出展企業特集

株式会社フォトロン

  

今日の自動車やパーツメーカーにおける研究開発分野では、ハイスピードカメラを使った撮影、計測が必要不可欠になっています。
特に、「燃費の向上」「車体の軽量化」「安全性への取り組み」といったテーマでは、現象の理解とその改善方法を検討する際にハイスピードカメラは重要な開発ツールとなっています。ここでは、その代表的な運用事例を紹介いたします。

燃費の向上

世界各地で排ガス規制が強化されている中、より効率的な燃焼が可能なエンジンの開発は非常に重要なテーマとなっています。最近では、ガソリンエンジンの超希薄燃焼、ディーゼルエンジンのクリーン低温燃焼など、従来とは燃焼方式が異なるエンジンの開発において、今まで以上にハイスピードカメラを用いた可視化が重要視されています。

フォトロンのハイスピードカメラFASTCAM SA-Zは超希薄燃焼の撮影に耐えうる超高感度性能と、100万画素で2万コマ以上という高速撮影性能を併せ持ち、燃焼解析分野で広く活躍しています。

燃焼火炎の撮影には可視化エンジンを用いるのが一般的ですが、最近では耐熱・耐圧のボアスコープをハイスピードカメラに装着し、ボアスコープの先端を実機エンジンに挿入して燃焼室内を撮影する方法も広く普及しています。

FASTCAM SA-Z

  

  

  

  

  

  

  

 
ボアスコープによる
実機エンジンの燃焼撮影

また、より詳細に最適な燃焼条件を把握するため、イメージンテンシファイアとカップリングしたOHラジカルなどの紫外領域の撮影、分光器とカップリングした燃焼火炎のスペクトル分布解析、あるいは2色温度法を用いた燃焼火炎の温度解析などでもFASTCAM SA-Zが使われています。

FASTCAM SA-Zは圧倒的ダウンロードスピードを持つFAST Driveという外部記録メディアに対応しており、8GBの撮影データを16秒で転送できるため撮影効率を飛躍的に高めることができます。

FAST Drive

  

  

  

  

  

  

車体の軽量化

燃費向上への別アプローチとして、車両の軽量化も重要なテーマとなっており、チタン合金、ステンレス鋼のような難削材や、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)などの新素材の導入が本格化しています。
新素材を用いたパーツの開発においては、画像から被写体のひずみ分布を計測することができるDIC(デジタル画像相関)システムの導入が盛んになっています。このようなDICシステムにもハイスピードカメラが使用されており、引張試験、荷重試験、振動試験など幅広い分野でのひずみ計測に弊社製品が使用されています。

 
引張試験時のひずみ計測


FASTCAM Multiは、小型で軽量(0.98kg)なカメラヘッドを2台同時に接続できる、マルチヘッド方式を採用しており、簡単に2カメラ同期撮影ができるだけでなく、アナログ波形データも同期取得が可能な多機能ハイスピードカメラです。3次元のDICシステムには最適な機種として注目を集めています。

FASTCAM Multi

  

  

  

  

  

難削材の加工において、従来通りの加工条件では工具寿命が著しく低下するため、最適な加工条件を新たに算出する必要があり、ハイスピードカメラによる可視化ニーズが高まっています。特に、切削動力計の計測波形と高速画像を高精度に同期取得できるシステムが幅広く運用されています。

 
切削抵抗波形との同期撮影

また、同じく車両、パーツの新素材として注目を集めているアルミに関しては、従来の鉄部品とは溶接の条件が異なるため、溶接の可視化と条件の最適化のためにもFASTCAM Multiが使われています。

安全性への取り組み

乗員保護や歩行者保護の研究分野において、多くのハイスピードカメラが衝突実験に使用されています。特に、昨今では側突やオフセット衝突時の安全基準が強化されているため、サイドカーテンエアバッグの研究開発が重要視されています。

カーテンエアバッグ展開後は、車内の様子を外から撮影するのが困難であるため、車載でダミーの挙動を鮮明に撮影できるハイスピードカメラのニーズが高まっています。FASTCAM Mini WX100は、100Gの耐衝撃性能を有するため、実車やスレッドへ搭載する用途でも活躍しています。

FASTCAM Mini WX

  

  

  

  

  

 
FASTCAM Mini WX100の
車載撮影

オフセット衝突時においてはダミーの動きが回転を伴うため、3次元、あるいは6自由度での動画解析ニーズが高まっています。
3次元、6自由度の画像解析においては高い解像度が求められるため、フルHDの高画質で車載での撮影ができるFASTCAM Mini WX100が多くの衝突実験分野で採用されています。

ダミーヘッドの画像解析(6自由度)

アプリケーション動画

自動車開発の最前線において、ハイスピードカメラを使った可視化と計測は幅広い用途で活用されており、今後もより一層の性能アップが期待されています。
フォトロンでは、そのようなニーズに応えるべく最先端の技術を注いだハイスピードカメラ「FASTCAM」の開発を進めていき、今後も自動車の研究開発に貢献できるよう尽力してまいります。

■自動車衝突安全試験
■スレッド試験
■エアバッグの展開試験
■エンジンの燃焼実験
■噴霧解析

  

  

  

  

ハイスピードカメラ・関連ソフト

  燃焼撮影向けカメラ
圧倒的な撮影性能のフラグシップモデル
「FASTCAM SA-Z」


■フルフレーム撮影速度:20,000コマ/秒
■最高撮影速度:2,100,000コマ/秒
■モノクロ感度:ISO 50,000、カラー感度:ISO 20,000
■解像度:1024×1024
 

  3次元解析向けカメラ
分離マルチヘッド方式 多機能ハイスピードカメラ 
「FASTCAM Multi」


■フルフレーム撮影速度:4,800コマ/秒
■最高撮影速度:750,000コマ/秒
■モノクロ感度:ISO 10,000、カラー感度:ISO 5,000
■解像度:1280×1024  

  衝突安全試験向けカメラ
小型・耐Gハイスピードカメラ 
「FASTCAM Mini WX」


■フルフレーム撮影速度:1,080コマ/秒
■最高撮影速度:80,000コマ/秒
■モノクロ感度:ISO 6,400、カラー感度:ISO 2,000
■解像度:2048×2048

    関連ソフト
多台数カメラ集中制御ソフト
MCAT(Multi-Camera Controller for Automotive Test)


MCAT(エムキャット)は、衝突安全試験での多数台のカメラコントロールに特化し、スピーディかつ確実に多数台のカメラをコントロールして撮影・保存を行うソフトウェアです。

ビューアーソフト PFV/PFA

PFV(Photron FASTCAM Viewer)は、フォトロン製ハイスピードカメラ「FASTCAM」シリーズをPC上から制御するためのコントロールソフトウェアです。
 
PFA(Photron FASTCAM Analysis)は、PFVに動画解析ソフト機能を追加した2次元動画像運動解析ソフトです。
 
 
 

ハイエンド動画解析ソフト TEMA

TEMAは、強力な追跡アルゴリズムや、自由度の高いグラフ作成、補正フィルタ・数値変換・光学補正などの高度な解析機能や、3次元計測・6自由度計測・体積計測という発展的な付加価値も提供しています。
 

  

  

小間図面

  

※小間図面をクリックすると拡大表示されます(印刷用PDF)

  

  

  

  

お問い合わせ

株式会社フォトロン イメージング事業本部
〒101-0051
東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング
TEL: 03-3518-6271 FAX: 03-3518-6279
ホームページはこちら
メールでのお問い合わせはこちら