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自動車走行中の雑音が多い環境下においても、音声入力で快適なカーナビ操作を実現する雑音除去技術を開発【NEC】

2014年4月18日

NECは、自動車走行中の雑音が多い環境下においても、音声による快適なカーナビ操作を可能とする、新たな雑音除去技術を開発しました。

現在、スマートデバイスを音声で操作する機能(音声入力)が普及しており、特に自動車運転中など手を離せない場面での使用ニーズが高まっています。しかし、自動車走行中におけるエアコンの使用や、窓を開けた状態では、周囲の雑音のため音声入力が正しく動作しないことが多く、精度向上が求められています。

本技術は、音声入力での機器操作を行う際、最適な場所に配置した2つのマイクで音を拾い、二段階の処理で雑音を除去した上で、声のモデルを用いて機械が認識しやすい音声に調整することで、従来に比べ、5倍(注1)雑音が多い環境においても音声認識ができるようになります。これにより、エアコンを作動させたままでの走行や、窓を開けての走行など、雑音が多い環境下でも快適なカーナビ操作を実現します。

NECは社会ソリューション事業に注力する中、音声技術の研究を進めており、音声認識、雑音除去などの分野で世界トップレベルの技術力を有しています(注2)。今後、本技術を店舗や工場など幅広い場面での応用を目指し、研究開発を進めて行きます。

背景

機械により人の声(音声)を捉える「音声認識」の精度を高めるには、人の話し方や話題に対応する技術(適応技術)や、環境により変化するさまざまな雑音に対応する技術(耐雑音技術)が必要です。これらの技術を組み合わせることで、より精度の高い音声認識が実現します。

今回開発した新技術は耐雑音の領域にあたり、自動車内の環境に適用するものです。エアコンなど自動車内特有の雑音源の位置を考慮し、最適な場所にマイクを配置します。また、二段階での高精度な雑音除去処理を行い、さらに独自の音声モデルを用いて音声認識に適した音声に調整することで、走行中など、雑音の多い環境下での音声による、より正確なカーナビ操作を可能にします。

新技術の特長


1. 雑音発生源の場所に合わせマイクを最適配置し、正確に雑音を抽出
エアコンなど自動車内特有の雑音源の位置や車内に設置するマイクへの音の伝わり方を分析し、2つのマイクを前後に配置。前方から流れてくる雑音と話者の音声をより区別して拾いやすくし、効率的な雑音除去処理を実現。

2. 二段階での雑音処理により、細かな雑音まで除去
2つのマイクで検知した信号(話者の声+雑音)に対し、二段階に分けた雑音除去処理を実施。第一段階で、2つのマイクに入る雑音の相関(注3)を利用して、時間とともに変化する雑音も正確に捉え、主要な雑音を的確に抽出・除去。第二段階では、消し残した雑音を、2つのマイクに入る話者の声の相関を利用して除去。雑音の性質に応じた二段階の除去処理を行うことで、高精度な雑音処理を実現。

3. 2つの音声モデルを自動選択し、雑音除去後の音声を認識しやすく調整
雑音除去を行ったことで、音に歪みが発生して認識が難しくなった音声に対して、NEC独自の、2つの音声モデルに基づいて、話者の声を強調する技術を開発。具体的には、人が話す声の成分とその変化をモデル化し、音の歪みに応じて、2つのモデルを自動選択することで、音声認識に適した音に調整。


NECグループは、「2015中期経営計画」をもとに、人が豊かに生きるための安全・安心・効率的・公平な社会の実現に向け、ICTを活用した高度な社会インフラを提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進し、「社会価値創造型企業」として、社会の様々な課題解決に貢献していきます。


(注1) NECの測定環境による比較。
(注2) 「NECの音声認識技術について」
http://www.nec.co.jp/rd/innovative/speech/top.html

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