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2台の電気自動車「e-up!」と「e-Golf」を日本に導入【フォルクスワーゲン グループ ジャパン】

2014年10月14日

国内唯一の5ナンバー、4ドアの「e-up!」、「e-Golf」はEVの新たなスタンダードに

フォルクスワーゲン グループ ジャパン ㈱(代表取締役社長:庄司 茂、本社:愛知県豊橋市、略称:VGJ)は、国内の電気自動車(以下:EV)市場では唯一、5ナンバーサイズとなる4ドアハッチバックの「e-up!(イー・アップ!)」と、世界のベンチマークカーである「ゴルフ」のEV 仕様である「e-Golf(イー・ゴルフ)」の2モデルを来年日本に導入します。「e-up!」の全国希望小売価格は366万9千円(税込)で、2015年2月1日(日)から全国のフォルクスワーゲン正規ディーラーで受注を開始します(納車は年央の予定)。一方、「e-Golf」については、発売は2015年年央の予定で、今回はモデルの仕様、諸元などの製品情報を公開し、価格については、後日あらためて発表します。

[e-up!とe-Golf を皮切りに、日本でも電動パワートレインの導入を加速]

環境先進国のドイツを拠点に、世界的な自動車の生産と販売を行うフォルクスワーゲンAG(本社:ドイツ連邦共和国ニーダーザクセン州 ウォルフスブルグ市)は、化石燃料に依存しない次世代モビリティへのひとつの回答として「EV」を開発、商品化し、今後、ますます多様化が進む社会や個人のライフスタイルに対応するとともに、地球規模における自動車による環境負荷の低減に対応してまいります。フォルクスワーゲンは、これまでも内燃機関の効率を大幅に向上させたダウンサイジング エンジンのTSI(ガソリン直噴過給エンジン)やTDI(ディーゼルエンジン)と、デュアルクラッチ トランスミッション(DSG)などの革新的なパワートレイン技術を開発して、二酸化炭素(以下:CO2)の排出削減を進めてきました。VGJも、輸入車ブランドNo.1の販売シェアを維持する日本市場において、フォルクスワーゲンならではの高い完成度を持つ魅力的なEV やプラグイン ハイブリッド(以下:PHEV)など、環境負荷の少ないクルマを導入することで、これまで以上に、クルマ本来の運転する楽しさとエコを両立したライフスタイルを力強くサポートするとともに、より多くのお客様の共感を得ながら、「持続可能なモビリティ」を加速してまいります。

[ “e-drive for everyone.” ― 電気自動車を特別なものにしない ―]

フォルクスワーゲンは、自動車メーカーとしての経済および環境における責任を果たし、持続可能なモビリティを実現するために、これまでもさまざまな企業努力を行ってきました。自動車の開発と製造については、近年、従来型のガソリン、ディーゼルエンジンなど、内燃機関のダウンサイジングを世界に先駆けて商品化するとともに、車体構造の大胆なモジュール化に取り組み、抜本的に自動車の生産方法を見直してきました。例えば、スモールカーの「up!」では、開発当初から電気自動車用システムの搭載を想定し、同様に「ゴルフ」でも、「モジュラートランスバース マトリックス(以下“MQB”)」と呼ばれるモジュラー設計を考案し、内燃機関をはじめ、ハイブリッドやPHEV、電気、天然ガス、さらに燃料電池など幅広いパワートレインを搭載できるようにしています。このように、“MQB”などを採用したことで、車両設計の自由度が増し、それぞれの市場のニーズに合わせて、デザインやパワートレインを柔軟に選択できるとともに、世界的に高品質なクルマを適切な価格でお客様に提供できるようになりました。
もともと、初代「ビートル」や「ゴルフ」など、「ピープルズカー(人々のためのクルマ)」を世界中の人々に提供してきたフォルクスワーゲンが、「e-up!」と「e-Golf」など、現代を代表する「フォルクスワーゲン」をベースに電動化した理由は、価格や航続距離などの課題はあるものの、排気ガスを出さず、クリーンかつ静粛性に優れた電気自動車は、一定のお客様のニーズを満たし、新しいモビリティとして受け入れられる可能性があると判断したためです。
フォルクスワーゲンのEVは、これまでの内燃機関を搭載するクルマと同じように容易に扱え、気持ち良く運転できるため、EVが決して「未来」のクルマではなく、条件さえあえば、誰もが日常的に乗れる時代が近づいていることを予感させてくれます。今後は、バッテリーの性能向上やコストの低減、航続距離の大幅な改善も見込まれることから、EVやPHEVが、そのシェアを大きく伸ばすであろうと予測されています。ドイツ政府は、2020年までに100 万台のEV、PHEVを普及させる目標を掲げています。フォルクスワーゲンも2020年には、総生産台数の3%前後がEVやPHEVになると予測しています。限りある化石燃料からの再生可能エネルギーへのシフトや地球温暖化ガスの削減という地球規模の課題を克服するためには、いまから“eモビリティ社会”に向けた準備を加速していかなければなりません。

