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CES 2015: 動的eHorizonで未来を察知【コンチネンタル・オートモーティブ】

2014年12月10日

コンチネンタルのeHorizonは、パワートレインの最適化から自動運転まで、さまざまな車両機能の基盤に
2015年のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で、コンチネンタルはクラウドベースのeHorizonが提供する可能性を紹介
コンチネンタルのeHorizon技術を搭載したスカニアのトラックはすでに6,300万リットル超の軽油を節約

ラスベガス、2014年12月10日 国際的な自動車部品サプライヤーであるコンチネンタルは、eHorizon(electronic horizon)が持つ先進的な能力をCES 2015で紹介します。コンチネンタルの推定では、このソフトウェアのおかげで、スカニアのトラックを保有する車両運行事業者は2012年以来すでに6,300万リットル(8,600万ユーロ相当)以上の軽油を節約しています。コンチネンタルの取締役でありインテリア部門の責任者を務めるヘルムート・マッチ (Helmut Matschi) は「eHorizonの原理は、地図データを利用して車の電子機器に未来の状況を垣間見せるというものです。これにより、車は走行ルートに合わせて事前に調整し、積極的に燃料を節約できるのです」と説明します。

CES 2015 : クラウドとの接続が開く未来

2015年1月6日から9日まで、ラスベガスで開催されるCES2015において、コンチネンタルは新たな段階に進化したeHorizonを協力パートナーであるIBMおよびロケーションクラウド企業のHEREとともにご紹介します。「動的eHorizon」と呼ばれるこのシステムは、リアルタイムのデジタル地図を持つHEREのロケーションクラウドおよびIBMのコネクティッドカークラウドと接続します。また、IBMのビッグデータとアナリティクスを使い、天候や事故、交通渋滞などの動的イベントを考慮に入れます。マッチは「クラウドのおかげで、動的eHorizonはデジタル地図を高精度で常に最新の情報媒体に変え、単なるナビゲーション以外の目的に使用できるようにします。これにより私たちはトラックや乗用車の安全性、効率および快適性を高めようとしています」と述べます。CES 2015でコンチネンタルは、動的eHorizonをディスプレイ、アクセス技術、コネクティビティ、インフォテイメント、ドライバー支援およびエンジン管理の革新の中核として紹介します。また、車をクラウドと接続することでこれらのコンポーネントとシステムがいかに恩恵を受けるかを明らかにします。

多数用途の基盤となるeHorizon

運転者支援システムまたはブレーキングやステアリングなどのアクチュエータの動作は、車両センサーが状況を察知するのに先駆けて、前方の交通状態に合わせて準備できます。コンチネンタルのインテリア・エレクトロニック・ソリューションの責任者であるラルフ・レニンガー (Ralf Lenninger) は「動的eHorizonにより、私たちはコネクティッドパワートレインから自動運転まで、多くの新たな用途の基盤を構築しようとしています。」と説明します。たとえば、動的eHorizonが、カーブを曲がり渋滞の最後尾につくと報告した場合、自動化された車ならスムーズに減速できるでしょう。センサーが障害物を感知してからフルブレーキをかけるなどということはありません。レニンガーは「高度に自動化した運転を本当に快適なものにできるのは動的eHorizonです。それは、eHorizonがもう1つの情報源として車両センサーを補完するからです」と述べます。

もう1つの興味深い用途例は、ハイブリッド車のエンジン管理システムの最適化や電気自動車の航続距離の最大化です。電気自動車の航続距離に影響をもたらすHEREの3次元ルートプロファイル、交通状態やルート周辺の天候に関する動的情報は、これらの目的を実現するのに役立ちます。またハイブリッド車の場合、動的な交通情報を把握できれば内燃エンジンの助けなしにより長い距離を走行できます。CESでコンチネンタルは、予測ベースのエネルギー管理機能を備えた、いわゆる48ボルトエコドライブシステムでのeHorizonの使用事例を紹介します。

センサーとしてのクラウド : 動的eHorizonの原理

リアルタイムの更新ができるよう、動的eHorizonは他車のセンサーおよび他の情報源からインターネットを通じて提供されるデータを活用します。eHorizonの地図データはHEREのロケーションクラウドに常時置かれていて、ロケーションクラウドはセンサーからのリアルタイムデータやその他の動的イベントを分析し、車がルートを調整できるよう情報を系統的に車に転送します。コンチネンタルは車のハードウェアと知能を提供するだけにとどまりません。サーバー側で、車両センサーなどの各種センサーや交通情報提供事業者からの情報を組み合わせてデジタル地図上に全体像を作成するためのアルゴリズムも開発しています。「必要な量のデータを処理・分析するため、IBMのスケーラブルなITプラットフォームに加えて、HEREの高精度地図や動的情報を活用しています」とレニンガーは述べます。

eHorizonソフトウェアはすでに大きな効果を発揮

スカニアのトラックに標準装備となったクルーズ・コントロール・システム「スカニア・アクティブ・プレディクション」で、eHorizonは平均で3%の燃料節約を可能にします。2012年以来、スカニアが節約した軽油は6,300万リットルにのぼり、CO2の排出量に換算すると168,000メートルトン、燃料コストに換算すると8,600万ユーロに相当します。eHorizonは、走行ルートの地形データ、HEREのデジタル地図、およびトラックに保存されたGPS信号だけを利用して、アダプティブ・クルーズ・コントロール・システムにルートの3次元プロファイルを提供します。クルーズ・コントロール・システムは、情報を利用して前方の道路に合わせて車速を調整するので、積極的な燃料の節約が可能になります。上述のスカニアの推定節約量は、2012年の発売以来、現場で得られた経験、およびコンチネンタルとスカニアが行った運転テストに基づき、2012年から2014年11月までに販売されたシステムを対象にしています。他の重要データとしては、トラック1台あたりの年間の平均走行距離150,000km、100kmあたりのトラックの平均軽油消費量35リットル、軽油1リットルあたりのCO2排出量2.64kg、トラックの軽油1リットルあたりの価格1.35ユーロなどがあります。

IBMとコンチネンタルの提携について

2013年にIBMとコンチネンタルとの提携契約を発表しました。これは世界中の自動車メーカーに向けた「完全に接続されたモバイル車両ソリューション」の共同開発を目的としています。契約の中心は、自動車メーカーが新しいさまざまな車載モバイルサービスを提供できるようにする、スケーラビリティに優れたクラウドプラットフォームを開発することです。eHorizonも、フルコネクティッドカーの実現を長期的目標とするこの提携の一環です。







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