ニュース
シートコンフォートシステム:全クラス装備可能に【コンチネンタル・オートモーティブ】
2013年8月27日
● 革新的なコンフォートおよびセーフティーソリューションを通じ、車のシートに最新テクノロジーを導入し、量産モデルで最高級の品質を目指す
● フランクフルトモーターショー(IAA)2013にて、次世代シート機能のデモンストレーションを実施
● メルセデス・ベンツの新型Sクラスに採用されたシートには、コンチネンタルのマッサージ機能が搭載
シートは車内の快適性を大きく左右します。大手グローバル自動車産業サプライヤーのコンチネンタルは、インテリジェントなエレクトロニクスを用いて車両シートを多機能コンポーネントに進化させます。また、多様な電動調整を行う制御装置を搭載し、空調機能やメモリ機能、マッサージ機能、さらには多数の安全機能を実現します。「コンティネンタルは多様なシート機能を可能にし、先進的な電子制御を用いることで、快適でリラックスできる安全なドライブを楽しめるように支援します」と、インテリア部門 ボディ&セキュリティ事業部責任者のアンドレアス・ヴォルフ(Andreas Wolf)は述べます。こうした機能は、電子シート制御および空気圧式シート機能分野のシステムインテグレーターであるコンティネンタルの洗練された技術を示すものです。先日、メルセデスの新型Sクラス向けにマッサージ機能の供給を開始しました。コンチネンタルは、シート機能のパーソナル化に向けて、スマートフォンとシートシステムの相互接続の開発にも取り組んでいます。この技術のプロトタイプは、フランクフルトモーターショー(IAA)2013で披露します。
電子制御で完璧な座り心地を
車両シートの基本的な機能である位置調整は、これまでドライバーおよび同乗者が背もたれやレッグルームの広さの調整にとどまらず、複数のオプション機能を利用してきました。現代のシートシステムでは、背もたれやクッションそしてヘッドレストに10本もの調整軸が組み込まれています。これらは、サイレストの長さからショルダーパッドの高さ、およびランバーサポートの幅にいたるまであらゆる調整を可能にします。これらの調整用に、コンティネンタルの電子機器が制御する11台もの電気モーターを内蔵したシートもあります。オン/オフの操作に限らず、シートの微調整が可能になるよう、比較的ゆっくりとした速度での調整が必要です。一方、クーペやカブリオに見られる電気エントリー支援システムが、ドライバーおよび同乗者の忍耐を試すほど、ゆっくりすぎるようではいけません。
また、電子機器は、挟み込み防止システム付きメモリ機能も制御します。シートはボタン操作1つでドライバーが保存した位置に正確に設定されます。この機能を車両キーとリンクする事で、ドライバーが乗車する前に運転席を個別のプリセット位置まで移動することも可能です。このためには、調整モーターが作動する前に、シートの現状位置を正確に測定する必要があります。なぜなら、電子機器は、シートの現在位置を把握しない限り、設定した位置までの移動が不可能であるからです。そこでコンティネンタルでは、センサーの追加装備が不要のインテリジェントな自己調整ソリューションを開発しました。コンチネンタルの高性能エレクトロニクスとソフトウェアソリューションは、機能的にスケーラビリティに優れているため、中低価格帯の車種にもシートコンフォートシステムを導入できます。
電子制御のマッサージで快適に
現代の車両シートに快適をもたらすもう1つの技術は、人体の各部位をサポートして疲労を軽減する空気圧システムです。このシステムには、シートのクッション材と表皮材の下に特殊なエアクッションが挿入されています。車種によっては、クッションが10数個に達し、ドライバーや同乗者が手動で設定する静的システムに加えて動的システムも提供しています。エアクッションは、高速コーナリング時など、道路の状況に応じてシートの輪郭をすばやく変化させ、支持力または横方向のホールドを調整します。この動作には、エアクションおよびエアラインに加えて、より強力で且つ静音性に優れたコンプレッサが必要です。空気圧シートシステムには、このほかにも高速スイッチングバルブおよび集中制御ユニットなどが不可欠です。「この技術分野の重要性が高まっており、初期のマッサージ機能は、現在すでに中級クラス車でも利用できます。すなわちコンチネンタルは、自社の専門技術を拡大するために大きく前進しています。例えば、より多くの空気圧製品や空気圧機能をシートに組み込む開発を進めています」と、ヴォルフは自社の活動の裏にある戦略について述べています。
座席の内部も表面も年中快適
現代のシートには、かつてないほどのヒーターやベンチレーション、空調技術が搭載されています。この場合、制御装置はコンポーネントのオン/オフ以上の能力を必要とします。たとえば、シート表面と背もたれの温度を個々にそして段階的に調整できるオプションがあります。高級車を例に、シート温度を乗者のニーズに合うよう最大で4ゾーンに分けて調整できます。アクティブシートベンチレーション機能は、気温が大きく上昇してもドライバーと助手席の同乗者に快適なドライブを支援します。シートクッションに組み込まれた小型ベンチレーターがシートの下方から空気を吸い込み、シートの表面全体に冷気を均等に送ります。また、革新的なヘッドレベル暖房システムは、カブリオ内の温度を最適に制御して、外気温が低い際のオープンカーの運転を快適にします。この技術は、アクティブシートクーリングシステムと同様に、ヘッドレスト背面にあるベンチレーターが空気を吸引します。吸い込んだ空気は加熱されてシート正面の吹き出し口から噴射され、目に見えないマフラーのような存在となって、助手席の搭乗者の首や肩を温めます。
シートのネットワーク化
シートの高性能エレクトロニクス技術により、コンチネンタルは車両シートをより快適にするための幅広いオプション機能を提供しています。そして、次世代のシート開発に既に着手しており、IAA 2013でその技術を披露する予定です。この新たなシートは、ドライバーが自宅のコンピュータやタブレットPCを用いて、個々のニーズに合わせたオリジナルのコンフォートプログラムを設定できます。例えば、シートのヒーターおよび送風機能からお好みのマッサージ設定まで、ドライバーは好みに合わせたコンフォートプログラムを容易に作成できます。
Benecke-Kaliko事業部が開発した革新的なシート表皮材
コンチネンタルは、シートの表皮材にも自社の技術を取り入れています。Benecke-Kaliko事業部は、コンチネンタルの表皮材スペシャリストとして、Acella® Ecoシリーズを通じて車内温度の調整・改善に大きく貢献しています。シートおよびドアトリム用の内装素材のAcella® Eco Greenは、アレルギーフリー加工で皮膚に非常に優しく、環境に配慮した製品です。Acella® Eco Naturalは、最高で50%のリサイクル原材料を含み、一般的な表皮材と比較してCO2バランスが15%改善されています。
コンチネンタル・オートモーティブ株式会社ホームページはこちら