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マルチコアCPU搭載システムの性能と安全性を強化し、マルチOSの集約を実現するハイパーバイザを発表【メンター・グラフィックス・ジャパン】

2013年10月25日

メンター・グラフィックス・コーポレーション(本社: 米国オレゴン州、以下メンター・グラフィックス)は、車載インフォテイメント(IVI)システム、テレマティクス、ADAS(先進運転支援システム)、計装機器向けの新製品となるMentor® Embedded Hypervisorを発表しました。Mentor Embedded Hypervisorは、組込みアプリケーションおよびインテリジェントなコネクテッドデバイス向けに開発された、フットプリントの小さなType 1ハイパーバイザです。

Mentor Embedded Hypervisorを使用することにより、マルチコアプロセッサ上のアプリケーションを統合、集約させ、ARM®のTrustZone™を最大限に活用した高性能システムを構築できます。また、既存プロプライエタリソフトウェアの再利用と知的財産の保護を両立しつつ、オープンソースエコシステムの利点を活かすLinux®を統合した新システムの迅速な開発が可能になります。

自動車OEMとTier 1サプライヤ各社は、Mentor Embedded Hypervisorの導入により、Linux、AUTOSAR、リアルタイム、ベアメタルの各アプリケーションおよびサブシステムを組み合わせたシステムの設計が可能になります。Mentor Embedded Hypervisorは、Yocto Project対応のMentor Embedded LinuxおよびGENIVI準拠のMentor Embedded Automotive Technology Platformをサポートしており、Volcano AUTOSARソフトウェアおよびNucleus® RTOSもサポートします。メンター・グラフィックスは今後も、Yocto ProjectやGENIVIを含む技術や標準規格の最新動向を追尾し、積極的に対応していきます。

ロバート・ボッシュGmbHのカー・マルチメディア事業部においてエンジニアリングを統括するVice President兼AI(Automotive Navigation and Infotainment Systems)製品開発責任者を務めるAndree Zahir博士は、以下のように述べています。「メンター・グラフィックスは、Mentor Embedded Hypervisorに見られるように、技術への投資を継続しています。そのおかげで自動車サプライヤは、普及が見込まれるマルチコアSoCのメリットを享受し、クリティカルな機能の隔離/分離を維持したまま、1つのハードウェアユニットに、より多くの機能と接続性を搭載できるようになります。」

Mentor Embedded Hypervisorは、ARM TrustZoneをサポートし、メモリ、暗号/復号ブロック、キーボード/画面といったリソースをハードウェアベースで分割し、完全に独立したセキュアワールドの環境を確立します。性能が重要視されるアプリケーションに求められる、デバイスへの仮想アクセスと直接アクセスをサポートする柔軟なデバイスモデルを備えており、ゲストOS間通信のさまざまなメカニズムを用意しています。

「ARM Cortex®-Aプロセッサの高度なハードウェア機能上に構築された仮想化技術により、異なるワークロードを隔離し、システムの安全性を強化できます。安全性を念頭に置いて開発されたMentor Embedded Hypervisorにより、システム設計者は機能を集約して高価値サービスを提供するとともに、組込み機器のサイズ、重量、電力、コストを削減できます。」ARMにおいて組込みプロセッサ担当のVice Presidentを務めるKeith Clarke氏は、上記のように語っています。

Mentor Embedded Hypervisorのフレームワークは非常に柔軟性に富んでおり、シングルコアまたはマルチコアのプロセッサアーキテクチャ上で実行できるほか、AMP(非対称マルチプロセッシング)、SMP(対称マルチプロセッシング)、AMPとSMPの組合せをサポートしています。Mentor Embedded Hypervisorとシリコンベンダが提供する最新SoCの組み合わせは、先端ハードウェアプラットフォーム上での開発を加速する統合ソリューションを提供します。

