ニュース
リモートアクセスキー開発で20年の歴史【コンチネンタル・オートモーティブ】
2013年12月10日
● 今日のトレンドは、デザイン性およびさまざまな機能装備
● 近距離無線通信(NFC)により、車やスマートフォン/タブレットからリモートアクセスキーにデータを送信可能
● 20年以上にわたり車両キー開発で業界をリード
大手自動車産業サプライヤー、コンチネンタルのオートモーティブグループの前身であるシーメンスオートモーティブ(Siemens Automotive)は、20年前に世界で初めて乗用車向けリモートアクセスキーの量産を開始しました。そして、コンチネンタルは今日においても、リモートコントロール式の車両アクセスシステム技術における、世界有数の開発企業の1社です。コンチネンタル・コーポレーション インテリア部門 ボディ&セキュリティ事業部 責任者のアンドレアス・ヴォルフ (Andreas Wolf)は、「コンチネンタルは、車両キーの開発において、この20年間で数多くの規格を定めてきました」と、これまでの開発事業を総括しています。さらに、ヴォルフは「たとえば、車両キーのパーソナライズ化を加速しています。今日、ドライバーは、シートやハンドルといったドライビングポジション、さらには好みのラジオ選局などの個人設定を保存できます。これらの設定は、車両ロック解除時に自動的にセットされます」と述べています。コンチネンタルは全世界に活動拠点を拡大しており、組織レベルで世界中のあらゆる市場において最新の技術且つ市場のニーズに合わせた製品開発能力を備えています。毎年約2,000万個の車両向け電子キーが生産される中、同社はこのセグメントにおける豊富な経験を有しています。
デザインおよび機能のトレンドを生み出す
コンチネンタルは、その高い技術力により、最新のトレンドを生み出しています。最も際立つトレンドの1つとして、リモートアクセスキーが見た目にも、触った感じでもさらに「洗練」されていることが挙げられます。たとえば、キーの表面は、代表的な素材であるプラスチックに加え、ステンレス鋼、つや消しアルミニウム、ガラス、皮革、およびセラミックなど多岐にわたります。また、コンポーネントの小型化もさらに進められています。この一例が、2012年にコンティネンタルが韓国の自動車メーカーである起亜自動車の高級セダン向けに開発した、厚さわずか3.4 mmのキーカードです。財布にも収まるこのキーカードは、パッシブスタートおよびエントリー機能がある、パッシブアクセス制御システム(PASE)などを含む電子機器がタイトなフィット感を実現し、破損に対する高い耐久性を備えるため、プラスチックで成型されています。一方で、他の市場では、ある程度のサイズと人目を引くデザインのキーへの需要が多く見受けられます。
レーゲンスブルクに拠点を置く車両キーの開発チームの分析によると、機能の範囲が拡大する傾向にあると考えられています。たとえば、車両ロックを自動解除する機能は、近い将来、標準装備になると予想されます。車載システムがキーの位置を常に監視することで、最大6 mの距離から車両の起動や、シート調節、外部ライトを消点灯、さらにはドライバーが車の後部に近づいた際にトランクを開けるなどのパーソナライズ化された機能に対しても適用が可能になります。
近い将来、車両キーは近距離無線通信(NFC)をも組み込むでしょう。コンチネンタルがすでに量産向けに開発したNFCインターフェースにより、車両またはスマートフォン/タブレットからリモートアクセスキーにデータを送信できます。これにより、PC上で計算したルートを簡単に車のナビゲーションデバイスに送信することや、リモートアクセスキーに保存されたデータをNFC経由でスマートフォン/タブレットに読み出すこと、スマートフォンを追加の「車両のキー」として使用することなど、さまざまな新しい用途の可能性が広がります。また、スマートフォン/タブレット機器とキーの一体化により、キー本体を受け渡す必要性がなくなる為、レンタカーやカーシェアリング向けに手頃なオプションが提供されます。これに付随して、カメラおよびセンサーが人物の特徴を記録し、それらを許可されたドライバーのデータと照合できるような生体認証機能をもつシステムに関する技術革新も引き続き進められています。
キーレスロック解除からリモートによる状態確認
リモートアクセスキーにおけるハイテク機能およびデザインは、1993年当時の製品と比較して大幅に進化しました。当時のリモート機能は、従来のキーの補足的な役割に過ぎませんでした。遠隔操作は、主に車両へのアクセスを容易にし、鍵の部分の汚れや、ドアロックの凍結など複雑な要因に対応することを目的としていました。その後、コンチネンタルは新機能の追加に向けてリモート技術の拡張を開始しました。個々のドアロック解除や、内外照明を点灯する機能が追加された他、イモビライザーの統合や、パーソナライズ化に対応するさまざまなオプションも追加されました。また、機能の範囲が広がると同時に、デザイン性も考慮されるようになりました。
コンチネンタルのリモートアクセスキーの技術革新におけるさらなる節目として挙げられるのが、1999年のPASEと呼ばれるパッシブアクセス制御システムの導入でした。キーが車両に接近すると自動的に車両と通信を行う技術です。キーが認証されると車両のロックを解除し、スタートボタンでエンジンを始動させられます。「1999年に初めてパッシブアクセス制御システムを導入したコンチネンタルは、以来、この分野における世界有数のサプライヤーの1社となっています。」と、ヴォルフは述べています。
コンチネンタルは、さらに技術革新を進め、2006年に最初の双方向で情報を取得する車両キーを開発しました。ドライバーは、たとえば車両のロック状態をリモートアクセスキー上の表示ランプで確認可能になりました。今日、その後継システムは、ドライバーが最大300 m離れている状態でも、車両のステータスや気象情報を取得する機能を搭載しています。コンチネンタルは、近い将来、この情報取得の範囲を1,000mまで拡大する予定です。
また、ヴォルフは、広範に渡るシステム開発アプローチについての重要性を次のように説明しています。「リモートアクセスキーは、電子装置だけでなく、ハードウェア、ソフトウェア、さらに暗号技術が組み合わされて構成されています。このシステムは、車載の受信機、キーを検出する複数のアンテナ、そして電子制御ユニットが一体となり機能しています。コンチネンタルでは、これらのすべての部品を単体で提供しつつ、異なる無線周波数の処理や、干渉源からのシステム保護などを施し、あらゆる車載電子システムとスムーズな統合を可能にします。」
コンチネンタル・オートモーティブ株式会社ホームページはこちら