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NTTデータと中国科学院ソフトウエア研究所が交通分野での共同研究を開始【NTTデータ】
2014年1月15日
~中国の交通状況に対応した交通管理用の動画解析技術高度化に関する共同研究~
㈱NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本 敏男、以下NTTデータ)と中国科学院ソフトウエア研究所(Institute of Software, Chinese Academy of Sciences、本社:中国・北京市、所長:Prof. LI Mingshu、以下ISCAS)は、交通管理用の動画解析技術の高度化に関する共同研究を、2014年1月14日より開始しました。本研究は、中国の交通状況に対応した交通モニタリングを行うための動画解析アルゴリズムの構築を目的としたものです。
両者は本共同研究を進めることで、中国における交通管理ソリューションのビジネス展開を共同で促進していきます。本共同研究の当初の成果については、2014年4月に発表する予定です。
背景
近年、中国では経済成長や都市化により都市部の急速なモータリゼーションが進んでいます。中国国内における2013年の自動車販売台数は世界の販売総量の1/4を占めるまでに至り、これと同時に都市部の交通渋滞や環境対策などが解決するべき課題となっています。このような背景の下、カーナビの実証実験やETCの普及が進められており、さらに高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems:ITS)注1による公共交通管理や道路交通管制の整備も進められています。
NTTデータでは、2011年に中国・北京市新交通情報システム技術実証実験を行いました。また公共交通管理や道路交通管制を目的として、エコ運転支援システム、マルチモーダル交通案内システム注2、渋滞予測・制御シミュレーションシステム、カメラ動画分析ソリューション「UCaST」注3などの海外展開を目指しています。
ISCASは、中国における交通に関する知見はもとより、統計分析処理における高度な技術を保有しており、交通分野のプロジェクトの豊富な実績をベースに、これら成果を活用したビジネス展開を目指しています。
そして今回NTTデータとISCASは両者の知見をもとに、交通モニタリングに関する共同研究を実施することとしました。
研究概要
中国都市部における渋滞等の交通状況を解決するためには、中国特有の交通事情(多量で多種な自動車、電気二輪車、交通ルール、道路設計など)において、車両の特定、走行速度の検出、事故・違法車の検知などを行う必要があります。本共同研究の目的は、NTTデータとISCAS双方の分析技術の知見を生かし、NTTデータが保有するUCaSTをベースに中国の交通事情に対応した交通動画解析技術を確立することです。ISCASは中国市場に鑑み、交通動画解析が備えるべき要件・機能の設計を担当し、NTTデータとISCASは、その要件・機能に基づいた動画解析アルゴリズムを構築します。
今後について
NTTデータとISCASは2014年4月に本研究の結果を発表予定です。両者は、今後も交通分野における技術開発を連携して進めることで、中国における交通管理ソリューションのビジネス展開を推進していきます。
参考
NTTデータについて
NTTデータは情報技術で、世界中の新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現を目指しています。お客さまの夢を実現するパートナーとして、提案からシステムづくり、その先の活用に至るまでトータルなサービスを提供しています。またグローバル展開を加速するお客さまのビジネスを世界中でサポートするために、現在世界35カ国をカバーするサービス体制を構築しています。
ISCASについて
ISCASは、中華人民共和国国務院直属の研究機関である中国科学院の管轄先の一つであり、コンピューター科学、ソフトウエアを研究する唯一の国立研究所です。1985年に中国の国家研究機関である中国科学院内に設置されました。中国のシリコンバレーとも呼ばれる中関村に位置しています。約750名のメンバーで構成され、コンピューターサイエンス理論やソフトウエア先端技術とその応用に関する研究を行っているほか、人材育成先として、コンピューター科学、ソフトウエアプロセスの昼間制専門学位の修士育成機関や、電子情報分野における初めての博士育成機関、ならびにポスト博士課程科学研究拠点も設置しています。これまでに、基礎的な研究からビジネスに近い研究まで幅広く技術開発を行っており、海外の大学・研究機関や企業との連携も積極的に進めており、米、欧、日、オーストラリアなど40数各国・地域との幅広い科学技術交流と連携関係を構築してきました。
注釈
注1 高速道路交通システム(ITS)とは、人と道路と車両間の情報ネットワークにより、交通事故、渋滞などといった道路交通問題を解決する交通システムです。
注2 マルチモーダル交通案内システムとは、複数の交通機関情報の連携のもと、案内を行うシステムです。
注3 UCaSTは、東京大学生産技術研究所・上條研究室にて研究・開発された「時空間MRF技術」を用い、道路管理の現場ニーズに合わせ、NTTデータ独自の応用技術を統合したサービスモデルです。
・ 「UCaST」は、日本国内における㈱NTTデータの登録商標です。
・ その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
ニュースリリースについて
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