e-up!
環境に優しい究極のシティコミューター

「e-up!」は、全長わずか3.54mのシティコミューター、「up!(アップ!)」をベースに電動化したEVです。この「e-up!」の大きな特徴は、運転のし易さとシンプルでバランスの取れたデザインです。そして、特別なEV専用車ではないため、ドライバーは違和感なく、これまでにない静けさの中で、フォルクスワーゲンの最新EVをストレスなく運転することができます。「e-up!」は、エネルギー容量18.7kWhのリチウムイオン電池(重量:230kg)を床下にバランスよく配置した結果、スモールカーの常識を超える高い安定感と上質な乗り心地を実現しています。204個のセルで構成されるバッテリーは、最大出力60kW(82ps)、最大トルク210Nmの性能を持つ小型モーターに最大374Vの電圧を供給し、12.4秒で時速100キロ、最高速度の130km/hまで力強く、スムーズに加速させます。
満充電時の航続可能距離は、走行及び気象条件などによって異なりますが、JC08モードでは185kmとなっています。
また、専用のドライビングプロファイル機能により、ドライバーは、「Normal」、「ECO」、「ECO+」という3つの走行モードを自由に選択して、より省電力な走行を行うことで、航続距離を少しでも長く伸ばすことができます。 そのほかにも「e-up!」には、フォルクスワーゲンEV ファミリーのアイデンティティである専用のデザインと、ユニークな機能のひとつである4段階の回生ブレーキシステムを搭載するほか、200Vの普通充電ポートと外出時の急を要する充電にも対応できるよう、日本の急速充電規格である“CHAdeMO”用の充電ポートを標準装備しています。充電量がゼロの状態から満充電までに要する時間は、200Vの普通充電で約8時間、急速充電では、約30分で約80%充電することができます。なお、「e-up!」と「e-Golf」に搭載する電気モーター、ギアボックス、バッテリーシステム、付属電子装置ならびに制御ソフトなどは、すべて、フォルクスワーゲンが自社で開発、製造しています。

e-Golf
環境への負荷が最も少ない究極のゴルフ

「e-Golf」は、フォルクスワーゲンの革新的な生産モジュールである“MQB”に基づいて開発された、来るべき次世代フォルクスワーゲンの最先端を走るモデルです。昨年、輸入車初となる“日本カー・オブ・ザ・イヤー2013-2014”(日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会主催 : http://www.jcoty.org/)の栄冠に輝いたことで、世界的なベンチマークカーとしてのポジションを確固たるものにした7 世代目の「ゴルフ」をベースに電動化しています。
「e-up!」同様、床下にバランスよくリチウムイオン電池を配置したことで、電動化との相乗効果も加わり、さらなる静粛性と重厚感、安定した乗り心地を実現しています。エネルギー容量24.2kWh のリチウムイオン電池の重量は318kgで、264個のセルで構成されています。最大出力85kW(116ps)、最大トルク270Nmの小型モーターには、最大323Vの電圧が供給され、車重1.5トンの「e-Golf」を、わずか10.4秒で時速100キロ、最高速度の140km/hまで加速させます。
満充電時の航続可能距離は、走行、気象条件などにより異なりますが、JC08モードで215kmとなっています。
「e-Golf」の外観も「e-up!」と同じように、フォルクスワーゲンEV のデザイン アイデンティティを踏襲するとともに、インテリアもシートステッチにイメージカラーの“ブルー”をアクセントとして用いています。充電ポートも2個(普通充電200V+急速充電CHAdeMO)標準装着しています。充電量がゼロの状態から満充電までにかかる時間は、200Vの普通充電で約9時間、急速充電では、約30分で約80%充電できます。
「e-Golf」に搭載するフォルクスワーゲン純正インフォテイメントシステム“Discover Pro”は、電力消費およびエネルギーの回生状況をモニタリングして、航続可能距離をわかり易く表示するとともに、車両のセッティングによる電力消費も計算して、バッテリーを再充電しなくても往復できる可能性があるエリアを360°で表示します。さらに、外出先で充電したい場合には、充電スポットの地図表示機能を使うと、最寄りの充電スポットを案内、表示します。
「e-Golf」は安全面も万全です。昨年6月から販売を開始した日本仕様の「ゴルフ」に標準装備する最先端の安全技術、プリクラッシュブレーキシステム“Front Assist Plus”と追突時の二次被害を軽減するためのマルチコリジョンブレーキシステムに加え、事故発生の直前に、自動的にシートベルトを巻き上げたり、開いている窓やスライディングルーフを閉めるプロアクティブ・オキュパント・プロテクションなども、すべて「e-Golf」に標準装着しています。そのほかにも、「e-up!」同様、ドライビングプロファイル機能と4 段階の回生ブレーキの選択が可能であることに加え、日本仕様には、冬季の暖房による電力消費を抑えるためのヒートポンプを標準搭載しています。

