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Audi Sport quattro concept【アウディ ジャパン】

2013年9月4日

・モータースポーツの影響を受けた力強いデザイン
・システム出力515kW(700hp)を誇るプラグインハイブリッド
・優れたパフォーマンスと燃費: 0-100km/h加速 3.7秒、平均燃費 2.5l/100km (94.09 US mpg)

quattroとはアウディであり、アウディとはquattroである-アウディブランドとこの技術は切っても切り離せない関係に。Sport quattroの30周年記念として、アウディは2013年のIAAフランクフルトモーターショーにてその正統な後継モデルを発表します。Audi Sport quattro conceptは、見事なクーペデザインを纏い、システム出力515kW(700hp)を誇るプラグインハイブリッドシステムを搭載した、偉大なるquattroの伝統を受け継ぐモデルです。

quattroはただの技術ではありません - quattroとは、哲学なのです。この言葉は運転安全性とスポーツ性、確かな技術力、そして人生へのダイナミックなアプローチを表します。

1980年の“Ur-quattro(オリジナルquattro)“のデビュー以来、アウディは500万台以上の四輪駆動車を販売して来ました。これは世界の他のどのプレミアムメーカーよりもはるかに多い台数です。こんにちまで30年以上にわたり示されてきた、quattro conceptの強みとそのモータースポーツにおける数々の成功は人々に強く印象付けられています。

アウディの伝説的なモデルの一つが、世界ラリー選手権のホモロゲーションモデルとしてデザインされ、1983年のIAAにて発表されたSport quattroです。225 kW(306 hp)を誇り、多くの革新技術をつぎこまれたそのモデルは当時のスーパーカーでした。ハンドリングに磨きをかけるショートホイールベースが、Sport quattroに類まれな外観を与えました。競技車両はモータースポーツの歴史に1ページを刻み、ヴァルター ロールのドライブにより、1987年のアメリカ、コロラドで行われたパイクスピーク国際ヒルクライムで圧倒的な勝利を飾ったのです。

エクステリアデザイン:パワフルで魅力的

Audi Sport quattro conceptカーでアウディはこの伝統を今日に甦らせ、また3年前のAudi quattro conceptのスタディモデルに初めて取り入れられたアイディアも再び盛り込んでいます。このクーペは、オリジナルquattroのDNAと美しいエレガンスを融合させています。路面においてはパワフルで力強い挙動を示し、そのボディは21インチのタイヤ上にきっちりと乗っています。オーバーハングは短く、プロポーションはスポーティなバランスを保っています。全長4,602mm、ホイールベース2,784mmです。2シーターのこのモデルの車幅は1,964mmとワイドで、車高はわずか1,386mmと非常に低く抑えられています。

Audi Sport quattroと同様に、Audi Sport quattro conceptはレーシングスピリットに基づいてデザインされています。デザインの一つ一つのすべては、デザインのみの為に作られたものではないのです。

各デザインは技術的役割に基づいており、またその幾つかは1980年代初めのquattroモデルのオマージュとしてデザインされました。鋭いフラットなCピラーや、アウディの画期的なマトリックスLED技術が使われている長方形のダブルヘッドライトなどがその例です。これらは近い将来、量産モデルに採用される予定です。

ヘッドライトの内部には二つのフラットな構造が見て取れます。横まで廻ったデイタイムランニングライトと中央のロービームユニット、そしてアウディ マトリックスLEDがスポーティで引き締まった外観を作り出しています。ヘッドライトとテールランプは軽量構造を取り入れています。ヘッドライトではフロントデザイン性よりもLEDの放熱板を露出させることを優先し、テールランプではガラス面やハウジングを最小限に抑えています。

アウディ マトリックスLEDヘッドライトのLEDハイビームユニットは多量の個々のダイオードからなっています。上側のレンズとリフレクターと連携して作動する個々のLEDにより常に優れた照度が提供されます。これらはそれぞれ、環境により作動、非作動、暗くなるなどします。多数のLEDという構造により、その配置、サイズ、ヘッドライトのデザインなどで、新技術による多くの魅力的な可能性が広がったのです。

また別のデザイン的オマージュとしてフェンダー上の“ブリスター”があります。アウディのデザイナー達はこれらのラインに新しい解釈を加え、力強く際立たせました。ボディはよりエモーショナルに、がっしりとさせています。車両全体を通して、筋肉質のボディがシャープな輪郭でしっかりと形作られています。局面の凹凸の相互作用により、ボンネット、フェンダー、側面のデザインがAudi Sport quattro conceptのアスリートとしてのキャラクターを決定づけています。

