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表面実装に対応した2回路しゅう動接点式マイクロスイッチ 「SPVQCシリーズ」を開発【アルプス電気】
2013年8月28日
当社は、表面実装に対応した2回路しゅう動接点式マイクロスイッチ※1 「SPVQCシリーズ」を開発、本年6月より量産を開始しました。
自動車の電子化進展に伴い、欧米韓を中心にエレクトリカル・パーキングブレーキ(EPB)の搭載が増えています。こうした安全性の確保が必要な機器の機構部には、フェイルセーフ※2 として回路を二重化するなど、システムのバックアップの確保が一般的に行われています。
これまで、EPBにおいては、2個のマイクロスイッチを使用してバックアップを確保していましたが、低速で動作をすると各スイッチのオン/オフの同期タイミングがずれるなどの不具合が発生すると共に、微弱な電流で使用する際、一般に多く用いられているバット接点構造では、ゴミなどが混入することで接触不具合を起こす場合がありました。
また、LEDなどのEPB周辺部品において表面実装タイプが増えており、顧客での組み立ての際に、それらと一緒にリフローはんだ処理のできるマイクロスイッチが求められています。
この度、当社では表面実装に対応した2回路しゅう動接点式マイクロスイッチ「SPVQCシリーズ」を開発しました。当社従来品である「SPVQ9シリーズ」は、2回路しゅう動接点構造を業界で初めて採用し、欧州市場で50%※3 以上のシェアを獲得するなど、顧客から高い評価を得てきました。本製品はその構造を継承し、塵、ほこり、振動や衝撃に強く、高い接触信頼性を確保した表面実装タイプです。更に、機構設計技術と精密加工技術を生かし、内部のメカ設計を一から見直すことで横幅を1mm小型化しています。
本製品は、可動接点が常に固定接点を挟む両面しゅう動接点構造であり、スイッチの押し始めから、オン/オフの切り替え、そしてスイッチを押し切るまでの、どの操作範囲においても接点にかかる圧力を一定に保つことが可能です。更に、スナップアクション構造の採用と合わせることで、操作位置や操作速度に関係なく常に安定した接触が得られ、操作用スイッチとして高い信頼性を実現しています。
また、本製品の2回路間の切り替えタイミングは、従来の「SPVQ9シリーズ」同様、どのような操作速度でも15ms以下の短時間で切り替わります。これにより、1個のスイッチで機器のフェイルセーフシステム構築が可能となり、機器設計におけるコストダウンおよび搭載スペースの削減にも貢献します。
なお、本製品はIP67※4 に準拠した防塵・防水タイプです。
※1 マイクロスイッチは、操作部を押した時に内部接点のスナップアクション動作によって、瞬時にオン/オフの切り替えを行うスイッチです。ばねを利用し、ある一定以上の力がかかると瞬時に動作をする機構となっており、メカの動作位置検知用として家電から、車、産業機器など幅広く使用されています。
※2 故障や誤操作や設計上の不具合など障害の発生をあらかじめ想定し、障害が起きた時の被害を最小限に止める工夫をすること。
※3 当社調べ
※4 IP67は、IP(International Protection)規格で、外来固体物に対する保護内容と水の浸入に対する保護内容を表し、IP67とは、耐塵性と規定の圧力、時間で水に浸漬させても影響を受けないことを示す。
主な特長
● 表面実装に対応した2回路しゅう動接点式マイクロスイッチ
1. 周辺部品と共にリフローはんだ処理が可能な、表面実装タイプ
2. 従来品に比べ横幅を1mm縮小
3. スナップアクション構造と両面しゅう動接点により、どの操作位置でも安定した接点接触を実現するとともに、塵やほこり、振動に対しても高信頼性を確保
4. 2回路間の切り替えタイミングは15ms以下
主な用途
・ EPBなど車載用操作スイッチ
・ 非常用ボタン、産業機器の安全装置
・ 車載機器や白物家電などの駆動メカニズムの動作検出
販売計画
主な仕様
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