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インホイールモータを搭載した次世代EV用「マルチドライビング・システム」を開発【NTN】

2013年11月20日

【“その場回転”や“横方向移動”が可能で、時速60kmの走行を実現】

NTN㈱(以下、NTN)は、NTN独自の小型インホイールモータ(IWM)システムに、新たに開発したステアリングシステムを組み合わせた、次世代電気自動車(次世代EV)用「マルチドライビング・システム(MDS)」を開発しました。

IWMシステムは、モータと減速機を一体化してホイール内側に配置することで、モータの駆動力をタイヤに直接伝達する高い効率性と、車両レイアウトの自由度向上、室内空間の拡大、車両の軽量化などに寄与します。また、ドライブシャフトが不要になるため、車輪を真横に転舵した状態でも駆動が可能です。

NTNは、このようなIWMの特長を実証するため、4輪すべてにIWMと転舵アクチュエータを組み込んだコンセプトカー「Q’mo*」を2011年に試作。東京モーターショー2011で、“その場回転”や“横方向移動”を披露し、来場者の注目を集めました。このたび、コンセプトカー「Q’mo」の特徴的な走行を継承しながら実用性を高め、市街地走行を可能にする新しいステアリングシステムを搭載した「MDS」を開発。その機能を実証するため、二人乗りEVコミュータ『Q’moII』を製作しました。

新たに開発した「MDS」は、左右輪を1つのステアリング装置で転舵します。4輪すべてを“その場回転”や“横方向移動”に必要な角度へ転舵することと、安全に走行するためのステアリング部材の十分な強度と安全性を両立しています。また、サスペンションとの適合性を改善することで、車両の低重心化も達成し、時速60kmでの通常走行を実現しました。

NTNは、第43回東京モーターショー2013に「Q’moII」を出展し、“その場回転”や“横方向移動”などのデモ走行を行うことで、IWM駆動方式がもたらすEVの楽しさ、便利さを表現します。狭い道で方向転換や縦列駐車が簡単にできる特長を活かし、子育て世代や高齢者の近距離送迎や買い物を、また、観光地や空港、工場など敷地内での移動を想定し、今後、小型モビリティなど次世代EVに向けた本システムの活用を提案してまいります。

* 『Q’mo』(キューモ) : 「Q」+「mobility」。
「Q」は、「Quattro」4輪独立駆動・操舵や、「Quest」の探索・探求を表現。

2011年プレスリリース :
http://www.ntn.co.jp/japan/news/news_files/new_products/news201100108.html

特長

(1) IWMを内蔵する左右の車輪を真横まで転舵可能
⇒ 通常の走行モードに加え、“その場回転”と“横方向移動”を実現

(2) ステアリング部材の強度・安全性を十分確保するとともに、サスペンションとの適合性を改善し低重心化
⇒  時速60kmでの通常走行を実現

お問い合わせ先

EVモジュール事業本部  事業推進部  TEL : 0538-21-1254

お問い合わせフォーム

二人乗りEVコミュータ「Q’moII」

マルチドライビング・システムを搭載したEVコミュータ『Q’moII』
(その場回転の様子)


マルチドライビング・システムの移動モードと車輪の状態





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