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2025.10.17

丸文、超高解像度X線CTシステム「Phoenix Nanotom HR」の取り扱いを開始

2025年9月9日

  

  

丸文、超高解像度X線CTシステム「Phoenix Nanotom HR」の取り扱いを開始
~チップレット構造デバイスやバッテリーの隠れた欠陥を高拡大かつ鮮明に可視化~

  

  

エレクトロニクス商社の丸文株式会社(代表取締役社長 兼 CEO / COO︓堀越裕史、本社︓東京都中央区、以下、丸文)は、日本ベーカーヒューズ株式会社(以下、ベーカーヒューズ社)の超高解像度X線CTシステム「Phoenix Nanotom HR」の取り扱いを開始することになりましたのでお知らせいたします。

「Phoenix Nanotom HR」は、世界最小クラスのX線焦点スポット技術を活用した高分解能ナノフォーカスX線管および高解像度フラットパネルディテクタを搭載しており、高水準のCTスキャン解像度を実現しました。これにより、従来のX線CTでは検出が困難だったサブミクロンレベルの微細な欠陥や内部構造を、高拡大かつ鮮明に3Dで可視化します。このシステムは、先端半導体やバッテリーなど、複雑化・微細化が進む製品の非破壊解析の可能性を大きく広げます。

  


「Phoenix Nanotom HR」外観 

撮影事例(HBM)

  

  

【背景:従来のX線CTの課題】

  

近年、高性能化とコスト効率を両立するチップレット構造の半導体や、エネルギー密度が向上したバッテリーの開発が加速しています。しかし、これらの内部構造は極めて複雑かつ微細であるため、従来のX線CTを用いた非破壊解析では、以下のような課題がありました。

  

・コントラストの低下
ボイドやクラックといった微細な欠陥が背景に埋もれ、検出が極めて困難。

・アーティファクトの発生
X線の散乱により正確な画像再構成が阻害され、故障箇所の特定が困難。

・視野サイズと分解能の両立
広範囲を一度の観察しながら、微細な欠陥を識別できる高分解能の両立が困難。

  

これらの課題は、製品の信頼性評価や故障解析における大きな障壁となっていました。

  

  

  

【「Phoenix Nanotom HR」が提供する解決策と独自の強み】

  

「Phoenix Nanotom HR」は、ベーカーヒューズ社が誇る最新の基幹デバイス(※)を活用したX線CT技術を搭載しており、従来の非破壊解析における課題を解決する画期的なソリューションです。
※2025年8月時点

  

1.高解像度と安定性
●最新ナノフォーカスX線管
150nmという世界最高クラスの分解能を全電圧領域で実現可能。真円スポットの自動電子ビームフォーカスにより長時間でも安定して高品質の画像が取得可能です。これにより、半導体パッケージの設計上の偏差やデバイスの製造上の不具合、材料内部欠陥やサブミクロン粒子などを従来機比で最大5倍の高解像度で鮮明に観察できます。

  

2.高感度・高コントラスト・高速スキャン
●最新のフラットパネルディテクタ
FDD(Focus Detector Distance)可変機構を有するベーカーヒューズ社最新のDXR S100 Pro検出器を新たに搭載。改良されたシンチレーターテクノロジーにより、幅広いX線エネルギー領域で高感度と高コントラストを実現し、これまで見えなかった微細な構造差を明確にとらえます。また、スキャン時間の短縮化にも貢献します。

  

3.誰にでも簡単に扱える操作性
●シンプルなユーザーインターフェイス
必要な分解能に応じて、フォーカスサイズを選択するだけで複雑なパラメータが自動調整されます。また、常に実測値を確認できるため、余分な検証ステップを踏む必要もありません。わずか数時間のトレーニングで、誰でも簡単に高分解能撮影が可能です

  

4.優れた投資対効果
●低ランニングコスト
24時間フル稼働でも、メンテナンスは年1回で運用可能です。そのため、日々の運用コストを大幅に抑制します。

  

  

  

【主なアプリケーション】

  

「Phoenix Nanotom HR」は、以下のような最先端分野での品質保証や故障解析、研究開発で大きな効果を発揮します。

  

アプリケーション分野

対象となる構造・欠陥

高帯域幅メモリー

(HBM)

マイクロバンプの接合不良・アライメントずれ、

TSV/マイクロVIA:ボイド・クラック・充填不良

2.5D チップレット

(CPU/GPU)

シリコンインタポーザ/RDLインタポーザの剥離・オープン/ショート不良・異物混入

リチウムイオンセル

アノード/カソード活物質粒度分布

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)

繊維配向不良、層間剥離、ボイド、クラック

  

  

  

【今後の取り組みについて】

  

当社は、以前からロックイン発熱解析装置ELITEやレーザー開封装置など、半導体・電子部品向けの故障解析関連装置を提供してまいりました。今回、新たに超高解像度X線CTシステム「Phoenix Nanotom HR」をラインアップに加えることで、お客様製品の信頼性向上はもちろん、開発から製造までのプロセス効率化をより幅広く支援し、お客様の事業に貢献してまいります。

  

  

  

丸文株式会社について

  

  

丸文は最先端の半導体や電子部品、電子応用機器を取り扱うエレクトロニクス商社です。1844年に創業し、現在はエレクトロニクス市場を事業領域として、グローバルに事業展開しています。
半導体・電子部品のディストリビューションを担う「デバイス事業」、電子機器およびシステムの販売・保守サービスを取り扱う「システム事業」、ICT、ロボットなど先端ソリューションの開発・販売・保守サービスを提供する「アントレプレナ事業」の3事業で推進。
「テクノロジーで、よりよい未来の実現に貢献する」 というパーパスのもと、独自の価値を提供するオンリーワンのエレクトロニクス商社として最も信頼される存在となることを目指します。

  

本社 :東京都中央区⽇本橋⼤伝⾺町 8-1
設立 :1947 年
代表者:代表取締役社⻑ 兼 最⾼経営責任者(CEO)、最⾼執⾏責任者(COO)堀越裕史
URL:https://www.marubun.co.jp/

  

  

お問い合わせ先

  

Phoenix Nanotom HRに関するお問い合わせ先
Mail:kaiseki@marubun.co.jp

報道・メディアからの取材に関するお問い合わせ先
Mail:koho@marubun.co.jp

  

  

  

  

  

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