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コンチネンタルとシェフラー社、革新的なマイルドハイブリッドを発表【コンチネンタル・オートモーティブ】
2014年5月8日
システムは個々の部品の総和に勝る :
● コンティネンタルとシェフラー社がウィーンで「ガソリン技術車(Gasoline Technology Car:GTC)」を共同発表
● 最新の調査によると、現在利用可能な主なマイルドハイブリッド化技術を用いたGTCは、代表的な低燃費車両と比較して最大17%燃料消費量を削減可能
● 統合的な技術により、運転に関する目に見える利点として「1 + 1 = 3」効果を持っている
*本プレスリリースは、現地時間2014年5月8日に、ドイツ・レーゲンスブルク、ヘルツォーゲンアウラッハ、オーストリア・ウィーンで発表した内容の参考訳です。 万が一、英文原文と意味合いが異なる部分がある場合には英文が優先されます。
国際的自動車部品サプライヤーの2社であるコンティネンタルとシェフラー社は、第35回国際ウィーンモーターシンポジウム(2014年5月8~9日開催)の会場で、ガソリン技術車(GTC)を発表しました。このGTC共同プロジェクトでは、重要なマイルドハイブリッド技術をネットワークで統合することで、燃料消費とCO2排出をいかに削減できるかについて、ダウンサイズ3シリンダガソリンエンジンであるFord Focus 1.0 l EcoBoostを搭載して燃費を高めた車と比較しても、燃費をさらに17%も向上できることを実演しました。
コンティネンタルの取締役会メンバーでパワートレイン部門のプレジデントを務めるホセ・アヴィラ(José Avila)は、「この水準のハイブリット化を実現するために、コンティネンタルとシェフラー社のポートフォリオから重要な技術をGTCの中に統合し、体系的にネットワーク化しました。その結果、車におけるこの技術戦略の可能性を強調するような車両が実現しました。そしてそのエンジンは、効率性と性能が認められ、『2012年と2013年の国際エンジンオブザイヤー』にノミネートされました」と述べています。
シェフラー社の重役会メンバーで研究開発の責任者であるピーター・グッツマー(Prof. Peter Gutzmer)は、エンジンを差別化する要因を次のように述べています。「GTCにおけるコンポーネント間および技術間の相互作用のおかげで、燃料消費量および運転しやすさの観点からその効果を活用することで、路上での目に見える利点をドライバーに示すことができます。」これらの自動車部品サプライヤーは、GTCの統合的アプローチを採用することで、全体は部分の総和に勝ることを強調しており、1 + 1 = 3という式が、この効果を要約しています。
統合アプローチの主な要素
プロジェクトパートナーは、GTCのパワートレインエンジニアリングのあらゆる側面を最適化し、コンティネンタルの噴射ユニットとエンジン制御ユニットを適合させることで、基準車のシステムを置き換えています。革新的なコンポーネントや技術も多く追加されました。重要な役割を果たしているのは、マイルドハイブリッド化としてのコンティネンタルの48 Vエコドライブシステムと、シェフラー社のパワートランスミッションおよび熱管理モジュール用の電子クラッチ(eクラッチ)です。これらのコンポーネントが、エンジン内の摩擦損失を減らすための装置と、電気的に加熱可能な触媒コンバーター(Emitec) とで補完されています。このようなコンポーネントおよびインテリジェントな動作戦略によって、GTCのプロトタイプは、燃料効率を全体で17%向上させただけでなく、まもなく施行となるEuro 6cの排出基準(2017/2018) が規定する制限を満たしています。
改造され、噴射タイミングを厳格に最適化した動作戦略にもかかわらず、3シリンダ、1.0リットルエンジンの運転しやすさを確保し、その他のハイブリッドな運転ストラテジーを使用できるように、GTCは、独立した2つ目の駆動装置である48 Vエコドライブシステムを採用しています。これには、統合されたデカップリングテンショナー付き電動モーターも搭載されています。電気トラクションモーター/発電機は、改造したベルト駆動経由で内燃機関に接続されています。DC/DCコンバーターは、リチウムイオン電池(二次電池設計)によって、12 Vの電圧レベルと48 Vの端部との間の電気エネルギーの流れを促進しています。このハイブリッド化は、ターボラグのない魅力的な応答性を確保するために、より低いRPM範囲での電気的な燃焼機関(eブースト機能)をサポートしています。48 Vの高効率な回生がその基礎となっています。NEDC(New European Driving Cycle)では、GTCは車両の電気系統に必要とされる推進力のほぼ2倍の値を回復することができます。
プロジェクトで実施されている厳格なデザイン・ツー・コスト方式に沿って、GTCのプロトタイプには従来の6速マニュアル変速装置が搭載されています。惰行などの省エネ機能もその運転ストラテジーの一部です。車両に統合されたシェフラー社の電子クラッチがこれを可能にしています。これにより、車の惰行中はドライブトレインからエンジンが切り離されます。このため、内燃機関が車両を減速しないため、より多くの運動エネルギーを回生に利用できます。
このエネルギーのおかげで、効率を向上させるためのその他の手段が容易になります。一つの例としては、電気的に加熱可能な触媒が挙げられます。これは、前の運転サイクルからの回生エネルギーを使用して、低温始動時に運転温度まで素早く上昇させます。
さらに、シェフラー社の環状スライド弁を使用した分割冷却アーキテクチャによって、GTCにおける段階的な熱管理が容易になります。これは、革新的なハイブリッド駆動戦略によってもたらされる課題を克服するためのものです。エンジンを一時的に冷却液サイクルから切り離すことで、より迅速に必要な温度まで上昇させるか、その温度を長く維持することができます。急速な温度上昇により、エンジンの摩擦損失が低減します。これにより、摩擦が最適化されたコンポーネントと同様の目的である効率が向上します。将来を考慮した運転ストラテジーの一部として、予期される回生期 (下り坂) の間は冷却をオフに切り替えることもできます。
GTCで使用されるコンティネンタルの標準的なエンジン制御ユニットは、運転ストラテジーを含むマイルドハイブリッドコンポーネントを制御する複雑なジョブにおいて内燃機関を休ませるような設計にもなっています。このエンジン制御ユニットは、次期のEMS 3戦略で重点的に扱われる予定です。そのAUTOSARベースのオープンシステムアーキテクチャは、ハイブリッド化および電動化との組み合わせでさまざまな分割スキームと電子トポロジを柔軟にサポートします。
マニュアルトランスミッションによって、ドライバー、最適化された個々のコンポーネント、および車両の機能が同調すると、車の最高の効率が得られます。そのため、エンジン制御ユニットは、ダウンスピード指向のスイッチ点を推奨します。追加の電気駆動トルクによって、運転のしやすさに悪影響を受けることなく、ドライバーはこれらのスイッチ点を使用し、実際に路上における正真正銘の燃費の向上を実現できるようになります。
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