新型周辺監視レーダ「MMR2」を開発、量産開始

2022年4月12日

新型周辺監視レーダ「MMR2」を開発、量産開始
～マツダ新型クロスオーバーSUV「MAZDA CX‐60」に採用～

●準ミリ波レーダの特長を継承し、従来よりも高度な周辺監視アプリケーションに対応

●30％の小型軽量化により、車両デザインや材質への配慮が最小限に

●自動車の機能安全やサイバーセキュリティに関する国際規格に適合

古河電工グループの古河AS株式会社（本社：滋賀県犬上郡、代表取締役社長：阿部茂信）は、次世代自動車に求められる先進運転支援システム（ADAS：Advanced Driver Assistance System）で必須となる「周辺監視レーダ」において、従来品よりも大幅に性能を向上させた新型モデル「MMR2」を開発し、本年４月に日本で公開した新型クロスオーバーSUV「MAZDA CX-60」向けに量産を開始しました。

背景

近年、自動車の安全性に対する意識の高まりにより、新型車へのADASセンサ搭載は増加傾向にあり、当社の周辺監視レーダも「MAZDA CX-5」に標準搭載されています。このような中、Euro NCAPに代表される各国NCAP（New Car Assessment Program: 新型車の安全性評価）は、交通弱者保護である後退時歩行者保護、交差点補助などの新しい項目を取り入れ、安全評価基準のレベルも上昇しています。また複雑化している電子制御部品自体の安全性を確保するために、周辺監視レーダにおいても新型車への搭載には機能安全やサイバーセキュリティに関する国際規格への適合が必要となっています。一方で、レーダ取り付けに関しては、位置により車体デザインやバンパ形状の変更が必要です。

内容

このたび、新型の24GHz（ISM帯）周辺監視レーダ「MMR2」を開発し、量産を開始しました。本製品はモデルベース開発（MBD）により開発と検証を同時に進め、自動車の機能安全に関する国際規格である「ISO26262」に対応、また自動車サイバーセキュリティの国際規格「ISO/SAE 21434」にも対応可能で、本年４月に日本で公開した新型クロスオーバーSUV「MAZDA CX-60」に採用されました。「MMR2」はNCAPや新たなアプリケーションへの適合性を高めるため、従来品よりも検知範囲を広げ、速度検知精度や空間認識性能を向上させました。車両の4隅の配置を想定しており、出会い頭や交差点の右左折時、車線変更時、停車時、一般走行時など、広い範囲の検知アプリケーションに適用可能です。製品体積と重量をそれぞれ約30%削減し、バンパ裏面に直接取り付けることが可能になりました。当社の24GHz周辺監視レーダはバンパ透過時の伝搬損失が少なく、車両デザインや材質への配慮が最小限で済むといった優れた特徴があります。また汚れや雪の付着、降雨の影響も受けにくいため、天候によらず性能を発揮できます。

古河ASは、今後も周辺監視レーダ搭載の開発を推進し、自動車を含む多様な車両への周辺監視レーダ搭載を推進するとともに、その技術を応用して安全な社会づくりに貢献していきます。

MMR2

バンパ裏面への取り付けイメージ

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