ニュース

位置情報サービスのシステム設計を簡素化する新しいXtrinsic圧力センサを発表【フリースケール】

2011年7月8日

タブレットやスマート・モバイル、医療用/産業用機器で
新次元の先進位置情報アプリケーションを実現する高精度圧力センサ

2011年7月8日 – フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1、代表取締役社長:ディビッド M. ユーゼ)は、先進的なナビゲーション機能をはじめとして、GPSアシストやe911といった成長著しい位置情報サービスをさらに活用できるように、高度検知に対応した新しい高精度圧力センサ「Xtrinsic(エクストリンシック)MPL3115A2」を発表しました。MEMS(Micro-ElectroMechanical System)技術をベースとするこの圧力センサは、加速度センサや磁気センサと並びXtrinsicポートフォリオを構成します。スマート・モバイル・デバイスでは、このようなセンサ部品に対する需要が増大しており、圧力センサが加わることでさまざまなニーズへの対応が完備されます。

Xtrinsic MPL3115A2スマート・デジタル圧力センサは、圧力データと温度データをローカルで処理するため、アプリケーション・プロセッサに割り当てられる演算処理の要求量が抑えられ、その結果、ホスト・プロセッサによって直接管理される基本的なセンサを使ったシステムに比べて消費電力が大幅に削減されます。最新圧力センサは、FIFO(First-In, First-Out)メモリ・バッファ、2μAのスタンバイ・モード、8.5μAの低消費電力モードにより最適な効率を実現し、選択したプロセッサや出力データ・レートの状況に応じて消費電流を抑えることができます。

市場調査会社IHS iSuppliによると、民生用電子機器やモバイル・ハンドセットにおけるMEMS技術の需要は2011年に25.6%増大すると見込まれています。

IHS iSuppliの主席アナリストJérémie Bouchaud氏は、次のように述べています。「加速度センサやコンパス、ジャイロスコープと連動する圧力センサは、WiFi三角測量など他の位置情報技術と組み合わせることで、屋内用ナビゲーション・ソリューションの重要な構成要素となります。すでに2011年の段階で圧力センサを搭載したタブレットが登場していますが、2012年から2013年には、さらにスマートフォンやハンドセットにおいて圧力センサを活用したナビゲーション・システムが急速に普及すると予測されています。」

Xtrinsic MPL3115A2圧力センサは、先進的なハンドセットで人気が高まっているモバイル位置情報サービスに対応できるよう設計されています。30cmの解像度を備えており、高度変化を精密に検知できる機器が可能になります。たとえば、このセンサを携帯電話に搭載すれば、高層ビルやショッピング・モールの中でユーザがどの階にいるかが正確に検知できるようになるため、ユーザのごく身近な周囲を正確に反映した位置情報サービスが実現します。

スマート・モバイル・デバイス市場だけでなく、Xtrinsic MPL3115A2圧力センサは、ビジネス/産業環境での資産追跡管理や、緊急時の探索や救助活動における正確な位置情報の提供、卓上型の気象観測装置における気象変化の予測、住宅の冷暖房システムのモニタリングなど、さまざまなアプリケーションにも適しています。また、呼吸装置や健康状態のモニタリング/検知システムなどの医療アプリケーションにも理想的で、患者が家にいても他の場所にいてもその位置を特定することができます。

フリースケールの上席副社長兼RF、アナログおよびセンサ・グループのジェネラル・マネージャであるトム・デートリッヒは、次のように述べています。「フリースケールは、30年以上にわたりセンサ技術を牽引しており、常に先進的な性能を提供し、厳格な効率要件に対応してきました。スマートな機能と技術を統合したMPL3115A2は、使いやすさを実現しつつ、モバイル・デバイス市場の今後の発展の道を切り開きます。」

Xtrinsic MPL3115A2圧力センサについて

フリースケールのXtrinsic MPL3115A2圧力センサは、先進的な精度とサンプリング・レートを提供し、消費電力を抑えつつ、性能向上を実現しています。このデバイスは、気圧計、高度計として最大30cmの解像度で圧力を検知し、ユーザの好みに応じてメートルやパスカルでデジタル出力を行います。また、MPL3115A2センサは、各種の組込み機能をはじめとして、温度補償などユーザがプログラム可能なオプションを備え、最大128Hzの可変サンプリング・レートに対応します。

スマート機能としては、たとえば、しきい値検知に基づく2つの割込みにより自動でデータ収集を実行します。また、効率性を高めるため、自動ウェイク・モードとスリープ・モードを制御して、不要な電力使用を避けるようになっており、モバイル・デバイスや医療/セキュリティ・アプリケーション側でのデータ処理を必要としません。

フリースケールは長年にわたり自社の製品に対して長期製品サポートを提供しています。MPL3115A2デバイスは、フリースケールの長期製品供給プログラム(Product Longevity Program)の対象となっており、最低15年間の供給体制が保証されます。
諸条件の詳細については、www.freescale.com/productlongevityのWebサイトをご覧ください。

価格と供給、開発サポート

Xtrinsic MPL3115A2圧力センサは現在サンプル出荷中で、量産開始は2011年第3四半期を予定しています。1万個購入時の1個あたりの参考価格は、1.50ドル(USD)です。

フリースケールのSensor Toolboxは、加速度センサ、磁気センサ、圧力センサおよびタッチ・センサ向けに共通プラットフォームのハードウェア、ソフトウェアおよびアクセサリを提供します。KITSTBMPL3115A2開発ボードは、2011年第3四半期に出荷を開始する予定で、参考価格は75ドル(USD)です。また、Xtrinsic MPL3115A2圧力センサ開発ボードとUSBボードを同梱したDEMOSTBMPL3115A2も利用可能で、参考価格は99ドルです。

フリースケールのセンサ・ソリューションについて

フリースケールのXtrinsicセンサ・ソリューションは、30年以上に及ぶセンサ製品の技術革新を基盤としており、優れたセンサ性能、処理能力、ならびにカスタマイズ可能なソフトウェアの最適な組み合わせにより、スマートで個性的なセンサ・アプリケーションを可能にします。Xtrinsicセンサ・ソリューションの目的は、車載、民生および産業分野で増大するニーズに応えて、差別化を図る多様な製品ポートフォリオを提供することです。Xtrinsicソリューションは、競争の厳しい市場で製品の差別化を通じて成功する上で必要な機能性とインテリジェンスが理想的に統合されています。フリースケールのセンサ・ソリューションの詳細については、フリースケールのブログサイト「エンベデッド・ビート(The Embedded Beat)」より、センサの専門家であるマイケル・スタンリーとステファン・ジェルヴェ・デュクレの投稿記事をご覧ください。

フリースケール・セミコンダクタについて

フリースケール・セミコンダクタ(NYSE:FSL)は、自動車用、民生用、産業用、およびネットワーキング・マーケット向け組込み用半導体のデザインと製造の世界的リーダーです。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界各国で半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。
詳細は、http://www.freescale.com/(英語)、またはhttp://www.freescale.co.jp/(日本語)をご覧ください。