VW e-mobilityに共通する装備など

◇ フォルクスワーゲン EVファミリーの証し
「電気自動車を特別なクルマにしない」ことを前提にしながらも、フォルクスワーゲンは、それぞれのEVモデルに、フォルクスワーゲンEVファミリーとしての統一したアイデンティティを持たせています。たとえば、フォルクスワーゲンEVファミリーのイメージカラーである“ブルー”を内外装の随所に採用していること。そして、より“電力消費(以下:電費)に有利なエアロダイナミクス(空力特性)が得られるよう、専用のエクステリアを採用していることです。


◇ エクステリア

ベースモデルの「up!」と「ゴルフ」も、それぞれ、エアロダイナミクスに優れた個性的なデザインを採用していますが、フォルクスワーゲンのEVファミリーは、さらに“電費”に有利になるよう、細部に渡るチューニングを行っています。
まず、エクステリアでは、エアロダイナミクスに優れた専用デザインのフロントおよびリヤバンパー、アルミホイールを採用しています。その中でも特に印象的なのが、フロントバンパーの両サイドに装着されたアルファベットの「C」字型をしたLEDランプです*2(リヤはC 字型の赤色リフレクター)。 ひと目でフォルクスワーゲンEVと識別できるこのLEDランプは、フォルクスワーゲンのEVをより個性的に演出するだけでなく、オーナーの「EVを所有する気持ち」そのものを高めることでしょう。
とくに「e-Golf」の場合、フロントのラジエターグリルから左右のヘッドライトハウジングの両端まで、スポーツモデルの「GTI」と同じように、ストライプが水平に引かれていますが、その色は「GTI」のイメージカラーである“レッド”から、“ブルー”に変更されています。これにより、ほかの「ゴルフ」シリーズに比べ、クールでインテリジェントな雰囲気を醸し出しています。
*2 e-up!はリフレクター(反射板)になります。


◇ インテリア

インテリアも随所にフォルクスワーゲンEV ファミリーの証しである“ブルー”のアクセントが入れられています。一見、普通のフォルクスワーゲンのように見えますが、EV特有の高い静粛性に包まれた室内に座って、あらためて周囲を見渡すと、フォルクスワーゲンEVのイメージカラーである“ブルー”のアクセントが鮮やかに目に飛び込み、クールさとともに、フォルクスワーゲンのEV がもたらす新しい生活への期待感が高まってくるでしょう。ベースモデルとの大きな違いは、インストゥルメントパネルの計器類です。もはやエンジンを搭載しないEVであるため、左側のタコメーターは、
バッテリーの充放電状況をアナログ表示するものに代わっています。同様に液体燃料も搭載しないので、右側の燃料メーターの「給油機」マークが「バッテリーマーク」に変わっています。そのほかの違いは、システム全体のエネルギーの流れをリアルタイムにデジタル表示するエネルギーフローメーターを各車標準装備していることです。「e-up!」では、センターコンソールのEV 専用ディスプレイ“touch+more”(タッチアンドモア)に表示されますが、「e-Golf」の場合は、ナビ画面と同じ、純正インフォテイメントシステム“Discover Pro(ディスカバープロ)”の画面上に表示されます。


◇ 3つのドライブモード
フォルクスワーゲンのEVは、交通状況やドライバーの意思で「Normal」、「ECO」、「ECO+」という3つの走行モードを自由に選択できるドライビングプロファイル機能が付いています。始動時は自動的に「Normal」モードになります。
それぞれに搭載するバッテリー容量と電気モーターで性能は異なりますが、基本的に「ECO」モードは、アクセルの反応がフラットになり、エアコンの効きも制限されます。一方、「ECO+」モードを選択すると、アクセルの反応は、さらにフラットになり、エアコンは機能を停止します。そして、「ECO」、「ECO+」モードでは、出力と最高速度が制限されます。
各モデルの作動モードの詳細は、下記一覧表をご参照ください。


