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後方マフラーカバー向け高性能コンポジットシート「テペックス」【ランクセス】
2014年12月25日
熱可塑性圧縮成形コンパウンドの局所強化
ランクセスグループ傘下のボンドラミネーツ社の高性能コンポジットシート「テペックス®(TEPEX®)」は、繊維強化された熱可塑性圧縮成形コンパウンドでつくられた部品の機械的強度を向上させるため、エンジニア間での評価がますます高まっています。最新の事例として、BMW i8の後方マフラーカバーが挙げられます。このカバーは、ガラス長繊維ロービングで強化された、ポリプロピレン圧縮成形コンパウンドからDLFT(直接的長繊維熱可塑性樹脂)工程によって製造され、「テペックスダイナライト104-RG601」でつくられたインサートが表面層として使用されています。ボンドラミネーツ社のコンポジットの専門家であるハリー・ディットマー(Harri Dittmar)は次のように述べています。「高温下でも剛性を備える『テペックス』コンポジットシートによって、後方マフラーの高温環境においてもカバーの変形や故障を防ぐことができ、さらに氷点下における部品の靱性と耐衝撃性も向上することができます」
■剛性と衝撃耐性の大幅な向上
ポリプロピレン母材でつくられた「テペックス」製のインサートは、厚さ
0.5mmで、単層織布として連続ガラス繊維ロービング47%を含有しています。
これについてディットマーは、「このインサートによって、カバーの剛性は
常温下では4倍、後方マフラーの作動時の温度においては6倍増加します」と、
述べています。さらに、耐衝撃性も向上します。ドイツ工業規格DIN EN ISO
6603-2に準拠した穴開け衝撃試験において「テペックスダイナライト」は、
ポリプロピレンを用いたDLFT圧縮成形コンパウンドより常温における衝撃耐
性は8〜9倍向上していることが実証されました。「-30℃の温度下では、衝
撃耐性は10倍も向上します。ポリプロピレンを用いたDLFTは、このような環
境下では裂けてしまいますが、テペックスはそのようなことはありません」
と、ディットマーは述べています。
■GMTとLWRT材料を使い大きな用途の可能性
他の熱可塑性圧縮成形コンパウンドと成形材料でつくられた部品を局所的に強化するために、「テペックス」を使用することも、魅力的な選択肢となり
ます。例えば、「テペックス」で強化されたDLFTポリプロピレン材料の機械
的特性は、ポリプロピレンを用いたGMT*やGMTex**と同等になります。ディットマーはこれについて、「この場合、『テペックス』とDLFT工程を組み合わせることで、例えば、車体足回り部品の製造の場合など、大きなコスト削減の可能性をもたらします」と、述べています。ポリプロピレンを用いたLWRT***(高い吸音特性のため車体下パネルを製造するために使用されている)も、「テペックス」表面層を用いることで大幅に剛性を向上することができます。単層の「テペックス」部品を使用することで、吸音効果を維持します。ディットマーは次のように述べています。「結果として、部品は走行に伴う機械的荷重に容易に対応することができるのです」
* GMT: ガラス長繊維マットで強化したプラスチック材料
** GMTex : GMTに様々な強化織物を付加したシート材料
*** LWRT: 軽量強化熱可塑性プラスチック
これは、ドイツ・ケルンで12月16日に発表されたリリースをもとに、
ランクセス株式会社が発表したものです。
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ランクセスは、世界31カ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカーです。2013年の総売上は83億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約 16,900人、世界中に52の拠点を展開しています。主な事業は、プラスチック、合成ゴム、中間体、特殊化学品の開発、製造とマーケティングです。ランクセスは、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス(DJSI World)とヨーロッパ・インデックス(DJSI Europe)および「FTSE4Good」の構成銘柄です。また、世界的なNPO組織CDPの調査から、気候変動に関して優れた取組みおよび情報開示を行っている企業で構成されるCDLI(Climate DisclosureLeadership Index:気候変動情報開示先進企業)に選定されています。
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