新しい特徴: シングルフレームグリル

コンセプトカーのフロントは、レースの世界で使われる要素である新しいカットグリルが嵌め込まれた六角形のシングルフレームグリルが特徴です。下部は実質垂直で、上部はボンネットのラインの流れを受けています。低いグリルが広い車幅を強調します。二つの大きな垂直のブレードがそれぞれ大きなエアインレットを分けており、そのブレードのラインがボンネット上の筋に続いています。CFRPのスプリッターはレースカーのように、ずっと前方近くに作られました。フロントグリルはアウディの新しいデザイン哲学を象徴する一つであり、スポーティな生産モデルの今後のデザインの方向性を垣間見せています。

車両後部のプロポーションは、フラットなグリーンハウスと広い肩幅とのコンビネーションが決定づけています。リヤウィンドウ下部のスポイラーが、車両の幅広さを強調します。またこのモデルのリヤセクションにおけるもう一つの特徴的な要素は、大きく上方に伸びたCRFPのディフューザーです。シングルフレームグリルと同様その上部はハニカム構造となっており、下部には二つの大きなオーバルのテールパイプを擁しています。黒いCFRP仕上げ面上のテールランプは、quattroの典型的なデザインキューである長方形で、車幅を強調しています。スポイラーは、高速になるとリヤハッチより伸びてきます。底面下に堅固なクロスビームで補強をしてあるラゲッジルームの容量は、300リッターです。

Audi Sport quattro conceptのダイナミックな外観は、緻密に描かれた細部により完成されています。サイドシルはCFRP製、パワードアハンドルは手を近づけると自動的に手の方に動きます。フロント、リヤ、前タイヤ後方のエアアウトレット及びCピラーにはフォーリングスが奢られています。センターロックホイールのデザインは5本ツインスポークです。

インテリア:モータースポーツとエレガンスの融合

エレガントでスポーティというコンセプトは、Audi Sport quattro conceptのインテリアにも貫かれています。広いキャビン内は、ダークグレーの色調と緻密なラインに囲まれています。

インテリアはドライバーに焦点をあてたものです。ステアリングホイール、デジタルインスツルメントクラスター、ヘッドアップディスプレイはすべて一度の視界に入るようになっています。ウィンドシールドの下のラインはドライバーと助手席両方を包み込むように流れており、ドアハンドルなどのすべてのエルゴノミクス機能も融合しています。

アウディの特徴である軽量構造は、デザインと使用素材にも反映されています。上方から見たとき、スリムなダッシュボードはグライダーの翼を連想させます。インテリアの補助構造はカーボンシェルで出来ており、サイドドアにあるストレージスペースも同様です。こうした要素により、軽量構造を視覚的にも確認することができるのです。

quattroのドライブトレインはセンターコンソールの下を貫通しています。背もたれを倒すことができるスポーティなレーシングバケットシート、一体型のアップフロントなヘッドレスト、そしてフルリヤシートにより4名の乗車が可能で、背もたれを倒すことでリヤへ乗車できます。リヤシートの後ろに設置されたクロスビームは、さらなる剛性をもたらします。

細部への徹底したこだわりは、材質のチョイスとクラフトマンシップに現れています。マルチファンクション スポーツステアリングホイールにも、今後のスポーティ生産モデルの方向性を見ることができます。

コントロール類のコンセプトについてもドライバーが焦点となっています。コンセプトカーのもう一つの特徴として、すべての重要な情報が完全デジタルのインスツルメントクラスターに表示されるようになっています。マルチファンクション スポーツステアリングホイールで、バーチャル3Dディスプレイの数々の表示を切り替えることができます。

例えば中央のスピードメーターにトラックインフォメーション、ストップウォッチを含むレースモードや、数々のサーキットの詳細が入ったセットアップモードなどを選ぶことができます。さらに、アウディ独自のMMIコントロールユニットのタッチホイールは、情報を簡単に入力することも可能です。

さらなるハイライトは革新的な空調コントロールユニットで、エアベントと直接連携しています。温度、強度および風向はすべて一つの同じスイッチでコントロールすることができます。ベントのディスプレイには、メディアの主要情報か空調の設定のどちらかを表示させることができます。

