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転動体セパレータ採用「高負荷容量円筒ころ軸受」を開発【NTN】

2013年9月3日

【世界最高水準の負荷容量と高速回転性能を両立、長寿命を実現!】

NTN㈱(以下、NTN)は、荷重負荷能力と高速回転性能を高い次元で両立した「高負荷容量円筒ころ軸受」を開発しました。

円筒ころ軸受は、玉軸受に比べて荷重負荷能力に優れるため、比較的高い荷重が掛かる産業機械用の増速機や減速機に数多く採用されています。円筒ころ軸受の中でも、特に負荷能力が高いものとして、保持器を使用しない「総ころ形」があります。総ころ形は、一般的な保持器付き円筒ころ軸受に比べて、使用するころ本数を増やすことができ、高い定格寿命を実現します。しかし、保持器が無いため高速回転時には隣り合うころ同士が接触し、かじり*1やスミアリング*2などの損傷が発生する場合があり、主に低速回転域での用途に限られていました。

一方で、風力発電機の増速機や、建設機械油圧ショベル及び鉱山機械ダンプトラックの減速機には、高効率化による装置の大型化に伴い、高い荷重負荷能力と共に、高出力、高効率のための高速回転性能が求められます。

今回開発した「高負荷容量円筒ころ軸受」は、NTNが独自開発した「転動体セパレータ」を採用することでころ同士の接触を防ぎ、回転性能を損なうことなく総ころ形とほぼ同数のころを内蔵可能で、世界最高水準の負荷容量を確保しました。また、一般的な保持器付き円筒ころ軸受の1.5倍の定格寿命を実現し、増速機や減速機の低速軸はもちろんのこと、中・高速軸へも適用が可能です。さらに、風力発電機や建設機械によく用いられる遊星歯車型の増速機や減速機には、ころを最適設計することにより、遊星歯車の内径部を軸受の外輪軌道面として使用するができ(写真:Nタイプ)、装置全体の軽量・コンパクト化にも貢献します。

NTNでは、すでに風力発電機や建設機械メーカーに向けた本商品の提案を開始しており、引き続き、増速機や減速機を中心に産業機械用途に向けて広く提案してまいります。

*1かじり:焼付きを伴う疵。ころ同士が逆回転で摺動する場合や適切な潤滑量が得られないような場合に起こりやすい。

*2スミアリング:転がり面に生じる表面損傷の一種で、微小な焼付きが集合したもの。

特 長

(1)独自の転動体セパレータ採用で高負荷容量と高速回転性能を両立
・ 総ころ形とほぼ同数のころを内蔵可能 定格寿命1.5倍(保持器付円筒ころ軸受比)
・ 総ころ形で発生するころ同士の接触を防止 高速回転性能1.5倍(総ころ形比)

(2)装置全体の軽量・コンパクト化に貢献
・ ころの最適設計で、歯車内径面や回転軸を軸受軌道面として使用可能

【お問い合わせ先】
産業機械事業本部 事業企画部 TEL 0594-24-2478







































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