◇ 強さを選べるユニークな回生ブレーキ
フォルクスワーゲンは、たとえEVでも、走る楽しみを決してあきらめませんでした。そのため、ブレーキの回生力は、従来のエンジンブレーキのように4 段階で自由に調整できます。「D1」、「D2」、「D3」の順に強くなる回生ブレーキは、シフトレバーで操作しますが、「B」モードでは、アクセルから足を離した瞬間から最大の回生ブレーキが働き、強烈なストッピングパワーで積極的にエネルギーを回生します。また、回生力の強い「D2」、「D3」および「B」モードを使用している時は、回生ブレーキの作動とともに車両後方のストップランプが点灯し、後続車に注意を促します。


◇ 2つの充電用コンセント
フォルクスワーゲンのEVファミリーは、それぞれ2つの充電ポートを車両側に装着しています。ひとつは家庭でも充電できる200Vの普通充電用ポートで、もうひとつは、日本の急速充電規格である“CHAdeMO”用の充電ポートです。
200Vの普通充電用ポートの取付位置は、「e-up!」の場合、ボンネットを開け、正面奥のバルクヘッド(従来のエンジンルームと客室の隔壁)部分にあります。一方、「e-Golf」は、フロントのラジエターグリル中央にあるVW エンブレムの奥に設置されており、充電する際は、プッシュ・オープン式のエンブレムを開けて充電ソケットを差し込みます。一方、急速充電の“CHAdeMO”用充電ポートは、「e-up!」、「e-Golf」ともに、従来のガソリン給油口の部分に設置してあり、使用する際は、プッシュ・オープン式のフューエルリッドを開けてから、しっかりと充電ソケットを差し込みます。


◇ 安心のロングライフ保証。バッテリーは8年16万キロ
フォルクスワーゲンのEVファミリーである「e-up!」、「e-Golf」も、これまでのフォルクスワーゲン同様、万全の保証体制で、お客様の新しいVW e-モビリティ ライフをサポートします。まず、高電圧バッテリーの保証期間は8年間、16万キロ*3です。そして、フォルクスワーゲン全車に共通する「安心パッケージ」には、3年間、走行無制限の一般保証と、365日24時間対応のエマージェンシーアシスタンスとカスタマーセンターのご利用、3年間の塗装保証と最大12年間のサビ穴保証が含まれています。この「安心パッケージ」に加え、初度登録から初回車検前までの法定及びメーカー指定点検で生じる工賃と定期交換部品の交換工賃が無償になる「フォルクスワーゲン プロフェッショナルケア」という2つの無償プログラムで、お客様のVW e-モビリティライフをサポートします。また、初回車検(3年目)以降の一般保証を1年単位で延長できる有償プログラム「延長サービスプラス(最大2年間)」もご利用いただけます。
*3 使用できる容量が70%以上の場合、保証の対象になりません。


◇ touch + more(e-up!のみ)
「e-up!」には、バッテリーの充放電など、エネルギーフローの状況をリアルタイムに表示するEV専用のディスプレイ「touch+more(タッチアンドモア)」が、センターコンソールに付いています。そのほかにも、このディスプレイには、ドライバーの運転状況を常に監視して、より最適なエコドライブができるようアドバイスする「Think Blue.トレーニング」機能を搭載しています。また、お客様の快適なVW e-モビリティ ライフをサポートする機能として、ご自宅のパソコンやスマートフォンのアプリを利用して車両の状況を監視できることに加え、予約充電や運転前のエアコン(冷暖房)操作が行えるeリモートサービス“Car-Net”(3年間無料) もご利用いただけます。


◇ 家庭用普通充電器の設置に信頼のパートナー
フォルクスワーゲンは、日本国内でのEV導入に合わせ、「e-up!」、「e-Golf」をご購入いただいたお客様に、ご家庭でも安心かつ安全に充電できる環境を整えるために、フォルクスワーゲンが推奨する家庭用充電器の設置会社として、これまで国内外の自動車メーカーで数多くの実績を持つ“株式会社JM”と“トヨタホーム株式会社”の2社に各家庭での施工確認、設置工事などに関するサポートまでの業務全般を委託することになりました。


[e-up!とe-Golf の主要諸元、装備など]







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