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様々な道路状況を再現可能な世界初の本格的テスト施設「AstaZero」の開業により、 事故の無い未来の実現へ一歩近づく【ボルボ・カー・ジャパン】

2014年8月25日

今夏スウェーデンにオープンしたAstaZeroは世界初となる本格的なセーフティソリューションのテスト施設です。この施設の開業により、「2020年までに新しいボルボ車において交通事故による死亡者や重傷者をゼロにする」という安全目標「ビジョン2020」に向けて、ボルボは一歩前進します。



ボルボが掲げるビジョンを達成するためには、事故を防ぐアクティブ・セーフティ・システムの開発が重要な鍵となります。スウェーデン西部のボルボ・カー本社の近くに開設されたAstaZeroテスト施設は、アクティブ・セーフティ・システムの開発を主眼としています。

AstaZeroの施設の最も優れた点は、その柔軟性です。さまざまな環境の組み合わせが可能となるように設計されています。「現実世界の道路で起こりうる、あらゆるタイプのシナリオをシュミレーションすることが可能です。これほどのオプションを備えたテスト施設は他にはありません」AstaZeroのペーター・ウォーリンCEOはこう述べています。

AstaZeroは、混雑した市街地の道路、幹線道路、多車線の高速道路、交差点など、幅広いテスト条件を再現可能です。他の自動車、歩行者、自転車、原付、オートバイ、トラック、バス、そして突然飛び出してくる動物といった、動く障害物と自車との相対関係を研究する上で、これらの条件を再現できることはきわめて重要となります。複雑な交通状況や高速でのテストが含まれる実験では、ロボットがテスト車両を運転します。

「実際の状況下での安全性に関するテストを行うことは、当社のアクティブ・セーフティ・システム開発において不可欠です」ボルボ・カー・セーフティ・センターのアンドレス・アクセルソンは続けます。「この施設は、いくつもの重要な役割を担うことになるでしょう。事故を起こさない車の開発という当社のセーフティ・ビジョンの実現に貢献するだけでなく、歩行者や自転車といったドライバー以外の人たちへの更なる安全機能の開発にも役立つことになるでしょう」


研究開発
AstaZeroの大きな役割のひとつは、次世代のセーフティ・テクノロジーの研究開発基盤となることです。ここではボルボが大学や産業パートナーと連携し、自動車の戦略的研究やイノベーションプロジェクトから、ターゲットを絞ったリサーチプロジェクトまで、幅広いイニシアティブ開発に取り組みます。

AstaZeroの目的には、運転をより快適にするための改善や事故の減少につながるインテリジェント・ドライバー・サポート・システム、自動運転テクノロジーの開発とテストも含まれます。さらに、ドライバーの不注意や疲労などによる事故をさらに防ぐ、先進システムの開発も進行しています。

2020年に目標を達成するというのは、少し野心的かもしれません。しかしボルボがこう考えるのには、確かな根拠があります。実際に私たちは、革新的なセーフティソリューションを既に公開しています。私たちの目指す未来は、そう遠くないかもしれません。

アンドレス・アクセルソンは確信をもってこう語ります。「スウェーデンの自動車産業は、アクティブ・セーフティ分野で最前線にあります。AstaZeroのおかげで、私たちは主導的立場を保ち続けることができるでしょう。当社は世界で唯一、交通事故ゼロという目標の達成時期を定めている自動車メーカーです。そしてスウェーデンは、世界で唯一、交通事故ゼロという目標を政府がサポートしている国家なのです」


AstaZeroについて
AstaZero ABは、5億スウェーデン・クローナを投じてスウェーデンのイェーテボリ郊外に建設された、最新鋭のテスト施設です。学校、産業界、官公庁の協力によって設立されたAstaZeroは、世界中の自動車メーカー、サプライヤー、国会議員、道路担当職員、大学、技術研究所といった、関連するすべてのステークホルダーのため、オープンで国際的なプラットフォームとして機能します。AstaZeroの産業パートナーは、ボルボ・カー・グループ、ボルボ・グループ、スカニア、オートリブ、テスト・サイト・スウェーデンで構成されています。Astaという名称はActive Safety Test Area(アクティブ・セーフティー・テスト・エリア:アクティブ・セーフティのためのテスト施設)の頭文字を取ったもので、交通事故ゼロを目指すという目標にちなんで名付けられました。


設計
AstaZeroの全面積は200万平方メートルで、うち25万平方メートルが舗装されています。施設は40×25メートルの4つのブロックに分かれており、周囲を取り囲む5.7キロメートルの道路で結ばれています。直径240メートルにおよぶ円形の高速走行エリアも用意され、このエリアを出ると、700メートルの多車線道路につながっています。



テスト環境
郊外の道路
郊外の道路では10カ所の異なるポイントが開閉し、車の前に物体が飛び出すようになっています。このエリアは、異なる状況におけるドライバーの様々な動作をテストするために特別にデザインされており、隠れていた物体が飛び出してくる状況を再現するのに適しています。T字路が2か所、交差点が1か所用意され、利用者の要望に会わせて特定の言語に変更できる標識が立てられています。また、バスの停留所と待避所が2か所設けられています。



都市部
都市部は主に、自動車が周囲環境にどれだけ適応できるか、すなわちバス、自転車、歩行者、その他の道路利用者との事故を避けることができるかをテストするために使用されます。そのため、このエリアは道幅や車線の変化、バス停、歩道、バイク専用道路、街路灯、建物の風景といった、都市の中心部を再現した多くのサブエリアで構成されています。また都市部の道路システムにはラウンドアバウト、T字路、折り返し、実験エリアといった、異なる種類のテスト環境が用意されています。



多車線道路
多車線道路は、4つのレーンで構成されています。距離約300メートル、道幅7メートルのこの道路は高速エリアへと続いており、加速することが可能です。また全長の長い車両向けの折り返しエリアも用意されています。多車線道路では車線変更、衝突、接触といったシナリオに会わせて、いくつかの異なるテストを行うことができます。



高速エリア

施設の中心部に位置する高速エリアには、加速可能な道路が2本用意されています。加速可能な道路は全長が約1キロとなっています。また多車線道路を加速に利用することで、3つの異なる方向から高速エリアに侵入できるようになっています。主にこのエリアは、超高速運転中に回避操作を行うような状況で、車両特性(ビークルダイナミクス)を調べるために用いられます。




「AstaZero」ホームページ
http://www.astazero.com






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