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新しいブレンボのラリ-とグランツーリズモ用レーシング製品【ブレンボ・ジャパン】

2013年11月12日

ブレンボは、プロフェショナルモ-タ-ワ-ルドエキスポ2013で、新しいラリ-とグランツーリズモ用レーシング製品を発表。

新型GT キャリパー

ブレンボは、390mmディスクに装着可能なアルミニウム合金製6ピストン・フロントGT キャリパーを新たに投入し、レーシング製品のラインナップを充実させます。
このGT キャリパーは、64mmのワイドアンニュルスディスクとの組み合わせを前提にしたデザインを採 用致しました。さらに、従来の29mm厚のパッドではなく30mm厚のパッドの装着を可能にした仕様で デザインされています。その結果、耐久レースでのロングライフ化が可能となります。新しい重要な機能として、パッド交換用の革新的なクイックリリースシステムが採用されました。このシステムにより、メカニックは摩耗したパッドを極力安全に、そして速やかに交換できます。
この新型GT キャリパーのジオメトリーを最適化することにより軽量化を図りました。その結果ブレーキシステムの総重量が低減され、優れたパフォーマンスが常に発揮されます。
このキャリパーにもパッドウェエアセンサーの装着が可能です。

390mmフロントGT ディスク

ブレンボは新たに390mmのフロントディスクを投入し、そのレーシングディスクのラインナップを拡大します。このディスクは全く新しい製品であり、GT選手権に向けて開発されました。
直径390mmのディスクは、ブレンボにとって初めてのサイズです。ブレンボがこれまでに製造したレーシングディスクの直径は最大で380mmでした。サーフェースあたり幅については、標準タイプの53mm幅、ワイドアンニュルスの64mm幅のどちらもラインナップします。新しい素材から作られるこのディスクは、新たなベンチレーションデザインを採用するとともに、エアギャップが現行の17mmから18mmに拡大されています。この革新的なベンチレーションデザインは、放熱性の向上とディスクの軽量化を実現しています。

ストロークセンサー付きマスターシリンダー

ブレンボは研究および技術革新に絶えず全力を注いでいますが、そのひとつとして、レーシング・マスターシリンダーにマグネティックストロークセンサーを装着可能としました。
マグネティックストロークセンサーは、ブレーキシステムを効率良く分析するために役立つツールです。
ブレンボはセンサー付のマスターシリンダーセットと、マスターシリンダー単体並びにセンサー単体での供給を行います。

液冷式新型WRC キャリパー

ラリードライバーは、よりアグレッシブなコンパウンドを求めています。その要望に応えるべく、ブレンボは32/38mmピストンのアルミニウム合金からなる液冷式キャリパーを新たに開発しました。
WRCでのターマックの際、従来のキャリパーではブレーキシステムが十分に冷却されず、ドライバーによるブレーキングの際にコントロール性が損なわれる、という事から、液冷式キャリパーが求められるようになりました。
この液冷システムは、ブレンボがWRCの舞台で初めて採用するシステムであり、このシステムによりブレーキ 性能が確実に、大幅に向上します。実際、この新しいキャリパーでは温度が約80℃~100ºC度低下し、空冷式システムとの比較ではキャリパー温度は最大で45%も低下します。
この温度低下により、効力が高く摩擦係数の高いよりアグレッシブなコンパウンドのパッドを使用しても、キャリパーの過度のオーバヒートを防止できます。
この新しい液冷4ピストンキャリパーはビレットから機械加工されており、軽量構造を誇ります。外観は従来の キャリパーとさほど変わりませんが、この冷却方式のためにリザーバーおよび冷却液を循環させる放熱面など の新しい機能を備えています。
この構造による重量増加は、WRC用空冷キャリパーと比較した場合、わずか0.2kgに留まっています。この 構造が、大幅な温度低下と相まって、ブレーキシステムのパフォーマンスを向上させるのです。このWRC用液 冷キャリパーは、ドイツで開催されたWRC世界選手権で初めて使用され、好成績を収めました。

