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シェフラーの音響技能センターに、新たな試験設備を導入【シェフラージャパン】
2013年12月2日
シェフラーの音響技能センターに、新たな試験設備を導入
ヘルツォーゲンアウラッハ発――シェフラーは、ヘルツォーゲンアウラッハの技術開発センター内に設置された音響技能センターに音響試験設備を追加導入し、同センターの拡張を行いました。床面積180平方メートルのスペースは、最先端の測定/計算処理技術を備えた試験室が3室と、「揺動室」1室で構成されています。
CTO(最高技術責任者)であるペーター・グッツマーは、新しい施設の開設を歓迎して次のように述べています。「シェフラーの専門知識を、音響面でも物理的な設備面でもさらに拡大するものです。ヘルツォーゲンアウラッハに開設されたこの新しい音響センターにより、グローバル規模でネットワーク化されているシェフラーの開発活動のため、そして、これまで以上に顧客の要望に沿うため、最適な環境を作り上げました」
特に駆動技術の分野では、個々のシステムコンポーネントが摩擦を抑えて静粛に動作するかについて顧客の関心が高まる一方ですが、電動モーターの軸受や家電、オフィス機器の分野についてもこの点は同じです。
音響技能センターで働くシェフラーのエンジニアたちは、最先端の解析手法を駆使して不快な騒音の原因を探し、騒音の発生場所や発生方法、また開発の初期段階での騒音発生防止について、重要な手がかりを提供します。代表的な仕事としては、、自動車のドライブトレインやシャーシ内部、ボールねじ駆動装置やロールスタビライザーなどのコンポーネントで発生した騒音が空気中を伝わる様子や、振動挙動の調査などが挙げられます。エンジニアはまた、生産機械、風力タービン、水力発電所のほか、鉄道、医療技術、家電製品に使われているあらゆる種別、形状のすべり軸受やころがり軸受の検証も行っています。
音響試験のサービス・開発パートナーとして
研究開発能力およびサービス担当上級副社長アルボガスト・グルーナウは、ヘルツォーゲンアウラッハの音響技能センターに所属するチームも含めたシェフラーグループの音響研究ネットワークが、あらゆる種類の音響や振動試験、適切な最適化を行うためのサービス・開発パートナーとして評価した上で、「ここに集約された専門知識は、製造およびシステム開発における長年の経験の賜物であり、今後も成長を続けていきます」と述べています。これはすなわち、自動車および産業エンジニアリングのあらゆる領域における音響の問題に対して、迅速かつ的確に対応できることを意味します。さらに、次のように述べています。「私たちが持つ技能のネットワークを駆使して、重要な手段であるトレーニングやセミナーを通じて、当社の知識と経験を全世界に伝えていきます。このような方法により、騒音最適化に焦点を当てながら、当社が掲げる「Together we move the world」― 共に世界を動かそうというモットーに従って、全世界のシェフラーグループ全体に大きく貢献していきます」
構内の概要および設備
「ここには、空気や構造物を伝わる音を扱う高品質の音響センサーシステム、振動測定装置、高速カメラ、解析ソフトウェアを含む複数の計算・シミュレーションツールを始め、膨大な設備が揃っています」と、音響技能センター試験担当責任者アルフレート・ペッヒャーは述べています。
自動車音響試験用の大型試験室を始め、疲労試験室、膨大な数の調節手段を揃えた作業場が設けられた試験室の特徴は、「ルーム イン ルーム方式」にあります。床面積30~50平方メートルの試験室は、バネを仕込んだ立方体状になっており、建物の他の部分から独立して動ける仕組みになっています。つまり、建物の他の部分で起こっている振動から切り離すことが可能になります。最も大きい部屋の重量は130トンを上回ります。さらに、屋内の各部屋の壁は特に高密度(2,400 kg/m³)が要求されるため、スウェーデン製の特殊レンガが使われました。試験室内部の天井と壁には、音響スタッフが高精度での計測を行えるようにするため、厚さ最高35 cmの広帯域コンパクト吸音体(broadband compact absorber=BCA)が張られています。
「こうした構造を採用することで、外を通過するトラックの音など試験室に入り込む外部騒音を最小限に抑え、技術的に精度の高い測定結果を得ることも可能にしています」と、アルフレート・ペッヒャーは述べています。
自動車試験場 : 配達用バンのサイズの自動車まで、騒音技術の検証が可能。
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