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2025.05.23
世界初、樹脂モールド構造かつワイヤーボンディング対応のパワー半導体用NTCサーミスタを商品化【村田製作所】
2025年5月20日
世界初、樹脂モールド構造かつワイヤーボンディング対応の
パワー半導体用NTCサーミスタを商品化
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株式会社村田製作所(以下、「当社」)は、パワー半導体用NTCサーミスタ「FTIシリーズ」(以下、「当製品」)を商品化しました。当製品は、世界初※1となる樹脂モールド構造かつワイヤーボンディング※2対応のNTCサーミスタであり、パワー半導体の近傍に設置することで、その温度を正確に計測することが可能です。また、使用温度範囲を-55℃から175℃まで保証しており、発熱量の大きい自動車のパワートレイン用途※3に適しています。
当製品は、「人とくるまのテクノロジー展YOKOHAMA」(会期:2025年5月21日~23日、場所:パシフィコ横浜)に出展予定です。
※1 当社調べ(2025年4月時点)。
※2 半導体チップと電極を細い金属線で接続する実装技術。
※3 インバータやDC-DCコンバータ、車載充電器など、動力源から生み出された力を車輪に伝達し車両を動かすためのシステム。
近年、自動車の電装化や高機能化が進む中で、高出力かつ高効率なパワー半導体の重要性が一層高まっています。一方で、パワー半導体は発熱量が大きく、高温による破損リスクが課題となっています。これに対し、パワー半導体の温度上昇を検知するサーミスタを設置し、冷却や動作制限を行う手法が採用されています。
しかし、半導体の実装ランドには高電圧がかかっているため、従来のサーミスタはその電圧に耐えられず、半導体から離れた位置に設置せざるを得ませんでました。このため、半導体の正確な温度検知が難しく、高温による半導体の破損を防ぐために実際の耐熱温度より低い温度で動作制限をかける対策がされています。その結果、半導体の性能を十分に発揮できないという課題が生じていました。
当社はこのたび、世界初となる樹脂モールド構造かつワイヤーボンディング対応の当製品を開発しました。樹脂モールド構造により絶縁性を確保し、パワー半導体用のパッド上に直接配置することが可能です。また、ワイヤーボンディング対応によりサーミスタ用のパッドと接続することができます。これにより、パワー半導体近傍での正確な温度検知を実現し、性能を十分に活用できます。使用温度範囲は-55℃から175℃まで保証しており、幅広い温度範囲で安定した動作を実現します。安全性を確保しつつ性能を十分に引き出せるため、パワー半導体の数を減らしても従来と同等の性能を維持でき、実装面積やコストの削減にも貢献します。
当社は今後も、多様化する市場ニーズに対応し、サーミスタの抵抗値ラインアップ拡充や、従来のはんだ実装に加え銀焼結実装対応のサーミスタ開発に取り組みます。これらを通じて、EVをはじめとした半導体アプリケーションの高機能化に貢献してまいります。
主な特長 |
・世界初の樹脂モールド構造かつワイヤーボンディング対応
樹脂モールド構造とワイヤーボンディング対応を組み合わせることで、パワー半導体と同一のパッド上にサーミスタを配置することが可能となり、パワー半導体の正確な温度検知を実現します。
・業界最高レベルの175℃保証による高温環境下での安定動作
外部電極との高信頼性接合技術を採用し、-55℃から175℃までの幅広い温度範囲で業界最高レベルの安定した動作保証を実現しました。
![]() 上面、下面 製品写真 |
![]() ワイヤーボンディング対応イメージ写真 |
品番 | FTN21XH502F0SRU |
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用途 | 自動車用 |
サイズ | 2012mm/0805inch |
抵抗値(25℃) | 5kohm±1% |
B定数(25℃/50℃) | 3380K±1% |
動作保証温度 | -55℃~+175℃ |
実装方法 | はんだ実装 |
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ムラタについて |
村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
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