ラリー用軽量ディスク

ラリー用軽量ディスクは新しいタイプのディスクであり、最も過酷なレースである世界ラリー選手権のためにデ ザインされました。
このディスクは鋳鉄製であり、ベンチレーションのデザインを一から見直すことにより約20%の軽量化に成功し、さらに冷却フェーズの間、一層効率的な冷却風の流れを実現します。
このディスクには、直径300mmおよび355mmの2つのサイズの設定があります。
使用条件に応じて、各サイズの厚みを変更できます。
-  標準タイプ : 300mmディスク用の28mm厚および355mmディスク用の32mm厚。
-  軽量タイプ : 300mmディスク用の25.4mm厚および355mmディスク用の30mm厚。

ハンドブレーキ

ラリー車の装備をさらに充実させるために、ブレンボは、4WDラリー車専用のハンドブレーキを開発しました。
ブレンボ製のこのハンドブレーキには、2つのマスターシリンダーを並列に装備できます。1つはハンドブレーキ用、もう1つはデフのリリース用です。車体シャシーへの固定サポートは、アルミニウムのビレットから造られています。システムは、マスターシリンダーによる制動作用をデフのリリースとの関連で遅らせます。
その結果、トランスミッションから切離される際、リアホイールのみがロックされるのです。

ペダルボックスアセンブリ

新レーシングペダルボックスアセンブリは、ブレンボがレーシングカー向けに造り上げた全く新しい製品です。
ラリーレースを通じて設計・開発されたこのペダルボックスアセンブリは、当初はWRC およびGT 選手権のマシンに装備されていました。また、このペダルボックスは、最高のパフォーマンスを求められるあらゆるカテゴリーのマシンに適しているのです。
このペダルボックスはフロアマウント式の構造で、2分割された3本のペダルを装備しています。それらは「ブレーキ-クラッチ」および「アクセル」の2つのグループに分けられ、グループ毎に部品設定されています。「ブレーキ-クラッチ」グループは1本のスタッドでリンクされており、逆Y字形のブレーキペダルを備えています。
その結果、このシステムは最適な剛性を実現しています。車体への取り付けは2列に配された取り付け穴を使用する構造です。その結果、このシステムは軽量化され、取り付けも容易です。
「アクセル」ペダルグループのフレームは、「ブレーキ-クラッチ」グループのフレームから独立しています。この構造により、自由度の高い最適なレイアウトが可能です。「アクセル」ペダルグループはエレクトリックデュアルセンサーを備えており、メインセンサーが故障した場合でも確実に作動します。
このペダルボックスアセンブリの総重量は、僅か3.25kgです。
ブレンボは、僅かなディティールの違いが大きな違和感に繋がることを知っています。そのため、ペダルボックスアセンブリは様々な特徴があり、各ドライバーの要求するセッティングに合わせ、適合させることができるのです。実際、どちらのグループの場合でも、装着されるフルアジャスタブルなペダルとプレート、マスターシリンダー(プッシュタイプ)には様々な直径およびバージョンが用意されています。例えば「パフォーマンス」バージョンでは、マスターシリンダーのフリートラベルを調整しコントロールしています。
「ブレーキ-クラッチ」アセンブリにはオプションとして、ユーザーはリモートアジャスターを選択できます。リモートアジャスターはアクティブなブレーキバランスを実現するツールであり、2タイプの長さで用意されています。このツールを使うことで、ドライバーはコックピットから直接ブレーキ力の前後バランスを変更できます。すなわち、車体バランスを変更できるのです。

ブレンボ鍛造ラリーキャリパー

絶えず製品のイノベーションに取り組んでいるブレンボは、ラリー車専用の新しいキャリパーを開発しました。
ブレンボは、従来のノンベンチレーション式のラリー車用ブレーキキャリパーのデザインを最適化し、より効率的な熱交換を実現する新しいブレーキキャリパーを造り出したのです。
この鍛造ラリーキャリパーでは、ブレンボは、油圧系およびクーリングのためのホールを見直しました。このキャリパーでは、クーリング用エアダクトを装着する可能性も考慮されています。これらの機能により、ブレーキシス テムを非常に効率的に冷却できるのです。
このキャリパーは垂直にマウントされ、トレーリングおよびリーディングの両方向でのアセンブリが可能です。この構造により高い汎用性を実現し、各チームのマシンのレイアウトに最適なセットアップを選択できます。
ブレンボは、ご要望に応じて15%軽量のバージョンを提供することもできます。





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