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PRORETA 3:事故を回避する車両に関する3回目の研究プロジェクトが終了【コンチネンタル・オートモーティブ】
2014年10月28日
● 個々の支援システムのネットワーク化:コンチネンタルとダルムシュタット工科大学は、ドライバー支援や自動操縦の包括的な概念について研究
● PRORETA 3は、安全運転の回廊内を車が走行し続けるシステムを進化させることを目的とし、協調自動化と呼ばれる技術を研究することで自動運転操作が可能に
● 革新的なヒューマン・マシン・インターフェイスが、システムの状態を直感的に把握し、ドライバーと車両との間のタスクを分配
*本プレスリリースは、現地時間2014年9月11日に、ドイツ・グリースハイムで発表した内容の参考訳です。万が一、英文原文と意味合いが異なる部分がある場合には英文が優先されます。
国際的な自動車部品サプライヤーのコンチネンタルとダルムシュタット工科大学(TU)は、3年半にわたって行われた研究プロジェクトPRORETA 3において、ドライバー支援や自動操作の包括的な概念を研究しました。ダルムシュタット工科大学の自動車工学研究所の所長兼PRORETA 3のプロジェクトマネージャーであるハーマン・ヴィナー(Professor Dr. Hermann Winner)は「これまで、車線維持支援や前方衝突警告などの支援システムは、車両内で独立した個別のシステムとして機能していました。PRORETA 3では、機能を強化する目的でドライバー支援システムを統合した結果、機能的な相乗効果が生まれました」と述べています。コンチネンタルのシャシー&セーフティー部門のシステム&テクノロジーの責任者であるペーター・リート(Dr. Peter Rieth)は「この統合によって、車両内の既存のセンサーインフラを最適に利用できるようになります。研究車両のドライバーは、事故を回避するという究極の目的のもと、安全走行と安全支援のための完全なシステムによってサポートされています」と述べています。さらに、ドライバーの負担を取り除いて彼らが運転時の状況に対処するのを支援する、革新的な情報や警告の概念について研究が行われました。PRORETA 3の研究成果と研究車両がグリースハイムのアウグスト・オイラー飛行場(ドイツ・ダルムシュタット近く)に展示されました。
運転中、交通規制に準拠した安全運転の回廊内を車が永続的に走行します。これは、安全回廊と呼ばれ、何らかの介入がない限り維持されます。危機的な状況が発生した場合にシステムが介入して警告を発するか、必要に応じて是正的な操作が実施されます。例えば、スピードを出しすぎた状態で障害物が突如現れた場合や、交差点や建設現場に差し掛かった場合、さらには曲がり角での運転や間違った進行方向への運転、または赤信号を無視した運転時などが挙げられます。
この安全回廊に関しては、PRORETA 3の概念の中で車両が使用できる自由な空間が定義されています。このモデルでは、他の車両、道路の境界、障害物だけでなく、道路の車線区分線の予測される位置を考慮します。これらのあらゆる情報を活用して車両の軌道が計算されます。ドライバーを支援し潜在的な危険から保護する一貫したドライバー支援の概念は、これらの軌道の調節と、ドライバー向けにヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)上に表示される情報によって構成されています。
PRORETA 3では、永続的な安全機能に加え、ドライバーに「協調自動化」オプションを提供しています。これは、操作を基礎とした、運転を部分的に自動化する方法です。ドライバーが命令すると、研究車両が縦方向および横方向の動きを引き継いで運転そのものを行います。これらには、車線変更や交差点を曲がる運転操作の両方が含まれます。たとえば、交差点を曲がる操作を車に任せるには、交差点まで一定の距離がある時点で方向指示器を作動させるだけで、運転操作が自動的に実行されます。「そのような運転操作レベルでの自動化の概念が実際の研究車両に実装できたのは、今回のPRORETA 3が初めてです」とヴィナー教授は述べています。
PRORETA 3の研究車両では、革新的な情報と警告の概念についての研究が行われました。プロジェクト計器クラスタ、警告信号音と連携した360度のライトストリップ、AFFP(アクセル力フィードバックペダル、Accelerator Force Feedback Pedal)は、現在の支援モードや関連する危険状態についてドライバーに直感的に知らせます。車内カメラはドライバーの視線の動きを継続的に分析します。視線の方向に応じて、「ライトコメット」と呼ばれる機能を活用してドライバーの注意を危機的な交通状況に明確に引き寄せます。「これらの革新的な計器が透過的に機能することで、ドライバーが新しい機能に迅速かつ簡単に慣れることができるのです」と、コンチネンタルのインテリア部門のインテリアエレクトロニクスソリューション責任者であるラルフ・レニンガー(Ralf Lenniger)は述べています。
共同研究の長い伝統- 12年にわたるプロジェクト
PRORETA3は2011年に開始されました。これは、事故を回避する車両に関して、コンチネンタルとダルムシュタット工科大学との間で実施された3回目の学際的な研究プロジェクトです。参加したダルムシュタット工科大学の機関には、自動車技術、人間工学、制御方式、ロボティクス、さらには制御工学やメカトロニクスなどが含まれます。
1回目のPRORETAプロジェクト(2002~2006年)では、緊急ブレーキや、静止車両や走行車両などの障害物の回避に関する支援の概念に着目しました。PRORETA 2(2006~2009年)では、対向車との事故を防止できる追い越し支援機能が導入されました。ダルムシュタット工科大学(旧Technische Hochschule)とコンチネンタルは、1980年代から共同で研究プロジェクトを実施してきました。
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