化学プロセス装置
ミニスプレードライヤーB-290
概要
ミニスプレードライヤーB-290は、スラリー・溶液から粉体を取りだす研究開発分野で広く使われています。特に電池関連、無機・有機・金属、それら複合体の新素材など、次世代・次次世代の機能性材料への開発に向かっています。また、現行のスプレードライでは難しかった1μm以下の粒子を得られるB-90への期待も高まっています。
特徴
1. 窒素パージ下での噴霧が可能
酸化を嫌うサンプルに対し、窒素あるいは他の不活性ガスパージ下での噴霧・粉体回収が可能です。酸素センサーも装備されているので、運転条件の確認もできます。粉体が空気中で激しく酸化反応を起こすサンプルにも適しています。
2. 数十mlのサンプル量でも噴霧可能
プラントタイプと比較し、僅かなサンプル量でも確実に噴霧・粉体回収ができるため、研究開発初期段階で合成量が限られている場合でも、その評価が可能です。
3. 有機溶媒から水溶媒まで対応可能
有機溶媒100%から水100%まで有機溶媒-水の様々な混合割合の溶媒に対応しています。
研究内容によって、溶媒の混合比率を変えたい場合にも柔軟に対応が可能です。
4. 3流体ノズルにも対応
ノズルの噴霧口で液体1、液体2、噴霧ガスの3流体を混合させる「3流体ノズル」もオプションで対応しています。混合時に反応しやすい複数サンプルへの対応が可能です。
5. チタン製の部材の採用
通常製品はステンレス製ですが、ステンレス素材を嫌う研究テーマに応じ噴霧ノズルも含めチタンでの提供も可能です(オプション)。
6. 簡単な取り扱い
基本的に、力の弱い女性ひとりでも分解・洗浄・組み付けができるように設計されています。作業が楽にできるということは、事故の軽減につながると考えています。
7. 安全性配慮
有機溶媒を噴霧する時は当然窒素など不活性ガスで装置内を置換します。万が一のリークなどで装置内部の酸素濃度が上がった時には、安全に自動シャットダウンできる安全性の配慮がなされています。
さらなる挑戦
通常スプレードライ法では粒径は2μm程度の粉体を回収するのが限度です。もう少し小さい粒径を望む研究者も多いため、新しくナノスプレードライヤーB-90を開発・発売しました。スプレードライヤーの常識を完全に覆す、ピエゾ素子方式の噴霧、静電方式の粉体回収など、従来のスプレードライヤーの常識を覆す設計になっています。得られる粒径は300nmからで、サンプルも数mlからと初期検討に魅力的な製品となっています。高価で微量しか準備できないサンプルの粉体化にその特長は発揮されます。