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スバルのハイブリッド車向けモーターHILSシステムが米NI社のコンテストで部門賞とEngineering Grand Challenges賞を受賞【日本ナショナルインスツルメンツ】

2014年8月20日

 米NI社のアプリケーションコンテストで、スバルのハイブリッド車向けモーターHILSシステムが部門賞、Engineering Grand Challenges賞を受賞しました。
 スバルの真髄とも言える安全性に対する高い意識、革新的技術、モノづくりに対するたゆまぬ姿勢が高く評価され、今回の受賞につながりました。

日本ナショナルインスツルメンツ㈱(本社:東京都港区、代表取締役:池田 亮太、以下 日本NI)は8月21日、米国テキサス州オースティンで開催されたNIWeek 2014(注1)のアプリケーションコンテスト「Engineering Impact Award(注2)」において、富士重工業㈱(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:吉永 泰之、以下富士重工業)HEV設計部 森田 知洋氏の作品「NI FlexRIOでハイブリッド車向けのモーターHILSを構築」が運輸/自動車/重機部門の部門賞とEngineering Grand Challenges Award(注3)を受賞したことを発表します。

今回、富士重工業の森田氏が受賞した作品は、スバル初のハイブリッドカー「SUBARU XV HYBRID」の開発に、実機なしで制御ソフトウェアの検証が行えるNIのHILS (hardware in the loop simulation)ソリューションを採用することにより、試験のセットアップにかかる工数、実行時間の大幅な削減、異常挙動に対する保護機能の広範なテストを実現したというものです。また、NI LabVIEW FPGAモジュールNI FlexRIO(注4)を使用したことで、開発当初の目標でもあったシミュレーション分解能1.2マイクロ秒(注5)も実現しています。


複雑な動作条件や再現困難な故障状況を確実に再現

ソフトウェアの要求を検証するための大量のテストケースを、マニュアルで、高い精度・再現性でもって実行することは困難です。通常の運転状況では行われないような操作も想定して、あらゆる条件でテストを行い、モーターの挙動を制御するアルゴリズムを作りこまなければなりません。

実機では故障状況を再現するのも困難ですし、故障の危険性もあります。実機の代わ りにモータモデルでシミュレーションが行えるHILSシステムを採用することにより、様々な故障状況を仮想的に作りだし、それに対する制御アルゴリズムの 作成・検証をくまなく行えるようになりました。このHILSシステムの開発にはNI LabVIEW FPGAモジュールというソフトを使用し、VHDLの専門家の手を借りなくても、従来モーターのテストに関わってきたエンジニアの手でプログラミングも行 うことができ、使用者の思い通りにシステムが組めました。


開発担当者 HEV設計部 森田 知洋氏のコメント

NIのHILシステムを採用することで、SUBARUのミッションである「安心と愉しさ」の提供に貢献できました。


日本NI代表取締役 池田 亮太のコメント

今回のダブル受賞について、ソリューションの提供側として、非常に喜ばしく思っております。当該システムの開発にあたっては、従来よりも質量ともに多岐にわたるテストが必要で、それを全てこなしてあらゆる制御要求・要件・仕様を満たすためには、テストの自動化が必須であったと伺っております。このような厳しいテスト要件に対応できるシステム開発に関与できたことは弊社にとってもこの上ない喜びです。


【当該事例の詳細】

「NI FlexRIOでハイブリッド車向けのモーターHILSを構築」
http://sine.ni.com/cs/app/doc/p/id/cs-15821

(注1) NIWeek
米ナショナルインスツルメンツ社が毎年開催するテクニカルイベント。世界中から3,000名以上のエンジニア、科学者、研究者が集い、NIの最新製品はもとより、計測・制御分野の最新技術が展示される。今年は開催20回目を数える。

(注2)Engineering Impact Award
Engineering Impact Award:Graphical System Design Achievement Awardから改称。通算7回目の開催となる。今年は世界中から選りすぐりの120作品の応募があった。

(注3)NI Engineering Grand Challenges Award
Engineering Impact Awardで授与される賞の一つ。世界中から寄せられたアプリケーション開発例の中でも、最も明確に、グラフィカルシステム開発プラットフォームを活用することで世界規模のエコシステムにプラスの影響を与えていることを示していると判断された開発例に授与される。

(注4)NI FlexRIO
NIのRIO(再構成可能I/O)ハードウェアの一形態で、オンボード処理とリアルタイム解析に適している。NI LabVIEWでプログラミングできるため、ローレベルのハードウェア記述言語やボードレベルの設計の専門知識がなくても、I/Oのカスタムタイミング、信号処理・制御を含むソリューションを迅速に作成することができる。

(注5)シミュレーション分解能
シミュレータを一回まわすのにかかる時間。これが1.2マイクロ秒を超えてしまうと、ECUがモーターに「異常」があると判断してしまい、モーターの制御を停止してしまうため、今回の開発では1.2マイクロ秒の分解能が必要とされた。


富士重工業㈱スバル自動車部門について

富士重工業㈱のスバル自動車部門は、1958年の「スバル360」の発売以来、一貫してあらゆる環境の下での高い安全性能、優れた走行性能、合理的なパッケージングを追求してきました。水平対向エンジンとシンメトリカルAWDが生み出す走行安定性によるアクティブセイフティ、運転支援システムEyeSightによるプリクラッシュセイフティ、各国の第三者評価機関で最高評価を獲得している衝突安全性能によるパッシブセイフティを総合したオールアラウンドセイフティの考え方により「誰もが安心して運転できるクルマ」を追求し続けています。さらに環境問題に対しては今回開発したSUBARU XV HYBRIDをはじめとして「安心と愉しさ」の実現を追求し続けています。

日本ナショナルインスツルメンツについて
ナショナルインスツルメンツ(NI)は、1976年以来、柔軟で優れたテクノロジソリューションを提供し、世界中のエンジニアの生産性向上とイノベーションを後押ししてきました。ハードウェアとソフトウェアを統合したNIのプラットフォームは、ヘルスケアや自動車、家庭用電化製品から素粒子物理学にいたるまで、あらゆる業界で活用され、社会の発展に貢献しています。 日本ナショナルインスツルメンツ(japan.ni.com)は、NIの日本法人です。






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