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ナノ結晶構造制御型エラストマー 「ノティオ®SN」の事業化について【三井化学】

2011年8月9日

当社(社長:田中 稔一)は、自動車材、包装材、建材等に使用されるエラストマー製品(軟質高分子素材)の製造、販売を行っております。このたび、新製品としてシンジオタクチック構造のエラストマー「ノティオ®SN」(英文名 NOTIO™SN)を事業化することを決定しましたので、お知らせいたします。

ノティオ®SNの概要

製品 : ナノ結晶構造制御型エラストマー

商標 : ノティオ®SN(英文名 NOTIO™SN)

製造設備 : 市原工場内既存プラント

技術 : 自社技術(メタロセン触媒)

スケジュール : 販売開始 2011年4月

売上高目標 : 10億円以上

当社は、メタロセン触媒を利用して結晶構造をナノオーダーで制御したα-オレフィン系エラストマー「ノティオ®PN」を販売しております。ノティオ®PNは透明性とともに耐熱性、柔軟性、ゴム弾性に優れ、シート、フィルム、ホース、チューブ、各種パッキンなどに使用されています。

一方、今般事業化を決定した「ノティオ®SN」は分子鎖がシンジオタクチック構造を有し、ノティオ®PNの特長に加え、従来のオレフィン系エラストマーに比べ格段に優れた耐摩耗性、耐傷付性を発現します。また成形性についても、押出成形での適性に加え、カレンダー成形(回転ロールでの圧延成形)にも非常に適する素材となりました。
ノティオ®SNは、従来のオレフィンポリマーでは持ち得なかった上記の特長を兼ね備えたことから、合成皮革・レザー用途への展開が期待されます。
ノティオ®SNで作られた合成皮革・レザーは、軽量、耐久性、耐水性、フタル酸エステル(可塑剤の一種)フリー、有機溶剤フリー、無臭気性等の特長を有します。さらに、ノティオ® SNは他のオレフィンポリマーとの相溶性も優れ、それらを配合することで、柔軟性の調整、加工条件の調整が容易に行え、またオレフィンポリマー用添加剤、充填剤、着色剤の配合も容易に行うことができます。既に行ってきた合成皮革・レザー用途でのテストマーケティングにおいても有力顧客から高い評価を得ており、自動車、鞄、家具、履物、衣料、文具向け等に大きなポテンシャルを有すると考えております。

当社は、ノティオ®SNの用途開発を積極的に推し進め、本製品をエラストマー事業における次世代の基幹製品に育成していく方針です。


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