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ブレーキ事業の欧州ビジネス競争力強化に向けた投資に関するお知らせ【日清紡ホールディングス】
2014年10月1日
今般、日清紡ホールディングス㈱(以下、当社)では、コア事業のひとつであるブレーキ事業で欧州ビジネスの競争力を強化するため、ドイツ連結子会社であるTMD Friction EsCo GmbH(ドイツ・ノルトライン=ベストファーレン州、以下EsCo社)の生産拠点であるレバークーゼン拠点とエッセン拠点を1拠点に統合するとともに、最新の生産設備導入のための設備投資を決議しましたのでお知らせします。
当社は、2011年に世界有数の摩擦材メーカーTMD Friction Group S.A.(以下、TMD社)を買収し、自動車ブレーキ用摩擦材の世界シェアでナンバーワン・メーカーの地位を獲得しました。中国、北米に次ぐ世界第3位の自動車販売台数をもつ地域である欧州は、底堅い新車販売台数と継続的な補用パーツ需要があり、欧州自動車メーカーの世界戦略の中心として引き続き重要なポジションに位置付けられます。
銅規制対応
欧州カーメーカーにおいては、一部車種で銅規制対応材(※)の採用がスタートしています。銅規制対応は、「環境・エネルギーカンパニー」である当社にとって地球環境保護に資する大きなテーマであるだけではなく、今後摩擦材市場の動向に影響を与える重要テーマでもあります。今回の投資計画は、この銅規制対応を見据えたものです。
欧州市場で特に強みをもつTMD社は、自動車用ブレーキ摩擦材の銅使用規制に対応した次世代の摩擦材の開発に成功し、2014年より欧州自動車メーカーの一部車両に採用され量産を開始しました。銅規制対応材は、今後世界レベルで採用拡大が見込まれており、高品質な環境対応製品を高効率に供給できる体制づくりが、競争優位の確立のためには急務かつ不可欠です。
拠点再整備
レバークーゼン市とエッセン市にあるEsCo社の2つの生産拠点を再整備します。レバークーゼン拠点をTMD社のグループ管理とR&D機能に特化する一方、生産機能はエッセン拠点に集約し、銅規制対応材などを生産するために最新の生産設備を導入します。また、レバークーゼン拠点の従業員はエッセン拠点へ配置転換します。
投資額
今回の投資額は、53百万ユーロ(約74億円)を予定しており、2017年末までにエッセン拠点への移転・集約を完了させます。さらに需給動向を見ながら順次段階的に追加投資を行い、最新の生産設備を拡充し、お客様であるカーメーカーのご要望にお応えしてまいります。
本件に伴う当期連結業績への影響については、現在精査中であり、詳細が明確になり次第お知らせいたします。
※ 銅使用規制とは、米カリフォルニア州の法規制で、2021年以降銅含有量5%以上の摩擦材製品の販売および新車への組み付けを禁止し、2025年以降銅含有量0.5%以上の摩擦材製品の販売および新車への組み付けを禁止するものです。今後他州においても同様の規制が進む可能性があります。
(参考)TMD Friction EsCo GmbH 会社概要
(1) 会社名 : TMD Friction EsCo GmbH
(2) 所在地 : ドイツ連邦共和国 ノルトライン=ベストファーレン州 レバークーゼン市
(3) 資本金 : 25,000ユーロ
(4) 設立時期 : 2009年
(5) 従業員数 : 900名(2014年5月時点)
(6) 事業内容 : 乗用車用ディスクパッド等の製造・販売
〔問合せ先〕
日清紡ホールディングス㈱ IR広報グループ
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