テキサス・インスツルメンツ(以下TI)においてオーディオおよびインフォテイメント担当のGeneral Managerを務めるMatt Watson氏は、下記のように述べています。「インフォテイメント・システムと計器クラスタに、多彩な情報をダイナミックに伝えるグラフィカルインタフェースを採り入れるには、TIの高性能マルチコア・プラットフォームであるJacintoが理想的です。自動車OEMとTier 1サプライヤ各社は、Mentor Embedded Hypervisorと、メンター・グラフィックスがAUTOSARおよびLinuxベースの自動車用ソフトウェアで培ってきた豊かな専門知識を組み合わせて、Jacinto 6のような先進プラットフォームの利点を最大限に活用し、インフォテイメント、計器クラスタ、テレマティクスの機能を1個の統合SoC上に集約できます。」

Mentor Embedded Hypervisor導入によるメリットは、以下の通りです。

■ 複数の機能を単一のマルチコアCPUに集約することにより、テストとデバッグ時間を短縮
■ ニーズに合わせ、AMP、SMP、あるいはAMPとSMPの組合せの利点を活用
■ システム内最高の権限レベルを持つ安全で高性能な組込みシステムを開発
■ ARM TrustZoneのセキュアなシステムアーキテクチャを用いて、通常時の操作と、例えばセキュリティ保護されたブートやPINアクセスなどセキュリティ保護された操作を1つの組込みアプリケーションで実現
■ デバイスやメモリをパーティションに分割し、機密保護が必要なリソースへの不正アクセスを防止


「開発者は、Mentor Embedded Hypervisorの強力で柔軟な機能を使って機能を集約し、今日の複雑で高度な接続性を備えたデバイスの要求に応えることができます。内蔵された安全保護機能によって信頼性とデータインテグリティを確保するとともに、ランタイム、ツール、サービスの包括的なソリューションにより、市場における差別化と優位性をもたらします。」メンター・グラフィックス、Embedded Software Division、Runtime Solutions、General Manager、Scot Morrisonは、上記のように述べています。

Mentor Embedded Hypervisorは、2013年12月に出荷予定です。製品についての詳細は、www.mentor.com/hypervisor(英語)をご覧ください。


メンター・グラフィックスの組込みソフトウェア事業部について
メンター・グラフィックスの組込みソフトウェア事業部は、自動車、産業機器、スマートエネルギー、医療機器、家電を含むさまざまな用途の組込み製品開発を支援しています。商用利用およびカスタマイズ可能なLinuxベースのソリューションとして業界をリードするSourcery™ CodeBenchとMentor Embedded Linuxは、最新のプロセッサやマイクロコントローラを搭載した組込みシステムの開発を支援します。Nucleus RTOSの小さなフットプリントとローパワー設計は、リアルタイム制御システムの開発に大きなメリットをもたらします。メンター・グラフィックスが提供する組込みソフトウェア関連製品およびサービスについての詳しい情報は、www.mentorg.co.jp/embeddedを閲覧ください。

メンター・グラフィックスについて
メンター・グラフィックス・コーポレーションは、世界中で成功を収めている電子機器メーカー、半導体企業、電子システム構築ベンダのニーズに応える製品をはじめとし、コンサルティングサービス、受賞歴を誇るサポートサービスを提供する、電子ハードウェアおよびソフトウェア設計開発ソリューションのグローバルリーダーです。1981年に設立されたメンター・グラフィックスは、過去12ヶ月間の売上高としておよそ10.9億米ドルを計上しており、本社はアメリカ合衆国オレゴン州ウィルソンヴィルに所在しています。メンター・グラフィックスについての詳しい情報は、www.mentorg.co.jpをご覧ください。

登録商標Linuxは、全世界における商標保持者Linus Torvalds氏から排他的ライセンスを受けているLMI(Linux Mark Institute)からの許諾により使用しています。Mentor GraphicsはMentor Graphics Corporationの登録商標です。その他記載されている製品名および会社名は各社の商標または登録商標です。

組込みソフトウェアについて

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