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LEDイノベーションに注力【コンチネンタル・オートモーティブ】

2014年12月19日

コンチネンタルは全車両クラス向けにLEDヘッドライト用の制御エレクトロニクスを開発供給
ネットワーク・エレクトロニクス・システムによって、多数の新しい機能が実現
技術によって車両の安全性を高め、省エネに貢献

LED(発光ダイオード)を採用したヘッドライトの採用が急激に普及しています。現在は主として日中走行時のドライビングランプとして使用されているLEDですが、ロービームまたはハイビームライト、および車両周りのライトとしても十分な光度が提供できるようになりました。ただし、ヘッドライトで多数のLEDを個別に調整するためには、複雑な制御エレクトロニクスが必要です。コンチネンタルのオーストリア拠点で、ライト・コントロール・ユニットのシステム開発グループリーダーを務めるマクシミリアン・アウステラー(Dr. Maximilian Austerer)は次のように述べています。「ライトコントロール部はまさにこの作業のために編成されており、いくつかのプロジェクトでパフォーマンステストにも合格しています。」

LED : 高い効率で豊富な機能を提供
LEDはハロゲンやキセノンランプに比べて多数のメリットがあります。デザイナーが特殊形状のヘッドライト設計ができるようになるだけでなく、高い効率と安全性も提供します。LEDからの光は他の光源よりも太陽光に近いため、ドライバーにとって快適でもあります。LEDヘッドライトをアシスタンスシステムと併用することで、路上にいる人や物を光らせ、目立たせることができます。また、LEDでは特定部分に向けられたライトを即座に弱めることができるので(ディマー機能)、たとえば対向車がまぶしくないようにすることができます。

何よりも、LEDは高効率で、最長寿命は1万時間です。従来の電球の寿命は約1,000時間なので、大きな違いになります。エネルギー消費量もはるかに少なくて済みます。シンプルなLEDのロービームヘッドライトの場合、18ワットの消費量で済みます(キセノンライトは35ワット)。さらに、LEDは振動耐性が高く、保守も不要です。

鍵を握るコントロール・ユニット
「LEDライトには特定の電子制御ユニットが必要です。したがってLEDは従来の電球に標準的に使用される12ボルトの車載電圧では作動しません。」アウステラーは説明します。「複数のLEDをバンドル化したLEDストランドによっては、最大75ボルトの電圧が必要になります。」コンチネンタルのLEDライト制御ユニットには、適切な電圧を提供する入力回路があり、電子部品もパルス幅変調によって高度を制御します。

完全なライト管理
アダプティブ・フロント・ヘッドライトにLEDを使用すれば、制御エレクトロニクスで多数の新たな調整タスクが可能になります。よって、コンチネンタルではライト機能を一元管理できるようなLEDライト制御ユニットも開発しました。ドイツの著名な大手メーカーが製造したLEDヘッドライトがその一例です。LEDを使用してすべてのライト機能を実行します。ヘッドライトのLEDストランドを個別に制御して、特定の状況下で路上を適切に照らすことができます。コンチネンタルのライト制御ユニットでは、高速や田舎道用の特殊なライト、ロービーム・ハイビームライト、曲がり角や交差点のハイライトを1秒未満で提供できます。

LED制御ユニットには他にも機能があります。柔軟性があるため、従来の電球とLEDを組み合わせたヘッドライトの制御にも適しています。たとえばシリーズ製品として提供されているヘッドライトの中には、すでに日中のドライビングライトや表示パネルにLEDを使用しているものがありますが、ディマーやハイビーム用にはまだハロゲンやキセノン技術も使用されています。ハイビームアシスト機能が搭載された車両の場合、ライト制御ユニットはマスキングメカニズムを使用し、ディマーからハイビームに切り替えることもできます。類似のメカニズムは、コーナリングの際や、カーブに設置された照明に対するライト制御にも有効です。

高性能、高水準
コンチネンタルのライト制御ユニットは、多種多様なタスクを実現するために、32ビットのハイパフォーマンスチップを採用しています。コンチネンタルは半導体メーカーと密に協力して、ASICとASSPソリューションで構成されたプラットフォームをLEDドライバー用に開発中です。LEDライト制御ユニットをアシスタンスシステムとAUTOSARオペレーティングシステムに統合するためには、より高度な安全性機能基準が必要なため、ISO 26262の安全性クラスASIL B認定を受けています。

さらに、コントロール・ユニットは綿密なオールラウンドシーリングも特長としており、保護クラスIP 69の要件も満たしています。これは105°Cを超える気温やスチームジェット噴霧器からの水圧を想定した非常に厳しい環境状況下にも対応するために必要です。ライト制御ユニットはヘッドライト自体とは別に、エンジンルームに設置されます。このように設置場所を分離することで、制御ユニットが破損し、交換が必要になった場合に、コスト削減が可能です。

シリーズ製品の製造経験と開発の専門知識
アウステラーは次のように締めくくっています。「2011年にシリーズ製品を発表して以来、コンチネンタルの革新的なライト制御ユニットを採用してくださる乗用車とトラック分野のお客様が増えています。コンチネンタルではこの種のユニットを使用して多種多様な機能をコントロールし、従来の電球とLEDの両方を搭載したライトと、従来の電球はまったく使用しない完全にLEDのヘッドライトの両方に対応できるようにしています。同時に、コンチネンタルによるエレクトロニクスへの多種多様な取り組みは、お客様にとってもメリットになります。そしてコンチネンタルのエンジニアは、ライト制御ユニットを車両のエレクトロニクス・アーキテクチャに完璧に統合できるようになるのです。」つまり、ライト制御ユニットがLINやCANを介して一元化された車両エレクトロニクスとの通信を行い、スピード、ステアリング角、ドライバーのニーズ、ライトとレインセンサーの測定データを基に、光源をコントロールすることができるのです。

エレクトロニクスは一般にモジュール型の設計になっており、様々な車両クラスで、用途に応じて簡単に調整することができます。同じハードウェアでも、制御ユニットの出力が70ミリアンペア~1.5アンペアまでの電流と、2~75ボルトの電圧までに対応できるという数字が、このアプローチの多用途性を示しています。

フロントヘッドライトにLEDを搭載した車両の数が特に増加しています。一部の小型乗用車ではLEDライトが標準装備されている場合もあります。この種の車両では、費用対効果の高い、自動化されたLEDボードの大量生産を可能にするため、SMD(表面実装デバイス)技術が進んでいます。

今後さらに拡大するLEDライトの新機能
開発におけるもう1つの選択肢として、各LEDバンドルのコントロール精度をさらに高めることもできます。たとえば、近い将来、道端にいる人を照らすことができるようになります。あるいは、コンチネンタルのナビゲーション指示をライトパルスに変換して、ドライバーを視覚的に誘導できるようになります。さらに、将来的にはナビゲーションシステムのデータを活用して、もっと効果的にルートの誘導が行えるようになります(eHorizon技術)。マトリックスヘッドライトがさらに進化すると、ヘッドライトで現在使用されているメカニカルな要素は消滅することになるでしょう。この種のヘッドライトの制御はさらに複雑なことは間違いなく、高度な温度管理が必要です。コンチネンタルではLEDエレクトロニクスのサイズ面でも貢献したいと考えています。今後数年間は、機能は増やしながら、サイズを大幅に縮小することを目指します。そのためには、ハードウェアの簡略化も進めなければなりません。新しいトポロジ概念を使用して、コンチネンタルはこの課題にも取り組み、LEDライト制御のパイオニアとしての役割を果たしたいと考えています。







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