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「後輪独立転舵システム」を開発【NTN】

2013年11月19日

【左右一体型の転舵角制御機能により車両走行性能を向上】

NTN㈱(以下、NTN)は、ステアバイワイヤ操舵システム*1*2の技術を後輪転舵にも応用し、左右一体型でありながら、トー角制御*3が可能な「後輪独立転舵システム」を開発しました。

自動車の後輪転舵は、高速走行時における車両安定や、中・低速走行時のコーナリング性能を向上させる機構で、すでに一部の高級車に搭載されています。後輪転舵の駆動には、電動アクチュエータが用いられ、後輪の左右を一括して1つのアクチュエータで転舵する「左右一体型」と、左右それぞれにアクチュエータを配置して転舵を行う「左右独立型」の2つの方式が存在します。

左右一体型では、前輪に対して後輪を同位相、あるいは逆位相に転舵する機能だけで、トーイン、トーアウトなどのトー角制御の機能はありませんでした。また、左右独立型は、ばね下重量*4が増加するため、乗り心地に悪影響するなど走行性能が低下する課題がありました。

今回開発した「後輪独立転舵システム」は、ステアバイワイヤ操舵システムの開発で培った技術を応用することで、左右一体型でありながら後輪転舵に加えてトー角制御が可能です。さらに、アクチュエータは車両側に設置するため、ばね下重量の増加がなく、乗り心地への影響もありません。

NTNは、本システムを小型車市場も視野に入れて、グローバル展開してまいります。なお、11月23日から東京ビッグサイトで開催される、第43回東京モータショー2013に参考出展いたします。

*1 : ステアバイワイヤ:ハンドルとステアリングギアボックス間の機械的なリンク機構を取り除き、ハンドルの操舵量を電気信号に変え、その量に応じて転舵アクチュエータを駆動してタイヤの向きを変える(転舵)システム。
*2 : プレスリリース:
http://www.ntn.co.jp/japan/news/news_files/new_products/news201100020.html
*3 : トー角制御:車両を上から見たとき、進行方向に対しタイヤ前端を内側(トーイン)または外側(トーアウト)に向ける角度制御。
*4 : ばね下重量:アーム部を含むサスペンションやタイヤ、ホイール、ブレーキなどのタイヤ周辺部材の重量

特長

(1) 後輪転舵およびトー角制御の機能を両立、コンパクト化
(2) 「左右一体型」の駆動方式でばね下重量への影響なし
(3) 後輪転舵およびトー角制御により走行性能を向上

用途

・  自動車の後輪転舵システム

お問い合わせ先

EVモジュール事業本部  事業推進部  TEL : 0538-21-1254

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