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2025.10.16

AIエージェント技術を活用したCADモデル生成システム「MEDA」を発表【ゴーデルブロック】

2025年9月2日

AIエージェント技術を活用したCADモデル生成システム「MEDA」を発表
ゴーデルブロックが研究協力しているAccelerated Komputing社の論文が
米国機械学会(ASME)主催のIDETC/CIE2025にてマルチエージェント協調による
設計自動化の研究成果を公開

出典：Accelerated Komputing社論文発表資料

2025年8月20日、カリフォルニア州アナハイム - Accelerated Komputing社は、株式会社ゴーデルブロック、カーネギーメロン大学等との国際共同研究により開発した、AIマルチエージェントシステムによる自律的パラメトリックCADモデル生成フレームワーク「MEDA（Mechanical Engineering Design Agents）」に関する論文を、ASME 2025国際設計工学技術会議・コンピュータ情報工学会議（IDETC/CIE2025）にて発表しました。

研究体制

本研究は、以下の国際的な研究機関との連携により実現されました：

・Accelerated Komputing社（米国、ネパール）
・株式会社ゴーデルブロック（日本・東京）
・カーネギーメロン大学（米国）
・ピッツバーグ大学（米国）
・テキサスA&M大学（米国）
・トリブバン大学（ネパール）

株式会社ゴーデルブロックは、マルチエージェントシステムの設計と実装、深層学習アルゴリズムの最適化における技術開発に協力しました。

研究の背景と意義

パラメトリックCADモデリングは、寸法・拘束・設計ルールをパラメータとして与え、スケッチやフィーチャ間の関係を数式で定義して形状を再計算・再生成する手法であり、CADモデリングにおいて重要な技術です。機械設計では設計意図の保持と変更の自動伝播により、派生仕様対応やBOM／図面／CAE連携を高速化し、設計探索と変更管理の生産性を大幅に高めます。
しかし、パラメトリックモデルの作成にはCADソフトウェアの操作方法に十分に習熟していなくてはならないため、適切な設計をCADソフトウェアで実現できるようになるまでに長いトレーニング期間が必要となっています。
本研究では、現代のマルチモーダル大規模言語モデル（MLLM）の能力を活用し、人間の分業体制を模倣した自律的マルチエージェントシステムによってパラメトリックCADモデルを自動生成する革新的なアプローチを開発しました。

技術的成果

自律型マルチエージェントによる自然言語→パラメトリックCADの閉ループ化

設計分解（Design Expert）→CADスクリプト生成（CAD Script Writer）→実行（Executor）→ログ審査（Script Execution Reviewer）→画像審査（CAD Image Reviewer）という分業を自律的に連携させ、自然言語記述からパラメトリック3D CADモデルを生成・自己修正まで完結させるフレームワーク（MEDA）を提案しました。
これにより、従来のLLM単独方式が抱える空間推論・ハルシネーションの課題を解決し、またCADスクリプトによる明示的パラメータ化で生成される3Dモデルの追跡性を確保しました。

SOTA実装との比較およびアブレーションによる寄与の定量化

CADPromptの200プロンプトを用い評価を実施しました。MEDAは、生成したCADスクリプト実行成功率99%、点群による距離評価 (PCD) が中央値0.0555、ハウスドルフ距離による評価 (HD) が中央値0.263を達成、既存手法（CADCodeVerify）比でPCD56.3%、HD37.3%の改善を示しました。
さらに正解形状との交差率 (IoGT) では既存手法とほぼ同等の性能を示しています。またアブレーションによる評価では、Script Execution Reviewerの導入がCADスクリプト実行成功率を76%→93.5%（1回）→96.5%（2回）へ押し上げ、CAD Image Reviewerが形状整合を改善する一方でコストがベース比7倍超となるトレードオフも定量化しています。