりませんでした。
一方ミッドボリュームモデルの中では、新世代に移行したMINIが、新たに5ドアハッチバックを加えてラインアップを拡張したこともあり、前年同月比+44.2%と好調な販売を記録しました。またSeat Leonも、新型となったこと、昨年末に3ドアハッチバックとワゴンを導入してラインアップを増やしたことなどから、前年同期比+43.1%とセールスを拡大しています。

JATO Dynamics社のデータ部門バイスプレジデントであるブライアン・ウォルターズは次のように述べています。「欧州新車市場にとって素晴らしい一年となることがほぼ確実となった2014年も、残すところあと1ヵ月となりました。11月は、主要マーケットのうちの数ヵ国こそ、減少を記録しましたが、分析対象国の多くはこれまでのところ、一年を通しておおむね良好なパフォーマンスを維持していると言えそうです。」


JATO Dynamics 社について
JATOは1984年に設立され、世界で最もタイムリーで正確な最新の自動車仕様装備・価格・登録販売台数・ニュース及びインセンティブに関するデータを提供しています。JATOは世界45カ国以上にリサーチ拠点を持ち、独自の市場情報を提供しています。JATOの顧客は、世界中の自動車メーカーであり、短期的な市場変動に対応するための情報と、長期的な開発計画や顧客ニーズに対応するための情報を提供しています。JATOのデータは、消費者向け自動車ポータルサイトでも利用されており、消費者が購入しようとするモデルの競合車に対する優位、不利な点を表示することが出来ます。


JATO社Webサイトwww.jato.com
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