力強いパフォーマンス:プラグインハイブリッドドライブ

プラグインハイブリッドドライブの採用により、Audi Sport quattro conceptは、息を呑むほどにダイナミックなクーペになりました。システム出力は515kW(700hp)、システムトルクは800Nm (590.05 lb-ft)です。パワーは、改良された8速ティプトロニックから、リヤアクスルのスポーツディファレンシャルを特徴とするquattroのパワートレーンに伝達されます。適用基準に照らし合わせると、コンセプトカーの平均燃費は2.5l/100km (94.09 US mpg)で、CO2排出量59g/km (94.95g/mile)となっています。

内燃機関(エンジン)はV8、 4リッターツインターボを搭載。出力412kW (560hp)、トルク700Nm (516.29 lb-ft)です。稼働中の4シリンダーを停止させる気筒休止(COD (Cylinder on demand))システムとスタートストップシステムが、8シリンダーユニットを非常に効率的なものにしています。

4.0 TFSIとトランスミッションの間に設置されたディスク形状の電動モーターは、出力110kW、トルク400Nm (295.02 lb-ft)となっています。リヤに搭載された液体冷却型リチウムイオンバッテリーから最大14.1kWhのトラクションエネルギーを引き出します。コンセプトカーは高度な管理により最適量をリチウムイオンバッテリーに充電することのできるアウディのウォールボックスから充電されています。Audi Sport quattro conceptは電力のみで50km (31.07 miles)の走行が可能です。

インテリジェントマネジメントシステムは必要に応じて二つのドライブの相互作動をコントロールし、また、ドライバー自身が様々な運転モードを選ぶことも可能です。

カスタマーはオペレーション及びドライビングストラテジーにより、Audi Sport quattro conceptの様々な特性を選ぶことがでる3つのモードを搭載しています。電力のみで走行できるEVモード、最も効率的なハイブリッドモード、そして最もパフォーマンスを発揮するスポーツモードです。

EVモードでは電動モーターのみが作動します。最大出力110kW及び最大トルク400Nm (295.02 lb-ft)、街中でも郊外でも走行可能です。作動中のアクセラレータがハイブリッドへの切替えをドライバーに知らせることにより、ドライバーは意識的に電動とハイブリッドの切替えをコントロールすることが可能です。

ハイブリッドモードでは、燃費効率のために環境とルートのデータを使用して電動モーターとエンジンの最適な稼働バランスを計算し、オペレーションストラテジーにより実行されます。ナビゲーション作動時は高効率のためのルートが最大限に利用されます。このモードではオペレーションストラテジーのカスタマイズも可能です。ドライバーが一定量の電力レンジを保持したい場合、または特定のルートを電力のみで走行したい場合等、「ホールド」や「チャージ」機能を使用することにより、パワーグリッドから充電することなくバッテリーの充電を正確に調整することができます。

スポーツモードでは、オペレーションストラテジーが最大のパワーとパフォーマンスを引き出すドライブシステムを設定します。電動ブーストがあらゆるドライビングの状況下でエンジンをサポートします。エネルギーマネジメントシステムはバッテリーに常に十分な充電がされているか確保さします。

V8エンジンと電動モーターの同時作動時、Audi Sport quattro conceptの0-100km/h加速は3.7秒と、アウディのパワフルなラリーカーが以前叩き出した記録と互角であり、最高速度は305 km/h (189.52 mph) です。

軽量構造もまたダイナミックなパフォーマンスの大きな一部を担っています。オキュパントセルが超高張力鋼板を結合し、アルミニウム構造成分を鋳造しています。ドア及びフェンダーはアルミニウム製。ルーフ、エンジンフード、及びリヤハッチはカーボンファイバーで強化されたポリマーで製造されています。これらにより、バッテリーパックを含む車両重量はたった1,850kg (4,078.55 lb) に抑えられています。

コンセプトカーのシャシーはドライブシステムのパワーを容易に発揮することができます。ハンドリングはスタビリティが高く、なおかつダイナミックです。フロントサスペンションはそれぞれのタイヤにコントロールアーム5つを装備し、リヤサスペンションはトラペゾイダルリンクの原理を引き継いでいます。高度にチューニングされたスプリングとダンパーにより、Audi Sport quattro conceptは的確に路面を捉え、ダイナミックステアリングはドライビングスピードにより比率が変化します。ブレーキキャリパーは大口径のカーボンファイバーセラミックブレーキディスクを確実にグリップし、タイヤサイズは285/30 R21です。




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