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2012年欧州CO2 平均排出量分析【JATO Dynamics】

2013年9月17日

■ Fiat が昨年に引き続きCO2 平均排出量が最も低いブランドに
■ Dセグメント及びSUVセグメントにCO2排出量削減の動き
■ ギリシャは都市部のディーゼル規制の解除により、CO2 平均排出量が大幅に改善


近年欧州では、各国政府によるCO2排出量を抑える為の税制度を導入しており、環境対応車に対する消費者の関心も非常に高くなっています。JATO Dynamics 社は最新の分析で、欧州で2012年に販売された新車1台当たりのCO2平均排出量が、2011年の136.1g/kmから132.3g/kmに低下したことを示しました。

これらはJATO による欧州23カ国を対象にした、自動車のCO2排出量に関する最新分析レポートのリリースに先駆けて発表されたものです。

1. 欧州全体、国別の動向

欧州CO2平均排出量
EU目標との関連


長期化する不透明な景気動向のなか、欧州自動車市場は燃料価格の上昇、CO2排出量に係る課税措置、そして自動車メーカーによる新しいテクノロジーの導入等の影響を受け、2012年の欧州全体のCO2平均排出量は132.3g/kmに低下しました。

EU2014年ターゲットは、販売される新車の8割がCO2排出量平均値130g/km を下回るというものでしたが、これは自動車メーカーの努力等にもより2010年に既に達成されています。2012年には、新車市場の8割が平均CO2排出量121.8g/km にまで低減されています。


ギリシャは、大都市でのディーゼル車規制が解除されたのを受けて、2011年から2012年にかけてのCO2平均排出量が欧州で最も低下しました。

2. セグメント別動向


セグメント別では、対前年比で+5.3%の改善が見られたDセグメントが最もCO2平均排出量が改善されたセグメントになっています。なかでも、Mercedes-Benz とBMW のディーゼルエンジンモデルがこのセグメントのCO2排出量削減に大きく寄与しています。

SUV セグメントは、2003年以来最もCO2排出量平均値が低減されたセグメントとなりましたが、これは数多くのブランドが二輪駆動のモデルやバージョンの販売を増加させたことに起因しているものと思われます。

Fiat Freemontの例にもあったように、Med&Large MPVセグメントは2011年から2012年にかけて最もCO2平均排出量の改善が鈍かったセグメントとなりました。

3. ブランド別動向


Fiatが、119.8g/km を記録し、2011年に引き続き欧州販売TOP25ブランド中でCO2平均排出量が最も低いブランドであることが今回に分析で証明されました。しかしながら、大型クロスオーバーモデルであるFreemontの欧州導入の成功は、FiatブランドにとってCO2平均排出量の若干の上昇を意味し、対前年比では−1.3%悪化しました。

Fiatやその他いくつかの販売TOP10以外のブランドによるCO2平均排出量の上昇は、自動車メーカーにとってより収益率の高い車の販売を伸ばしつつ、同時にCO2排出量を減らすことの難しさを物語っています。

2011年と比較して最もCO2平均排出量を改善したモデルは、Bentleyの新型ContinentalGT/GTCです。Bentleyはブランド単体でも、対前年比で100g/km以上もの大幅な改善が見せました。

Peugeot 208は、Aセグメント及びHybrid車を除く2012年販売TOP20モデルのなかで、最もCO2平均排出量が低いモデルになりました。また、Plug-in Hybrid を除くと、2012年度の欧州で最もCO2平均排出量が低かったモデルはLexus CT200hです。

CO2排出量がゼロである電気自動車の販売台数は2011年から2012年に増加しているものの、そのマーケットシェアは未だ0.15%に留まっています。そして、Plug-in Hybridに目を向けるとわずか0.08%のマーケットシェアとなります。

電気自動車のようにCO2排出量50g/km以下の低排出車については、EUも奨励策を取り入れており、特典として「スーパークレジット」を付与することにより、メーカー別の平均排出量を実数以上に引き下げることが可能になっています。2012~2013年については、自動車メーカーは低排出車1台を販売するごとに3.5台を販売したとみなして1台平均のCO2排出量算定を行って良いという規定になっています。この数値は、2014年に2.5台、15年は1.5台と段階的に引き下げられ2016年には廃止されることになっています。


追記

本リリースにおける分析内容は、JATO Dynamics社の“欧州2012年CO2排出量分析”レポートの一部内容を抜粋したものです。当レポートは欧州23カ国を対象に、国、セグメント、ブランドごとのCO2平均排出量を詳細に示し、環境技術や各国のCO2排出量に応じた課税制度の効果について綿密な分析を行っています。

当レポートの完全版は2013年9月下旬にリリース予定です。(但し、英語版のみ)


JATO Dynamics 社について
JATOは1984年に設立され、世界で最もタイムリーで正確な最新の自動車仕様装備、及び、価格、販売・登録台数、ニュース、インセンティブに関するデータを提供しています。JATOは世界40カ国以上に拠点を持ち、独自の市場情報を提供しています。JATOの主な顧客は、世界中の自動車メーカーであり、短期的な市場変動に対応するための情報と、長期的な開発計画や顧客ニーズに対応するための情報を提供しています。JATOのデータは、MSNなどの消費者向け自動車ポータルサイトでも利用されており、消費者が購入しようとするモデルの競合車に対する優位、不利な点を表示することが出来ます。


JATO社Webサイト : www.jato.com
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