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Bosch compact ボッシュのモーターサイクル用ABS【ボッシュ】

2013年10月3日

モーターサイクルの安全性を向上

・ ABSはドイツにおけるモーターサイクルの全事故の1/4を防止可能

・ ABSは状況が変化する路面でもブレーキング時の車輪のロックを防止

・ モーターサイクル用スタビリティコントロールはあらゆる走行状況下でライダーをサポート




モーターサイクルを停止させるのは、いつでも簡単というわけではありません。とりわけ、急ブレーキをかけた場合や滑りやすい路面を走行している場合は、車輪がロックし、ライダーが振り落とされる危険があります。しかし、ボッシュのABS(アンチロック ブレーキ システム)があれば、車輪のロックを防ぎ、ライダーはより安全にブレーキをかけることが可能になるため、転倒を防止できるだけでなく、制動距離も大幅に短縮します。

メリット : ドイツ事故データベース(GIDAS)に基づくボッシュの調査により、このシステムが安全性を大きく向上させることが確認されました。ABSが標準装備されていれば、モーターサイクルの事故全体の1/4を防ぐことができる見込みです。さらに、ABSは事故全体の1/3についても効果を発揮すると考えられます。

欧州委員会が行った効果分析によると、モーターサイクル用ABSの装備を義務化することで、2020年までに5,000人以上の命を救うことができるとされています。また、ABSはアジアと南米の新興国においても、交通安全の著しい向上に寄与することになるでしょう。

機能 : ABSを装備したモーターサイクルでは、ABSコントロールユニットが車輪速センサーを用いて車輪の回転速度を常にモニターしています。そして、車輪がロックしそうになると、システムはライダーが安全にブレーキをかけられるようにブレーキ圧を調整します。これにより、砂道、砂利道や濡れた路面など、危険な状況下でもモーターサイクルを安定させ、制御可能な状態を保つため、ブレーキングに伴う転倒の危険が著しく低くなります。

モジュラーキット : ボッシュのモーターサイクル用ABS Generation 9は、モーターサイクル専用に開発された初めてのアンチロック ブレーキ システムです。容積0.5l、重量700gのこのシステムは、乗用車用システムをベースにしていた従来のシステムよりもはるかに小型化・軽量化されており、モジュラー式のデザインと豊富な機能により、低コストのエントリーレベルのモーターサイクルからスーパースポーツモデルまで、あらゆるパフォーマンスクラスに装備することができます。

ABS 9M lightは、エントリーレベルのアンチロック ブレーキ システムです。この1回路のシステムは前輪のみを制御するため、従来の2回路ABSよりも低価格です。これは特に、アジアや南米の新興国における低コストのモーターサイクル用として開発され、あらゆる市場で急速に普及している油圧式ブレーキシステムを備えるモーターサイクルにのみ装備することができます。なお、量産開始は2014年初めを予定しています。

ABS 9M baseは、前後両輪のロックを防ぐことができます。砂利やこぼれたオイルなどで路面状況が急激に変化した場合でも、システムは確実に反応します。

ABS 9M plusは、よりパワフルなモーターサイクルに適しています。圧力センサーの追加により、ABSコントロールユニットの性能がさらに向上しています。このセンサーにより、システムは差し迫った転倒の危険をより早期に認識し、それを防ぐための手段を講じられるようになります。

最高の性能を誇るABS 9M enhancedは、「電子的に連結されたブレーキシステム」を意味する電子式コンバインド ブレーキ システム(eCBS)機能も備えています。新たに前後ブレーキを連動させることにより、ライダーが前後いずれかのブレーキを操作しただけで、ABS 9M enhancedが自動的にもう一方のブレーキを作動させるため、ライダーがブレーキを強くかけたり、制動力を修正する必要はありません。また、ライダーがコーナー入口で車両を傾けながらブレーキをかけた場合でも、ABS 9M enhancedはモーターサイクルの傾斜角と直立姿勢に戻ろうとする力を適度に安定させます。

モーターサイクル用スタビリティコントロール: このセーフティシステムは、ABS 9M enhancedをベースにし、多数のセンサーと最新のソフトウェアを組み込めるよう拡張されました。これにより、ブレーキングと加速時、直線およびコーナーの走行時など、あらゆる走行状況下でライダーをサポートする世界初のシステムとなっています。

快適性と安全性をいっそう高める追加機能
ボッシュのABSは、モーターサイクルのブレーキング効果を向上させるだけでなく、モーターサイクルの安全性と快適性をよりいっそう高める豊富な追加機能も提供します。

トラクションコントロール : 加速中の後輪のスピンを防ぎ、前輪の浮き上がりを抑えるトラクションコントロールは、ボッシュのGeneration 9M ABSのあらゆる2回路システムに組み込むことができます。

ヒル ホールド コントロール : 今までは、坂道で停止中に後退を防ぐには、常にブレーキをかけ続ける必要がありました。しかし、ヒルホールドコントロールがあれば、ライダーがブレーキレバーとペダルを放してもブレーキ圧が保たれるため、ライダーが再び発進させるまでモーターサイクルは停止状態を維持できます。なお、この快適機能はABS 9M enhancedに組み込むことができます。

1994年からモーターサイクルの安全性を向上
ボッシュは1994年からモーターサイクル用ABSの生産を開始しました。このABSが初めて使用されたのは、日本の警察向けのスズキ製モーターサイクルです。2007年からは、これらのシステムの開発は、日本にあるボッシュのモーターサイクルセーフティのコンピテンスセンターで進められています。2010年には、ABSの安全性向上効果がADAC(ドイツ自動車連盟)によって認められ、「イノベーション&環境」部門の「イエローエンジェル賞」が授与されました。

ABS装備の義務化 : 欧州議会は、2017年より排気量125cc以上のモーターサイクル全車にABSの装備を義務付けました。なお、この規制はニューモデルの車両には2016年から適用されます。排気量50cc程度の小型モーターサイクルには、ABSまたはコンバインド ブレーキ システムのどちらかの装備が課されます。このコンバインド ブレーキ システムとは、前輪と後輪を機械的にリンクさせるシステムのことで、ブレーキング時に減速する力が常に両輪にかかります。ただ、ABSのようにブレーキ圧が調整されないため、車輪がロックする可能性があります。




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