ニュース

ブラジルでのシームレスパイプ合弁事業VSB社製鉄所の開所式を実施【住友金属工業】

2011年9月2日

− 日本メーカー初の海外高炉一貫製鉄所が本格稼働へ −

住友金属工業株式会社(以下、住友金属)と住友商事株式会社(以下、住友商事)、フランスVallourec S.A.(以下、バローレック社)の合弁事業会社であるバローレック・アンド・スミトモ・トゥーボス・ド・ブラジル(Vallourec & Sumitomo Tubos do Brasil Ltda 以下VSB社)は、9月1日(木)11時(現地時間)より、ブラジル連邦共和国ミナスジェライス州ジェセアバ市で製鉄所の開所式を行いました。
VSB社は、当社シームレスパイプ事業の世界展開の拠点として、2007年から建設を進めてまいりましたが、主要設備がこのほど完成し、この日の式典開催となったものです。
当日は、ブラジルのルセフ大統領のご出席を賜り、当社社長友野をはじめとする、合弁各社の首脳陣等プロジェクト関係者やブラジル政府関係者、取引先などのお客様を含め、総勢約600名の出席のもと、高成長を続けるブラジル経済を象徴する大プロジェクトの完成を祝いました。
ルセフ大統領をはじめとした賓客を迎えた開所式典で、当社社長友野は、ブラジルと日本の歴史、そしてサッカーのジーコ氏と鹿島アントラーズとの関係に触れ、「住友金属は、このプロジェクトの稼働によって、日本だけではなく、世界からシームレスパイプを供給できる体制が整った。バローレック社とともにブラジルの繁栄に貢献したい」、と挨拶しました。また、バローレック社のクルーゼ社長は、「これはバローレック社にとって大きな成果だ」と述べました。ブラジルのルセフ大統領は、父親がマンネスマン(現バローレックグループ)で働いていた思い出をご紹介されるとともに、日本とフランスの二カ国の技術にもとづくVSB社への期待を表明されました。
この製鉄所稼働で、当社の主力製品シームレスパイプの世界二拠点体制がスタートしました。「住友のパイプ」を必要とされる世界中のお客様にハイエンド鋼管をお届けし、お客様とともに成長します。製鉄所は、南米や北米、アフリカ、中東などへのアクセスがよく、鉄道や港湾などのインフラも整備され、さらには、鉄鉱石鉱山が近いといった地の利があります。当社の技術で競争力に磨きをかけ、ビジネスを拡大します。今回のVSB社の製鉄所稼働は、住友金属の「日本をベースとして、海外市場で成長する」という戦略を体現するものです。
またVSB社の高炉は、自社で栽培したユーカリの木から製造した木炭を還元材とする「木炭高炉」です。二酸化炭素の排出を実質ゼロにすることにより、地球環境保全に大きく貢献いたします。
当社は、今後、早期に製鉄所の立上げを進め、ブラジルをはじめとする、世界のエネルギー開発に貢献してまいります。

Vallourec & Sumitomo Tubos do Brasil Ltda.

(1) 所在地 : ブラジル連邦共和国ミナスジェライス州ジェセアバ市
※州都ベロオリゾンテ近郊

(2) 代表者 : Tancredo Martins Neto

(3) 事業内容 : 高級シームレスパイプの製造

(4) 従業員数 : 1,373名(2011年3月末現在)

(5) 総投資額 : 50億ブラジルレアル

(6) 出資比率 : 住友金属40%、住友商事4%、バローレック社56%

(7) 設立時期 : 2007年7月

(8) 生産規模 : シームレスパイプ 60万トン/年
(当社とバローレック社で30万トンずつ販売)
粗鋼生産規模 100万トン/年
(内約70万トンは社内使用、残りはバローレック社が購入)


住友金属工業株式会社ホームページはこちら