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高周波焼入装置用「高性能磁性コア」を開発 【NTN】

2014年8月26日

独自配合の複合材料と特殊な圧縮成形技術で、業界最高の性能を達成

様々な形状に加工可能な「高性能磁性コア」

NTN㈱(以下、NTN)は、鉄粉の表面に熱硬化性樹脂*1をコーティングし、圧縮成形することで、業界最高の磁気特性と強度を有する「高性能磁性コア」を開発しました。
軸受やギヤをはじめとする機械部品は、強度向上のため熱処理を施し、信頼性を高めています。中でも、自動車に代表される駆動装置関連の部品は、複雑な形状が多い上に、特定部位に強度が必要とされるため、熱処理では高周波誘導加熱(高周波焼入れ)*2によって必要な部位のみ焼入れします。高周波焼入装置の加熱コイル部には、熱処理時間の短縮や焼入れ精度の向上に貢献する「コア」と呼ばれる磁性材が取り付けられますが、材料強度が弱く加工工数やマテリアルロスの多さに課題がありました。
今回開発した「高性能磁性コア」は、粉末冶金用の鉄粉を磁性粉末として用い、独自の配合で熱硬化性樹脂を添加、造粒処理することで鉄粉表面に絶縁被膜を施しています。また、特殊な圧縮成形と加熱硬化により被膜の破壊を抑えます。
これにより、粉末同士の接触を低減することができ、市販品に対して磁気特性の指標である飽和磁束密度*3が10%、比透磁率*4は30%向上し、鉄損*5も15%低減、業界最高の磁気特性を達成しました。また、圧環強度も市販品比5倍となり、コアの切削加工や取り扱いが大幅に向上しました。開発品の採用により、高周波焼入れの効率が向上し、より高精度な焼入れが可能になることで、熱処理時間の短縮に加えて加工部品の強度や硬度も高められます。
「高性能磁性コア」は、既にNTN社内での装置に採用しておりますが、新たに高周波焼入装置メーカや高周波熱処理加工会社への販売を開始しました。高周波焼入れは、化石燃料や洗浄剤が不要なクリーンな熱処理として注目されており、本開発品を採用することで高周波焼入装置の性能向上に貢献できるよう販売活動を強化してまいります。

*1)   加熱すると重合を起こして硬化する樹脂。
*2)  高周波の電磁波により電磁誘導を起こし、金属表面を加熱させて焼入れする熱処理の手法。
*3)  磁場の方向に垂直な単位面積あたりに得られる磁束の限界値。
*4)  真空の透磁率との比であり、磁束密度の大きさと磁場の強さの比である透磁率の大きさを比べる尺度。
*5)  磁性材料のコアを持つコイルにおいて、そのコアに発生する損失のことであり、磁気ヒステリシスと渦電流によって電力が熱となって消費され、エネルギーが損失すること。

特長

業界最高の磁気特性と強度(市販品比)
(1)飽和磁束密度 : 10%向上
(2)比透磁率 : 30%向上
(3)鉄損:15%低減
(4)圧環強度:5倍

用途

ドライブシャフト、クランクシャフト、ギヤ等機械部品用高周波焼入れコイル

お問い合わせ先

複合材料商品事業部  営業技術部    TEL 0567-40-5932






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#2014年8月26日